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議案の御説明、御報告に先立ち、一言申し上げます。
宜仁親王殿下には、去る8日、薨去されました。
殿下におかれましては、平成19年の「50周年記念日本工芸会四国支部展」の開催時に来県されるなど、伝統工芸の支援や、農林業の振興など、さまざまな分野にわたり、幅広い貢献をしてこられました。
ここに県民を代表いたしまして、謹んで哀悼の意を表する次第であります。
さて、ただいま上程された議案の御説明の前に、4点について御報告いたします。報告事項の第1点は、豊島廃棄物等処理事業についてであります。
平成23年に処理対象量を大幅に見直したことを踏まえ、事業のより正確な進行管理を図るため、毎年度末時点における廃棄物等の残存量を把握することとしており、現在、平成25年度末時点の残存量について、本年4月に実施した3次元レーザー測量の結果を取りまとめているところであります。
現時点の概算によりますと、処理済量と残存量を合計した全体量は、昨年度において、予測していた範囲を超えて掘削された廃棄物等の実績を反映させた結果、平成24年度末時点より体積が約4千立方メートル増加するとともに、重量は、体積の増加に加え、昨年度処理した廃棄物等の密度が一年前の調査時の1立方メートル当たり1.42トンから1.43トンと高くなったことから、平成24年度末時点の約91万1千トンから、約9千トン多い約92万トンとなるものと見込まれますが、現在、詳細を精査中であります。
また、本年1月に行った簡易測量に基づく推計では、重量は平成24年度末の約91万1千トンから約1万数千トン程度増加すると見込んでおりましたが、その見込みと今回の調査を比較すると、掘削実績に基づき直下汚染土壌は体積・重量とも減少するものの、廃棄物等については、体積は変わりませんが、重量は密度が高くなったことから約4千トン大きくなるものと現時点では見込まれます。
処理完了時期については、本年3月の豊島廃棄物等管理委員会において最長で平成29年3月頃としておりましたが、4月下旬から行っている溶融炉における土壌比率を上げた実証試験の結果から、現段階で機械的に試算すると平成29年2月頃と見込まれますものの、今後なお、変動があり得るものと考えております。
今後、豊島廃棄物等管理委員会の指導・助言を得ながら、処理対象量を推定するとともに、引き続き、処理量が最大となり、かつ、安定した運転が確保できる処理条件や処理計画の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
本事業は、平成12年に合意した調停条項に基づき取り組んでいる、県政の最重要課題の一つであり、何としてもやり遂げなければならない事業であると考えております。引き続き、直島町と豊島住民の方々、県議会をはじめ県民の皆様の格別の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に、調停条項で定められた平成28年度末までの処理期限を厳守するよう、全力で取り組んでまいります。
高松空港の航空ネットワークの充実につきましては、県議会のご理解をいただきながら、積極的に取り組んでまいりましたところ、本年3月30日から、上海線、台北線、羽田線が、それぞれ増便されたのに加え、7月18日から8月31日までの期間、ジェットスター・ジャパンによる成田線が、現在の1日2往復から3往復に増便されることとなっております。
私としましては、これらの路線をしっかりと根付かせ、観光客の一層の誘致をはじめ、地域経済の活性化を図りたいと考えており、航空会社はもちろん、高松市等とも連携しながら、インバウンド、アウトバウンドの両面から、一層の利用促進に積極的に取り組んでまいります。
なお、春秋航空日本により、高松・成田間の定期航空路線が6月27日から新たに開設される予定でありましたが、8月1日に延期されるとともに、高松線は1往復が運休することとなりました。今回の就航延期は大変残念ではありますが、春秋航空日本においては、改めて体制を整え、8月1日の就航に向けて、定時運航と万全なサービスの提供を確実なものとし、1日も早く高松線の1日2往復の運航を実現していただきたいと考えております。
第3点は、瀬戸内海国立公園指定80周年記念事業についてであります。
瀬戸内海国立公園は、昭和9年3月16日に備讃瀬戸を中心とする区域が、我が国最初の国立公園として指定され、今年80周年を迎えました。
80年前の指定日と同じ3月16日には、最初に指定を受けた展望地である屋島と寒霞渓において、記念のキックオフイベントを行い、多くの方々とともに節目となる年のお祝いをしたところであります。
7月13日には、国や高松市と連携して、記念式典を開催し、宮本亜門氏による基調講演や、パネルディスカッションを実施いたします。
また、7月12日から8月31日まで、昭和初期の国立公園候補地が描かれた名画を集めた特別展を、東山魁夷せとうち美術館において、開催いたします。
そのほか、「香川ウォーターフロント・フェスティバル」や「瀬戸内宝さがし大冒険」などの大規模な誘客イベントや、香川・岡山を拠点に活動するオーケストラのジョイントコンサートを開催するなど、瀬戸内の景観、歴史、食、文化、自然を体感できる様々な記念事業を、11月30日までの間、県内各地で実施してまいります。
瀬戸内海は、その多島美が「世界の宝石」とも称えられる美しい景観であり、本県にとって貴重な財産であります。その素晴らしさ、大切さを、次の世代に引き継ぎ、今後も守り伝えていくための機会となるよう、県内外の多くの方々に向けて、その魅力を発信してまいります。
第4点は、平成25年度一般会計の決算見込みについてであります。
平成25年度の県財政は、東日本大震災を踏まえた災害への備えや交通事故防止をはじめとした安全・安心対策に加え、厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、国の経済対策に呼応することはもとより、県独自の経済対策を行うなど、財政の健全化に配意しつつ、経済や地域の活性化、県民生活の安全・安心の確保などに取り組んだ結果、歳入総額4,488億9,600万円余、歳出総額4,368億9,800万円余となり、実質収支は、62億8,700万円余の黒字となる見込みであります。
今後とも、経済・雇用情勢に十分留意しつつ、「財政運営計画」に基づき、計画的な財政運営に努めてまいります。
まず、第1号の一般会計補正予算議案については、子育て支援対策臨時特例基金、介護基盤緊急整備等臨時特例基金など経済対策基金として造成した6基金について、その早期執行などを図るため、補正を行おうとするものであります。その総額は1億9千万円余となっており、財源としては、繰入金1億8千万円余、国庫支出金1千万円を充当することとしております。
第2号議案は、地方公務員法の一部改正に伴い、職員が、外国で勤務等をする配偶者と生活を共にすることを可能とする配偶者同行休業制度を導入するものであります。
第4号議案は、薬事法及び中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部改正に伴い、事務処理の特例に関する条例について、第5号議案は、本年10月から高松市に移譲する特定非営利活動法人の認証等に関する事務の処理に関し、高松市長から求めがあった場合に本人確認情報を提供するため、住民基本台帳法に基づく本人確認情報に関する条例について、それぞれ所要の改正を行うものであります。
第6号議案は、母子及び寡婦福祉法の一部改正に伴い、第7号議案は、水道局及び病院局の職員について、配偶者同行休業制度を導入することに伴い、関係条例の改正を行うものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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