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ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、4点について御報告いたします。
本県財政は、地方交付税をはじめとする一般財源総額が平成27年度をピークに減少する中、臨時財政対策債を含む県債残高は引き続き増加するとともに、財源対策用基金の残高は3年連続で減少するなど、厳しい状況にあります。
また、南海トラフ地震や豪雨などに備えた防災・減災対策や人口減少・地域活力向上対策はもとより、今後も増加が続く公債費や社会保障関係経費への対応、新県立体育館の整備なども踏まえれば、財政状況はさらに厳しさを増しているものと認識しております。
一方、総務省の概算要求では、地方の一般財源総額について、今年度の地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとなっているものの、国の取組みと基調を合わせた歳出の重点化・効率化に取り組むとされており、財源の確保は予断を許さないものとなっております。
こうした中、今般「財政運営指針」の見直しを行ったところでありますが、対象期間である平成31年度から32年度までの2年間の財源不足額は3億円増とほぼ横ばいとなっているものの、35年度までの5年間の財政見通しの仮試算を行ったところ、現指針と同様の歳入確保策及び歳出抑制策を講じても、5年間で28億円の財源不足が生じる見通しとなり、今後、スクラップ・アンド・ビルドの一層の徹底などにより財源不足を解消していく必要があります。
来年度の予算編成に当たりましては、これまで以上に中長期を見据えた計画的かつ持続可能な財政運営に努めるとともに、地方交付税をはじめとする一般財源総額の動向等も踏まえ、財政健全化に向けた取組みを行いつつ、限られた財政資源を効率的に活用することにより、「災害に強い香川づくり」、「人口減少の克服と地域活力の向上」に力点を置き、「新・せとうち田園都市創造計画」に掲げる21の重点施策を積極的に推進するなど、本県の将来の発展のために必要な課題に取り組んでまいりたいと考えております。
第2点は、東京都目黒区での児童虐待死亡事案についてであります。
今月15日、香川県児童虐待死亡事例等検証委員会から、この事案に関する検証結果について報告をいただきました。
本県で関わりがあった児童が亡くなられたことは、大変痛ましく、残念であり、改めて心よりお悔やみ申し上げます。
本県においては、児童相談所が、各市町、警察等関係機関との連携のもと、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応に努めてきたところでありますが、報告書では、本県の対応が行き届いていなかった課題について指摘されており、これらの検証結果を真摯に受け止めるとともに、いただいた改善策や提言に基づき、児童相談所の体制強化や他機関との情報共有、連携の強化等を着実に実施し、今後二度と、このような痛ましい事案が発生することのないよう再発防止に向けた取組みを徹底してまいります。
第3点は、瀬戸内国際芸術祭2019についてであります。
次回の瀬戸内国際芸術祭につきましては、先月30日に実行委員会総会を開催し、会場ごとに展開するアートプロジェクト・イベントのほか、作品鑑賞パスポートの詳細や海上交通対策、情報発信策などを決定するとともに、今月7日には、東京において各種メディア、旅行会社等を対象に企画発表会を実施したところです。
次回の芸術祭では、これまで以上に魅力的なアート作品の展開に加え、「瀬戸内の地域資源」に光をあて、「アジア・世界との交流」や「島の『食』」の充実を図り、「芝居などのパフォーマンス」も積極的に展開することにより、世界中から訪れる来場者に瀬戸内、香川の魅力を満喫していただきたいと考えております。また、新たな試みとして、より深く芸術祭の魅力や瀬戸内の「食」を楽しんでもらう予約制のガイド付きツアーを実施することとしております。
地域型芸術祭の先進モデルとしての注目の高まりとともに、県民の皆様の期待も大きくなっていると感じており、国内外から訪れる来場者とお迎えする我々県民が、ともに3年に一度の芸術祭を楽しむ姿を目指しながら、芸術祭の開催効果を県全体の活力の向上につなげていくため、地元市町や関係機関等と連携しながら、来年4月26日の開幕に向けて、万全の準備と気運の盛り上げに取り組んでまいります。
第4点は、新県立体育館の整備についてであります。
新県立体育館につきましては、今月、基本・実施設計業務の委託契約を締結し、施設の基本設計に着手したところであります。
これまで、設計業務公募型プロポーザルにおいて最優秀者として特定されたSANAA事務所の提案内容に関し、県立体育館整備等に関わる特別委員会の御提言や、6月定例会において「新県立体育館整備等に関わる決議」をいただいたのち、9月定例会において「新香川県立体育館整備基本計画」に盛り込まれている新県立体育館の機能が十分確保されるよう、各議員から御指摘をいただいた事項について提案内容の確認を行い、整理し、御説明申し上げてきたところです。
引き続き県議会における御議論の経緯も踏まえ、これから進めてまいります基本設計に当たっては、コンストラクション・マネジメントの手法も取り入れ、機能性や収益性を重視したアリーナ機能の充実や建設工事費の適正化等を図りながら、県民の皆様の待ち望む新県立体育館が、利用者にとって利用しやすい、魅力ある施設となるよう、取り組んでまいりたいと存じます。
さて、今議会に提案いたしました議案は、平成30年度一般会計補正予算議案など12議案であります。
第1号議案は、一般会計の補正予算についてであります。
まず、防災・減災対策関係につきましては、国の事業採択を受け、平成30年7月豪雨で発生した、ため池、急傾斜地などの災害箇所における防災措置や、今後の災害に備えた対策を講じようとするものであります。
次に、豊島廃棄物等処理関係につきましては、関係者の御理解をいただき、御協力を得られることとなったことから、今年2月に実施した地下水浄化対策及び4月から5月にかけて実施した確認調査に伴い見つかった豊島処分地における廃棄物等を処理し、有効利用を図ろうとするものであります。
なお、11月6日から開始した追加の確認調査において、約6トンの廃棄物等が見つかったことは、大変、残念であり、昨年、3月に廃棄物等の撤去が済んだと喜んでいただいた豊島住民のお気持ちを考えると、申し訳ないと思っております。
私といたしましては、今回の追加の確認調査をできるだけ早く完了させ、豊島廃棄物等処理事業フォローアップ委員会にも報告するとともに、見つかった廃棄物等については、これまでと同様に適正に処理したいと考えております。
また、新県立体育館整備関係につきましては、基本設計に当たり、コンストラクション・マネジメント業務等を行おうとするものであります。
さらに、今後の財政状況も見据えながら、先般の豪雨や台風での被害も踏まえつつ、地域の活性化対策を講じることとし、県単独の公共等事業として、道路の維持修繕や交通安全施設の工事等に加え、河川の護岸工事や河床整理、港湾施設の改良や維持修繕、小規模土地改良事業による農業生産基盤の整備、森林荒廃地の整備などを実施するとともに、老朽化した県有施設の改修や設備・機器の更新を行うことなどにより、災害に強い香川づくりと地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。
以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計の補正予算の総額は66億3,400万円余となり、その財源は、財政調整基金からの繰入金36億4,100万円余、県債24億6,900万円、分担金及び負担金1億6,900万円余、国庫支出金3億3,700万円余などとなっております。
また、先ほど申し上げました豊島廃棄物等の処理や新県立体育館整備におけるコンストラクション・マネジメント業務、また、来年度から日曜日に申請受付を開始する旅券業務、さらには、情報通信交流館(e-とぴあ・かがわ)、女木島野営場の指定管理による委託業務などに係る債務負担行為をそれぞれ設定しようとするものであります。
合わせて、台風時期の前に工事を完了させることが望ましい広域河川改修事業などについても債務負担行為を設定し、早期に着手することにより、円滑な事業執行を図ってまいりたいと考えております。
次に、第2号議案の特別会計の補正予算につきましては、番の州地区臨海工業用土地造成事業特別会計について、番の州地区臨海工業団地分譲地の一部売却に伴い、土地売却収入を番の州地区臨海工業用土地造成事業基金に積み立てるほか、その他の特別会計について、香川県番町地下駐車場及び玉藻町駐車場の指定管理による委託業務などに係る債務負担行為を設定しようとするものであります。
第3号議案は、香川県立保健医療大学大学院の保健医療学研究科に看護学専攻の博士課程を設置するため、所要の改正を行うものであります。
第4号議案及び第5号議案は、給与に関する条例の改正であり、人事委員会勧告の趣旨等を踏まえ、給料表及び期末・勤勉手当の改定等を行うものであります。
第6号議案及び第7号議案は、特別職及び議会の議員の期末手当の支給割合の改定を行うものであります。
第8号議案は、番の州地区臨海工業団地の分譲地の一部売却について、第9号から第11号議案までは、情報通信交流館(e-とぴあ・かがわ)など3施設の指定管理者の指定について、それぞれ議会の議決を得ようとするもの、第12号議案は、平成31年度において香川県が発売する全国自治宝くじ及び西日本宝くじの総額を定めるものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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