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公開日:2020年12月10日

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平成23年6月県議会定例会提出議案 知事説明要旨

ただいま上程された議案の御説明に先立ち、4点について御報告いたします。

第1点は、東日本大震災への対応についてであります。

去る3月11日に、東北地方太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0、最大震度7の超巨大地震が発生しました。この地震により、死者・行方不明者は2万3千人を超え、50万戸を超える建築物が全半壊、一部損壊し、今なお、8万人を超える方々が避難所生活を余儀なくされるという未曾有の大震災となりました。

改めて、犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げる次第であります。

香川県としては、発災直後から、被災された地域に対し、迅速な人的支援、被災者の受入れや必要な物資等の支援を行ってきたところであり、また、私も自ら被災地に入り、その被害の状況を目の当たりにすることで、県民の生命と財産を守り、安心して暮らせる地域づくり、香川づくりへの思いを一層強く心に刻んだところであります。

こうしたことから、今月6日には、東日本大震災に伴う財政措置や各般の対応、さらには、大規模災害対策などを国に対し、政策提案・要望したところであり、また、全庁的な防災対策の洗い出しと再点検を実施し、できるものから早期の取組みに着手したところであります。加えて、今年度の予算の執行に当たっても、防災・減災の観点から、可能な工夫を講じるなど、防災対策の取組みを強化したいと考えております。

今後とも、息の長い被災地への支援を行うとともに、県民生活の安全、安心を確保するため、地域防災計画の見直しと具体的な防災対策の実施、さらには震災の影響などを受けている県内経済の活性化に全力を傾注してまいります。

第2点は、高松・上海線の運航開始についてであります。

春秋航空による高松・上海線の定期運航については、当初、今年3月27日から、週4往復体制により、定期運航を開始することになっていましたが、東日本大震災の影響により、中国からの訪日観光客が激減した状態の中で、就航が延期となって以降、春秋グループともども就航に向けて努力しておりました。こうした中、日中両国政府のご尽力もいただいて、香川の観光の安全性と可能性を宣伝するためなどのプレチャーター便が、今月2日と5日に運航され、大きな成果をうるとともに、来る7月15日からは、定期運航が開始されることになりました。

上海線の実現は、県経済の発展や県民生活の向上、さらには両地域間、ひいては両国間の交流の拡大につながるものであり、また、高松空港の再生に向けた大きな第一歩になるものと大いに期待しております。

まずは、週2往復からのスタートとなりますが、プレチャーター便での成果を踏まえ、中国人観光客の回復に向けた中国でのPR活動や、日本での早期の路線定着に向けた利用促進に努め、インバウンド・アウトバウンド双方向での利用拡大を図り、少しでも早く当初の計画便数である週4往復を実現したいと考えております。

第3点は、「ART SETOUCHI 春」の実施状況についてであります。

昨年の瀬戸内国際芸術祭2010の開催で、「アートの香川」としての認知度は大きく高まっており、この効果を生かすため、行楽シーズンの、春、夏、秋においては、それぞれイベント月間を設けるなど、年間を通じた誘客促進を図っているところであります。

「ART SETOUCHI 春」は、3月27日から5月8日までを期間とし、サンポート高松でのオープニングイベント「ミュージカルパレード」を皮切りに、豊島の「島キッチンでのライブ」や「男木の宝探し」など、島とアートを体感する26のイベントを開催したほか、ゴールデンウィーク期間中は、アート作品や施設を無休で公開するなどいたしました。

期間中、イベントには、合わせて1万人余が来場し、アート作品や施設には延べ7万9千人の来場があったところです。

今後、夏や秋の本格的な観光シーズンにおいても、「ART SETOUCHI 夏、秋」を設定し、独自のイベントや作家のワークショップを開催するとともに、島の祭りや既存のイベントともタイアップし、瀬戸内海のPRや本県への誘客促進を図ってまいりたいと考えております。

第4点は、平成22年度一般会計の決算見込みについてであります。

平成22年度の県財政は、「新たな財政再建方策」に基づき、財政再建に取り組む一方で、厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、国の経済対策への対応や県独自の経済対策を行うなど、積極的に経済や地域の活性化、県民生活の安全・安心の確保などに取り組んだ結果、歳入総額4,532億4,000万円余、歳出総額4,411億5,100万円余となり、平成18年度から20年度の決算額を上回る見込みであります。また、実質収支は、60億6,000万円余の黒字となり、対前年度比は、7億5,700万円余の増加となる見込みであります。

今後とも、経済・雇用情勢に十分留意しつつ、「財政運営計画」に基づき、計画的な財政運営に努めてまいります。

さて、今議会に提案した議案は、平成23年度一般会計補正予算議案など11議案であります。

第1号及び第2号の補正予算議案について、その主な内容を御説明いたします。

東日本大震災への対応としましては、被災地の支援、地域の防災対策、県内経済等への対応の3つを柱に取り組んでいるところです。

まず、被災地の支援については、警察官、医師、保健師、栄養士、事務職員などを被災地に派遣し、行方不明者の捜索や道路の交通規制作業、健康相談、医療救護活動、被災自治体の行政機能支援などを行うとともに、被災地における復旧支援のための災害ボランティアを派遣するものであります。また、被災者の受入れのための県営住宅の空き家の修繕、県内の幼稚園や小中学校等に転入学した被災児童生徒等に対する就学支援やスクールカウンセラーの派遣を行うとともに、復興支援物産フェアの開催や被災事業者の受入れ体制を確保するものであります。

地域の防災対策については、今回の震災で被災された地域に本県から提供いたしました備蓄物資の補てんを行うとともに、県民の安全・安心の確保や県内企業の輸出の円滑化を図るため、放射能測定機器の整備、さらには、ため池のハザードマップ作成に対する支援を行うものであります。加えて、新中央病院の防災対策について、できるだけ早く検討を進めるものであります。

県内経済等への対応については、震災の影響により、県内中小企業の資金繰りが厳しくなっている状況を踏まえ、資金調達の円滑化を図るため、「東日本大震災復興緊急保証」が創設されたことに伴い、「地震対策緊急融資」について融資枠の拡充を図るとともに、観光客が減少していることを踏まえ、国内誘客の促進、さらには、中国、韓国、台湾に対する観光PRなどを行うものであります。

そのほか、国の経済対策に伴い造成した基金の早期執行を図るとともに、韓国テレビドラマのロケ誘致に取り組むものであります。加えて、全国一の生産額を誇るマーガレットの産地を維持するため、JAとともに支援を行うものであります。

以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計補正予算の総額は20億8,200万円余となっており、その財源は、国庫支出金1億600万円余、繰入金14億7,500万円余、諸収入5億円をもって充当することとしております。

第3号議案は、行政委員会の委員等の報酬について、地方自治法の規定の趣旨や勤務実態、職務の内容等を踏まえるとともに、勤務日数に表れない活動や、責任があることなどに留意し、選挙管理委員会、労働委員会などの委員に対する報酬を、現行の月額から、日額と月額の併用に改めるものであります。

第4号議案は、関係省令の一部改正に伴い、離島振興対策実施地域及び過疎地域において県税の課税免除の対象となる設備等の新設又は増設の期限を2年間延長するものであります。

第5号議案は、関係法律の制定に伴い、林業・木材産業改善資金及び沿岸漁業改善資金の貸付対象者を拡大するものであります。

第6号議案は、香東川公園の管理について、指定管理者制度を導入するものであります。

第7号議案は、東日本大震災による被災者に対する支援施策として、国からの被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金を受け入れることに伴い、香川県高等学校等修学支援基金の対象事業に、被災した幼児、児童又は生徒に対する就学等を支援する事業を追加するものであります。

第8号議案及び第9号議案は、香川県行政に係る基本計画の議決等に関する条例に基づき、香川県総合水資源対策大綱2011及び香川県行財政改革基本指針の策定について、第10号議案は、農業試験場の土地等の一部を高松市に売却することについて、第11号議案は、善通寺養護学校移転整備建築工事の工事請負契約の締結について、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。

以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。

提案理由(平成23年6月県議会定例会)(PDF:134KB)

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