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平成31年2月県議会定例会提出議案知事説明要旨平成31年2月県議会定例会の開会に当たり、県政運営の所信及び平成31年度当初予算の概要と主要施策等について御説明し、議員各位、県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。
本年平成31年は御代(みよ)替わりの年であり、平成最後の年であります。
一昨年11月、「第41回全国育樹祭」で御来県されました皇太子殿下が、新たに天皇陛下として御即位されるとともに、元号も平成から新元号に改まり、新しい時代がスタートする年となります。
このような歴史の新しい一歩を目のあたりにすることに、身が引き締まる思いでありますが、あらためて平成という時代を振り返ってみれば、国際社会では、冷戦の終焉とともに、地球規模で人やモノの移動が大幅に拡大していき、グローバル化やICTなどの技術革新の進展もあいまって、政治・経済は大きな変化を遂げてきました。
国内では、いわゆるバブル経済の崩壊後、低成長が続き、その間、阪神・淡路大震災、東日本大震災という2つの大震災が発生しました。近年では、大規模な自然災害が頻発化するとともに、急激な人口減少と少子高齢化という大きな社会構造の変化に直面しています。一方で、こうした社会変化を捉え、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など新たな技術を活かした、スマート社会の実現に向けた取組みも始まっています。
会社や組織といった集団に属して、高度経済成長や人口増加を経験した昭和の時代に比べ、一人ひとりの幸せや多様な働き方を模索してきたのも、平成という時代の特徴の一つであったのではないかと感じます。
私は、知事就任以降、こうした潮流により、国内外において様々な環境が変化する中で、常にこれからの香川県に何が必要かという視点に立って、郷土の発展のために全力を尽くしてまいりました。
現在、国際的な政治・経済情勢は、より複雑となり、不透明となっていますが、新しい時代に向かって、持続可能な平和で豊かな地域社会を創り出していくため、私は、これまで時代を築き上げてきた先人のたゆみない努力に思いをはせるとともに、現下の山積する諸課題に対し、私自身が先頭に立ち、気概をもって挑む決意を新たにしているところです。
その大きな課題が、まず、「災害に強い香川づくり」であります。
昨年は、島根県西部、大阪北部、北海道胆振東部で、今年に入り、再び熊本で大きな地震が起こり、南海トラフ地震についても今後30年以内の発生確率が、70%ないし80%へと引き上げられ、もはやいつ発生してもおかしくない状況にあります。また、昨年7月の西日本豪雨は近県に大きな被害をもたらしましたが、本県で同様の被害が生じなかったのは、気象状況の紙一重の差ではなかったかと思います。
こうした状況を踏まえ、私は、「災害に強い香川づくり」を強力に推進し、県民の皆様の生命と財産を守ることが、県にとっての最大の責務であると考えております。
そのため、海岸・河川の地震・津波対策やため池の耐震改修等のハード整備を着実に進めていくと同時に、各市町とともにソフト面の対策について改めて見直しを図り、県民の皆様の防災意識の向上と万が一の備えを、家庭、学校、企業等を通じて再構築していき、一人ひとりの命を守る防災・減災対策を強力に進めてまいります。
もう一つの大きな課題が、「人口減少問題の克服と地域活力の向上」であります。
私は、知事就任以来、人口の自然動態、社会動態ともに減少が続く香川の現状に危機感を覚え、これまで人口減少対策に最優先で取り組んでまいりましたが、改めてこの問題が「今、そこにある危機」であると認識し、人口の社会増減を継続的にプラスに転換させるとともに、人口の自然減を抑制し、次の世紀には人口増を目指していける社会の構築を目指して、引き続き全力で取り組んでまいります。
一方、「かがわ人口ビジョン」では、2060年に約76万人の人口を維持する目標を掲げておりますが、今後も当分の間、人口総数は減少が続くと見込まれることから、人口減少に適応した社会の構築も重要であり、自然、歴史、文化など本県独自の資源を生かし、国内外から多くの人が集う、活気ある香川づくりにも取り組んでまいります。
今年の干支は、己亥(つちのとい)であります。
「己(つちのと)」は「草木が生い茂って整然としている状態」を表し、「亥(い)」は「草木の生命力が種の内部にこもっている状態」を表しているとされ、物事の条件が整い、力が充填する年と言われております。また、動物のイノシシは、運動能力が高く、突進力に優れています。
私は、こうした干支にちなみ、今年1年を、これまで鍛え、蓄えてきた力を磨き上げるとともに、様々な課題の解決に向けて突き進んで、前進を続けていく年にしたいと考えております。
平成から新しい時代へと変わる節目の年にあたり、私自身、今一度初心に立ち返り、多様で活力ある豊かな郷土香川を実現するため、県議会はもとより、県内8市9町とのより密接な連携のもと、誠心誠意、全力で取り組んでまいりますので、引き続き、議員各位の格別の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
以上、所信の一端を申し述べました。続きまして、上程されました当初予算案について御説明いたします。
平成31年度当初予算は、私の基本理念である『せとうち田園都市の新たな創造』の実現に向け、「災害に強い香川づくり」、「人口減少問題の克服、地域活力の向上」に最も力点を置き、「信頼・安心のかがわ」、「成長するかがわ」、「笑顔で暮らせるかがわ」の3つを基本方針として、編成したところであります。
編成にあたっては、昨年11月に見直した「財政運営指針」において試算した今後5年間の収支見通しが一層厳しさを増している中、無駄を省き、施策の選択と集中を徹底するとともに、「財政運営指針」に沿った対策として基金の活用、事務・事業の見直しや行政経費の節減等を講じることで財源の確保に努め、その限られた財源を喫緊の課題である防災・減災対策、人口減少・活力向上対策に重点的に配分するなど、本県の将来の発展に資する施策に重点的に取り組むものとして、前年度を上回る規模を確保しました。
一方、次世代への責任の視点に立って、財政健全化との両立が果たせるよう意を用いており、臨時財政対策債を除く県債残高は引き続き減少する見込みであるとともに、新県立体育館整備に備えるため、今年度に続き、10億円を基金に積み立てることとしておりますが、今後とも持続可能な財政運営に努める必要があると考えております。
歳入面においては、臨時財政対策債は減少するものの、県税や地方交付税などの増加により、平成31年度の一般財源総額としては、約6億円増加するものと見込んでおります。なお、同時に編成を進めました平成30年度補正予算は、国の補正予算に伴う対応として、防災・減災対策等に一般会計及び特別会計あわせて47億円余を計上することとしており、その内容につきましては、後ほど、御説明いたします。
それでは、以下、平成31年度の主要な施策について、申し上げます。
第1は、「信頼・安心のかがわ」についてであります。
まず、「「子育て県かがわ」の実現をめざす」については、「かがわ縁結び支援センター(ENーMUSUかがわ)」の一層の利用促進を図るため、新たに各市町との連携による窓口の拡充などを行い、結婚を希望する男女の出会い・結婚を積極的に支援するとともに、新たに、がん等の原疾患の治療を行うことで生殖機能の低下等の課題を生じる患者に対し、妊孕性温存治療に要する費用の一部を助成する制度を創設することにより、子どもを持つことを望む方への経済的負担の軽減を図ってまいります。
また、保育所等利用待機児童への新たな対策として、私立保育施設における保育士の研修参加や休暇取得の際の代替保育士について、民間の人材派遣会社を活用した支援を行うことにより、職場環境の改善及び保育士の離職防止を図ります。
さらに、「さぬきこどもの国」が2020年度に開園25周年を迎えることから、わくわく児童館のリニューアルを実施し、「子育て県かがわ」のシンボルとして、県内外の子育て家庭の利用を促進することはもとより、移住・交流人口の増加にもつながるよう、その魅力の向上に努めてまいります。
児童虐待防止対策の強化については、児童虐待対策に専門的に取り組む課を児童相談所に新設するほか、児童福祉司等の増員や警察官、弁護士の配置など、児童相談所の体制強化を図るとともに、司法、医療、教育等の分野との一層の連携強化を行い、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応に全力で取り組みます。
このほか、本県独自の大学生等奨学事業や、高等学校等就学支援金、私立高等学校授業料軽減補助に加え、本年10月から始まる幼児教育の無償化などにより子育て家庭の経済的負担の軽減を図るとともに、放課後児童クラブ等の運営支援、多子世帯の子育て支援などにも継続して取り組み、次代を担う子どもたちを安心して生み、健やかに育てることができる「子育て県かがわ」の実現を目指してまいります。
次に、「健康長寿の香川をつくる」については、各市町が実施する小学校4年生を対象とした小児生活習慣病予防健診に対する助成に加え、新たに、中学校1年生への予防健診を助成対象とするなど、子どもの生活習慣病予防対策を強化いたします。
また、成人期や高齢期の歯周病検診の受診率向上を図るため、新たに、健康増進法に基づく歯周病検診に合わせ、歯の表面クリーニングを追加して実施する各市町に対し、その経費の一部を助成するとともに、加齢に伴う口腔機能の低下が心身の虚弱を招いて、要介護状態に進む「オーラルフレイル」の予防や改善の方法等について普及啓発を図ることにより、歯と口腔の健康づくりを推進いたします。
さらに、本県のがん罹患率が全国的に高い状況にあることなどを踏まえ、あらゆる機会を捉え、がん罹患の現状や生活習慣における注意喚起等の周知・啓発を拡充し、県民の皆様のがんの発症予防や早期発見への意識の向上を図ってまいります。
健康・長寿の産業化・地域ブランド化については、先端技術を有する研究機関等と連携し、植物工場のコスト低減に関する研究・実証への支援等に引き続き取り組むとともに、これまでの様々な研究・実証等の成果を発信・普及することにより、地域産業の活性化や、健康長寿の地域社会の実現を目指します。
次に、「切れ目ない安心な医療体制をつくる」についてであります。
医療ニーズが変化し、医療資源が限られる中で、地域医療介護総合確保基金の活用等により、病床機能の分化・連携や在宅医療の推進に積極的に取り組み、「香川県地域医療構想」の実現を図るとともに、専攻医に対する研修資金の貸付制度の創設や看護学生修学資金の貸付枠の拡大などにより医療人材の確保にも努め、地域において切れ目のない医療の提供を実現することにより、良質かつ適切な医療を持続可能な形で効率的に提供する体制の確保に努めます。
また、救急医療や災害時医療の体制強化を図る観点から、本県におけるドクターヘリの導入可能性について、学識経験者等で構成されるドクターヘリ導入検討委員会を設置し、具体的に検討を進めてまいります。
県立病院においては、病院事業管理者のもと、より一層の経営改革に取り組むとともに、中央病院におけるがんゲノム医療の推進や緩和ケア病棟の全面稼働により、がん医療の充実を図るなど、県民の皆様から求められる医療を安定的、継続的に提供していきます。
次に、「高齢者や障害者が地域で安心して暮らせる社会をつくる」についてであります。
高齢者施策については、今年度から3年間を計画期間とする「第7期高齢者保健福祉計画」に則し、各市町をはじめ、保健・医療・福祉等の関係者と連携しながら、認知症施策の強化を図るとともに、医療・介護連携、介護予防・重度化防止の推進に取り組むほか、健康づくりと生きがいづくり、介護サービス等の充実、質の高い介護・福祉人材の確保など、各種取組みを総合的に推進します。
また、経済連携協定(EPA)や新たな在留資格制度の創設などにより、今後、外国人介護人材の増加が見込まれることから、介護施設等において円滑に就労・定着できるよう、受入体制の整備を支援してまいります。
障害者の地域生活支援と就労・社会参加の促進については、「第5期かがわ障害者プラン」に基づき、圏域ごとの相談支援機能の強化を図るとともに、一般就労の促進や福祉的就労における所得の向上に取り組むほか、障害者の文化・芸術活動の成果を発表する場を確保することなどを通じて、障害や障害者に対する県民の皆様のより一層の理解促進を図り、共生社会の実現に向けて取り組んでいきます。
また、障害者スポーツの振興については、東京パラリンピックに向けて、競技力の一層の向上を図り、世界レベルの大会で活躍できる障害者スポーツ選手を育成するため、支援体制の強化を図ってまいります。
さらに、人権が尊重される社会の実現を目指し、「香川県人権教育・啓発に関する基本計画」に沿って、人権教育の充実や効果的な啓発活動の積極的な展開を図るとともに、人権に関する相談窓口を活用した人権擁護活動の推進に努めます。
次に、「周到な防災・減災対策で災害に備える」についてであります。
頻発化する自然災害への対応の必要性や南海トラフ地震の発生確率が高まる中、県民の皆様が、防災情報に、よりアクセスしやすい環境を整備するため、災害時の情報伝達の基幹システムである「香川県防災情報システム」を更新するとともに、新たに、スマートフォンの位置情報を活用して、適切な避難行動を支援する機能などを有したアプリケーションを提供できるシステムを構築いたします。
また、各市町や防災関係機関と連携し、避難体制の強化や自主防災組織の取組みへの積極的な支援などを進めるとともに、県民の皆様が自らの命を守るための家庭における防災対策を促進するため、新たに、家具類の転倒防止対策に対する支援を行うほか、防災教育副読本の改訂・活用や各種の広報啓発活動などにより、県民の皆様の防災意識の一層の向上を図ります。
さらに、県内中小企業等におけるBCP(事業継続計画)の策定を促進するため、セミナーや個別相談会の実施、優良取組事業所の認定のほか、新たに、専門家の指導などによるBCPの策定等に対する支援を実施いたします。
海岸堤防や河川堤防については、「地震・津波対策海岸堤防等整備計画」に基づき、ため池については、「老朽ため池整備促進第11次5か年計画」に基づき、それぞれ、特に優先度の高い箇所から重点的・集中的に対策工事を進めるとともに、県民の皆様に対し、大規模な洪水氾濫や高潮発生時の危険性を周知するため、浸水想定区域図の作成や危険・警戒水位の設定等について検討を進めてまいります。
また、大規模な地震発生時における県民の皆様の安全・安心を確保するため、避難路や通学路などに面した民間施設の危険なブロック塀等の撤去に対して補助する市町への支援制度を創設いたします。
このほか、民間建築物や住宅の耐震化、老朽危険空き家の除却、私立学校施設の耐震改修についても引き続き支援してまいります。
県民の皆様の生命と財産を守ることが、県にとっての最大の責務であると肝に銘じ、ハード・ソフト両面から、あらゆる防災・減災対策を実施することにより、「災害に強い香川づくり」を強力に推進いたします。
次に、「安心につながる社会資本を整える」についてであります。
高松空港へのアクセスの向上や定時性の確保を図るため、空港連絡道路については、今年度新規事業採択された県道岡本香川線から南の香南工区の整備を進めるとともに、さぬき浜街道については、引き続き県道丸亀詫間豊浜線多度津西工区の整備を進めるほか、県道高松坂出線五色台工区の整備に着手いたします。
また、河川や港湾等の社会資本の計画的な整備を図るとともに、公共土木施設の長寿命化計画の策定や計画的かつ効率的な補修工事に取り組むなど、老朽化対策を推進いたします。
さらに、輸送力、定時性等に優れた鉄道を中心に、駅などの交通結節点において、バスやタクシー、自家用車等との乗り継ぎ機能を高め、県全体で利便性と結節性に優れた地域公共交通ネットワークの構築に努めてまいります。
安定した水資源の確保と供給については、引き続き、ダムやため池の整備を推進するとともに、安全で良質な水の安定的な供給のため、地震などの災害に強い水道の構築に向けて、香川県広域水道企業団による水道施設の更新・耐震化を促進いたします。
次に、「交通事故・犯罪のない安全安心な香川をつくる」についてであります。
本県における昨年の交通事故は、件数、負傷者数とも前年から減少し、さらに、死者数は前年を下回る44人となりましたが、人口当たりでは依然として全国ワースト上位にあります。
また、昨年12月と今年1月の2か月間で14人もの尊い命が奪われるなど、緊急事態宣言を行う状況となっており、交通死亡事故の抑止を喫緊の課題として、引き続き、全力で取り組んでまいります。
具体的には、交通マナー向上の広報啓発や交通安全教育、交通安全施設等の整備、交通指導取締りなど、これまでの対策に加え、新たに、スマートフォン等を活用して車の運転状況を診断し、安全運転を競う県民参加型のコンテストを開催するほか、実車を中心とした安全運転教育講習の受講に対する支援や、今年度実施したAIによる交通事故分析の結果を踏まえた効果的な広報啓発に取り組みます。
また、交通事故死者数の6割以上を占める高齢者に対しては、高齢者世帯訪問活動を通じたきめ細かな交通安全指導、反射材用品の利用促進活動や先進安全自動車の普及促進のための支援を継続するほか、高齢者の運転状況に応じた講習会を開催し、安全運転意識の向上に努めてまいります。
このほか、昨年施行された「香川県自転車の安全利用に関する条例」の一層の浸透を図り、自転車が関与する交通事故の未然防止に努めるとともに、交通事故の実態に応じた効果的な指導取締りの強化のほか、自転車歩行者道の整備、交差点改良、歩道のバリアフリー化、交通事故多発交差点等におけるカラー舗装化や分かりやすい路面標示など、安全で快適な交通環境の整備を一層推進いたします。
県民の皆様に対する身近な犯罪の抑止、地域の自主防犯力の向上に向けては、各市町や自治会等を対象とした防犯カメラの設置に要する費用の助成制度を継続するとともに、新たに、企業等に対し防犯CSR(企業の社会的責任)活動への参画の働きかけや広報啓発を行い、防犯意識の改革や活動に参加しやすい環境を作ることにより、防犯活動の活性化を図ります。
また、年々、悪質・巧妙化する特殊詐欺については、引き続き、振り込め詐欺撃退装置の設置促進を図るなど、幅広い年齢層に対する被害防止対策に取り組み、犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。
このほか、警察基盤の強化を図るため、老朽化し、狭隘な坂出警察署の整備に着手いたします。
第2は、「成長するかがわ」についてであります。
「戦略的な産業振興を図る」については、昨年見直した「香川県産業成長戦略」に基づき、第4次産業革命の技術革新であるAI、IoT等を活用して、様々な社会課題を解決できる持続可能な経済社会システム「Society5.0(超スマート社会)」の考え方も取り入れ、「産業の創出と維持・発展を図る」ほか、「企業の海外展開の促進」、「企業立地や企業活動を支えるための産業基盤の強化」などについて、各種施策を積極的に展開してまいります。
まず、AI技術の活用については、我が国のAI研究の第一人者で、本県の産業活性化アドバイザーでもある、本県出身の松尾豊東京大学特任准教授から、引き続き御助言をいただくほか、新たに、三豊市とも連携し、県内企業等を対象にAIの実践的な知識・技術を基礎から応用まで体系的に学ぶことのできる講座を開講するなど、生産性向上等にAIを活用する人材の育成を推進いたします。
また、産業技術センターにおいて、AIをはじめとする技術研修会等の開催による人材育成や普及啓発に取り組むほか、産業技術総合研究所等と連携して技術相談に的確に対応するとともに、RPA(ロボットによる業務自動化)、IoT、ロボット技術の導入検討を支援してまいります。
さらに、創業支援については、引き続き創業しやすい環境整備に努めるほか、社会的な課題に取り組む事業者の起業等を新しく支援するとともに、県内中小企業の円滑な事業承継を促進するため、専門家を活用した事業承継計画の策定や第三者への事業引継ぎを支援します。
県内企業の海外展開支援については、引き続き、高松空港からの直行便就航地域でのビジネス展開を支援するとともに、ジェトロと連携して、現地情報の提供や商談会の開催などを行うほか、海外展開を担う人材の育成に努めることとしております。
企業誘致については、私自身が直接、企業のトップにお会いして、本県の優れた立地環境をPRするとともに、各市町などとも連携し、立地用地の確保やワンストップサービスの一層の充実に努めるなど、優良企業の立地促進や企業が操業しやすい環境整備に取り組んでまいります。
このほか、「かがわ希少糖ホワイトバレー」プロジェクトによる希少糖拠点機能の強化、研究開発や商品開発の支援のほか、県内外での情報発信に取り組み、香川の希少糖ブランドの確立を進めます。
オリーブ産業強化プロジェクトでは、オリーブの生産拡大を加速化させるため、国内初の県育成オリーブ新品種「香オリ3号」、「香オリ5号」の早期普及や、経営規模拡大のための省力・安定生産技術の開発などを進めてまいります。
また、国際機関から認定された国内唯一の官能評価体制を活用し、オリーブオイルの品質向上と県産オイルの優位性の積極的な情報発信などに努めるほか、オリーブ牛、オリーブ夢豚・オリーブ豚、オリーブ地鶏、オリーブハマチなど、県独自のオリーブ畜水産物の生産拡大や高品質化を推進し、産業基盤の強化やブランド力の向上を図ります。
次に、「雇用対策を推進する」については、県内企業の深刻な人材不足に対応するため、「ワークサポートかがわ」において、きめ細かなマッチング支援や合同就職面接会を実施するほか、県内企業の魅力を県内外の若者に広く伝えるため、インターンシップの促進や企業見学会の開催、高校生や大学生に向けたキャリア教育の推進、県内企業の魅力を紹介するガイドブックの作成など、若者の雇用対策の充実を図るとともに、県外の大学生を対象とした交通費助成制度や県外での企業研究フェアの開催など、県外からの就職支援にも取り組みます。
また、新たな在留資格制度の創設などを含む、いわゆる「出入国管理法」の改正により、今後、外国人労働者の一層の増加が見込まれることから、新たに、県内企業の外国人労働者の受入れや、雇用等に関する相談窓口を労働政策課内に整備するとともに、外国人住民の生活等に関する相談に多言語で対応できるよう、県国際交流協会にワンストップセンターを設置し、両者が連携して、総合的な相談体制を構築いたします。
あわせて、留学生の県内就職の促進や技能実習生の受入れ機関に対する支援などにより、引き続き、県内企業の外国人の雇用を支援するほか、各市町の多文化共生の社会づくりに向けた取組みの支援や、日常生活に必要な知識や情報の提供など、外国人住民と日本人住民が、共にいきいきと安全・安心で豊かに生活できる環境の整備に取り組んでまいります。
さらに、企業における働き方改革を推進するため、企業へのアドバイザー派遣や働きやすい職場環境づくりの助成を実施するとともに、いわゆる「働き方改革関連法」について、企業が取り組むべき事項の周知、啓発にも取り組みます。
次に、「移住・定住を促進する」については、これまでの県移住・定住サイト「かがわ暮(ぐ)らし」やリーフレット等による本県の魅力発信や若者の県内定着、UJIターンの意識向上に取り組むほか、本県への移住に対する関心がより一層高まるよう、実際に移住された方々の移住体験談を漫画として製作し、インターネット広告等を活用して、情報発信の充実・強化を図るとともに、東京圏からのUJIターンを促進するため、新たに、東京圏から本県に移住し、就業・起業した方に移住支援金を交付するほか、大都市圏において、県内企業等とのマッチングを支援する就職・転職フェアの充実を図ります。
また、引き続き、空き家改修補助や、賃貸住宅借上げ家賃等の助成など、移住者に対する住宅環境の整備を行うとともに、東京や大阪等大都市圏での移住フェアやセミナー等を開催するなど、各市町や県内企業、県内外の大学等との連携をさらに強化し、積極的、かつ、きめ細かに取り組んでまいります。
次に、「豊かな地域資源を生かして交流人口の拡大を推進する」については、本県の認知度やブランド力を向上させるため、本県特有の様々な魅力を紹介するプロモーションビデオ等の制作や企業とのタイアップ、ターゲット層に応じた各種媒体の活用などにより、効果的な情報発信を行ってまいります。
また、瀬戸内海やアート、食など、本県の多様な観光資源を活用し、滞在交流型観光を推進するため、「香川せとうちアート観光圏」事業を実施するほか、新たに、夜型観光コンテンツの造成促進に取り組むなど、香川せとうちアートのブランド化を進めていきます。
さらに、国内外から本県を訪れる観光客の満足度と利便性の向上を図るため、全県的な「観光香川おもてなし運動」を展開するとともに、観光地等のトイレの洋式化の促進、サイクリングルートの情報発信など、受入態勢の一層の充実・強化に努めてまいります。
海外からの誘客活動については、高松空港の定期路線就航先である韓国、中国、台湾、香港を中心に、現地旅行会社等と密接に連携しながら、最新の動向やニーズ等に応じた戦略的な情報発信・誘客活動を実施するとともに、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、また、今般、ニューヨークタイムズ等で旅行先として「瀬戸内の島々」が高い評価を受けたことを踏まえ、特に、本県への増加が期待される欧米豪市場への戦略的なプロモーション活動に取り組みます。
また、引き続き、観光施設等における多言語表記や情報発信、観光案内所での外国人対応に加え、災害等の非常時においても、外国人観光客が安心して本県を旅行できるよう、交通事業者や宿泊事業者、観光施設などと連携して、災害時の情報提供の充実に努めるほか、外国人観光客を商店街に呼び込むため、組合等が行うインバウンド対応などの取組みに対する支援を実施します。
加えて、「香川県MICE誘致推進協議会」を中心に、官民一体となってMICEの誘致を推進するほか、さまざまな機会を通じて、本県の魅力を積極的にPRし、クルーズ客船の誘致にも取り組みます。
次に、「攻めの農林水産業を展開する」についてであります。
まず、中核となる担い手の確保・育成については、新規就農者に対する就農から定着までの一貫したサポート体制を強化し、きめ細かな就農相談の実施や就農希望者と農業法人等とのマッチングの促進、認定農業者等の経営力の強化を図るための研修を実施するとともに、担い手個々の課題解決に向け、経営相談窓口におけるコーディネーターによる支援や専門家の派遣を行うなど、優れた経営感覚と意欲を併せ持つ人材の確保と次世代の力強い担い手への誘導を図ってまいります。
優良農地の確保については、ほ場整備やパイプライン化等により、良好な営農条件を整備するほか、農地中間管理事業については、集落営農や多面的機能の維持等との連携強化を図りながら、地域での話し合いを活性化させるとともに、農地集積促進のための補助制度や基盤整備事業等により、農地の集約化に向けた取組みをより一層強化いたします。
また、中山間地域等条件不利地域においても、担い手の確保や地形条件に即した生産基盤の整備など、総合的な支援を推進してまいります。
魅力ある農産物の生産・流通・販売については、DNAマーカー(特定の遺伝形質に対応して目印となるDNA配列)を用いた県オリジナル品種開発の加速化や地球温暖化に対応した新技術などの開発、農作業支援体制の強化等により、高品質で特色ある農産物や加工業務用野菜の生産拡大を推進するとともに、県外大消費地でのトップセールス、県内小売店等と連携した「旬のイチオシ」農産物のPR強化などの販路拡大に取り組みます。
また、若い世代への花き文化の普及を図るため、引き続き、「全国高校生花いけバトル」を開催するとともに、本県特産の盆栽について、輸出促進や担い手の確保・育成、盆栽に関する情報発信への支援など、産地の活性化に取り組んでまいります。
林業については、治山事業や造林事業に加え、新たに森林環境譲与税を活用して間伐等の森林整備を推進し、森林の持つ多面的機能の維持・発揮に努めます。
水産業については、高品質で特色ある水産物を安定的に供給するため、「オリーブハマチ」や「初摘みノリ」、「讃岐さーもん」、「小豆島島鱧」などに加え、引き続き、アオノリの効率的な養殖技術の開発など、香川の特長を生かしたブランド水産物の生産拡大を推進するほか、資源管理型漁業やサワラ・キジハタなどの種苗放流等により、高品質で安定的な水産物の供給を推進します。
また、首都圏や関西圏におけるトップセールスを継続するなど、知名度のより一層の向上を図るほか、担い手の確保・育成については、引き続き、県独自の「かがわ漁業塾」、「新規漁業就業者生活安定給付金」など、就業から定着までの一貫したサポートにより、新規就業者が定着しやすい環境の整備に努め、さらには、県内外での情報発信を行うことで、担い手の育成と確保を図ってまいります。
次に、「県産品のブランド力の強化・販路拡大を図る」については、「さぬきマルシェinサンポート」や小・中学生向けの出前講座の開催といった「さぬきうまいもんプロジェクト」の推進、量販店等と連携した販売促進活動、アンテナショップの機能充実などを引き続き実施し、県産品の認知度向上とブランド力の強化に努めるとともに、新たに、県産オリーブを用いた商品の認証制度を創設し、畜水産物や加工食品など数多くの商品が開発・販売されているオリーブ関連商品の発信力を高め、ブランド価値の一層の向上を図ります。
また、大消費地の百貨店やレストラン等でのフェアや食材のプロモーションの開催に加え、私自身も積極的にセールスを行うことなどにより、国内での販路を拡大するとともに、近隣アジア諸国や欧米など海外での販路開拓にも戦略的に取り組み、販路の拡大を図ってまいります。
次に、「四国における拠点性を確立する」についてであります。
高松空港については、「高松空港株式会社」等と連携・協力しながら、本県の産業や観光の振興など幅広い分野において、民間委託の効果を最大限に引き出すとともに、高松空港が四国・瀬戸内の拠点空港として発展するよう、引き続き、航空ネットワークの充実等に努めてまいります。
新県立体育館の整備については、現在、基本設計を進めておりますが、県議会における御議論の経緯も踏まえ、コンストラクション・マネジメントの手法も取り入れながら、機能性や収益性を重視したアリーナ機能の充実や建設工事費の適正化等を図り、県民の皆様の待ち望む新県立体育館が、利用者にとって利用しやすい、魅力ある施設となるよう、引き続き、取り組んでまいります。
また、機能の強化や物流の効率化により、本県経済のより一層の活性化や発展を図るため、高松港国際物流ターミナルの整備を推進するとともに、四国の新幹線の実現に向け、四国各県や経済界、事業者等と連携し、国や関係機関への要望や一層の機運醸成に取り組みます。
なお、東京讃岐会館を含む三田小山町西地区の市街地再開発事業につきましては、現在、再開発組合設立の準備が進められており、今後は、再開発組合に参加し、県議会等の御意見も踏まえながら、権利床の確保等について、具体的に協議を進めていきたいと考えております。
第3は、「笑顔で暮らせるかがわ」についてであります。
まず、「香川の将来を担う子どもたちを育てる」についてであります。
小中学校では、引き続き、少人数指導、少人数学級、学力向上基盤形成の3つの柱からなる香川型指導体制を基本に、児童生徒の多様な実態に応じた指導方法や体制を工夫し、個に応じた指導の充実を図ってまいります。
また、新学習指導要領に対応して、新たに、小学生が英語に慣れ親しむことのできる環境整備を行う学校を支援するとともに、小・中学校の英語教育の円滑な接続を図る指導体制の充実を図るほか、中学2年生を対象に外部検定試験を活用したスピーキングテストを実施することなどにより、小・中学生の英語力向上に努めます。
そのほか、教員の業務支援を行うスクールサポートスタッフや、生徒の引率等を単独で行うことができる部活動指導員を配置する各市町教育委員会に対して支援を行い、教員が児童生徒の指導に一層専念できる体制の構築に取り組んでまいります。
県立高校では、新たに普通教室にタブレット型パソコン等を配備するなどICT環境の充実を図り、主体的・対話的で深い学びを推進するとともに、各学校の創意工夫により、地域課題の解決等をテーマとした探究的な学習を行うなど、特色ある教育活動に積極的に取り組むほか、外国の高校生との交流や生徒の留学支援、英語4技能の育成に向けた支援を行うなど、国際的な視野を持ったグローバル人材の育成に引き続き努めます。
また、多度津高校の実習船「香川丸」の代船として建造を進めている「翔洋丸」については、来月に建造工事が完了し、4月から大分県との共同運航を開始いたします。
特別支援教育については、発達障害などの特別な支援が必要な幼児児童生徒への指導の充実を図るとともに、小豆地域における特別支援学校の整備に向けて、学校用地を取得し、基本設計や造成工事に着手したいと考えております。
児童生徒の問題行動等に対しては、スクールカウンセラーのすべての小・中学校への派遣や、スクールソーシャルワーカーの効果的な活用などを引き続き実施し、いじめ・不登校や高校中退の解消などに取り組んでまいります。
次に、「女性が輝く香川にする」については、女性が働きやすい環境整備などを通して、あらゆる分野における女性の活躍を推進するため、引き続き、女子中高生等を対象とした女性研究者等による講演会や女性リーダーの養成講座を開催するほか、地域における男女共同参画を推進するための課題解決に向けた活動を支援していきます。
また、引き続き、性暴力被害者支援センター「オリーブかがわ」において、専門的な研修を受けた相談員により、被害者の必要とする相談・支援を行ってまいります。
次に、「大学と地域の連携を深める」については、県内大学等が企業や高校等と連携して行う、若者の県内定着に資する取組みを支援するとともに、県内大学等の情報発信や県内高校との連携強化など、「大学コンソーシアム香川」が実施する事業等を通じ、魅力ある大学づくりに向けた取組みを促進するほか、県内外の高校生などに対して、職業体験や学校体験などの機会を提供し、専修学校・各種学校の認知度の向上を図ります。
次に、「クリーンで快適なふる里をつくる」については、本県の恵まれた環境を将来にわたって守り育てていくため、引き続き、ウォーク行事や生き物標本展を開催するなど、「きっかけづくり」に積極的に取り組むほか、「学びの場」についても、参加が促進されるよう、一層の充実を図ることで、自然環境のほか生活環境、地球環境にわたる幅広い分野における一体的な人づくりを推進するとともに、「かがわ里海大学」の充実などによる里海づくりの推進、海ごみの発生抑制に向けた調査・研究などに取り組んでまいります。
さらに、再生可能エネルギーの導入を促進するため、新たに、家庭用蓄電池の設置に対する補助を行うことにより住宅用太陽光発電の一層の普及を図るほか、一定規模以上の太陽光発電施設の設置については、県独自のガイドラインを策定し、太陽光発電事業と地域との共生を図っていきます。
豊島廃棄物等の処理については、関係者の皆様方からの御理解と御協力のもと、昨年実施した確認調査等に伴い見つかった約610トンの廃棄物等の処理を昨年12月から開始しており、本年8月頃には処理が完了する見込みであります。また、昨年11月から実施した追加の確認調査に伴い見つかった約7トンの廃棄物等については、性状検査の結果、特別な処理が必要な特別管理産業廃棄物ではないことを確認しており、その処理方法について、現在、様々な関係者と調整を進めているところであり、これまでと同様に適正に処理してまいります。
来年度は、豊島処分地の地下水浄化対策をより一層推進する必要があり、これまでの揚水井等による浄化に加え、深い層の高濃度汚染が確認された箇所から優先的に、化学処理による浄化を行っていきたいと考えております。
本事業の実施にあたっては、徹底した経費削減を図りながら、県民負担の軽減に努め、引き続き、県議会をはじめ県民の皆様の格別の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に全力で取り組んでまいります。
深刻化するイノシシなどの有害鳥獣被害対策については、県主体の捕獲事業を継続して実施するとともに、侵入防止対策や集落に寄せ付けない環境づくり、捕獲効率の向上など、課題ごとにきめ細かく対応していきます。
人と動物との調和のとれた共生社会の実現に向けては、動物愛護施策を効率的、効果的に実施できる拠点施設として、来月オープンする「さぬき動物愛護センター・しっぽの森」を高松市と共同で運営し、これを契機として犬猫の一層の譲渡推進を図るとともに、殺処分数の減少に向けて取り組んでまいります。
次に、「農山漁村を元気にする」については、「第41回全国育樹祭」の開催を契機として、県民の皆様の森林・林業への理解をより一層深めていただくため、引き続き、「森とみどりの祭典」を開催するほか、広く県民の皆様に、みどりづくり活動等に参加していただく「みどりの学校」を運営するなど、県民総参加の森づくりを進めるとともに、「香川県県産木材の供給及び利用の促進に関する条例」に基づき、県産木材の安定供給と利用拡大に向けた取組みを一層推進いたします。
さらに、農業者など地域が協働して行う水路やため池等の保全管理活動の促進及び周辺環境や農村景観等に配慮した施設整備により、多面的機能、集落機能の維持・発揮に努めるとともに、魅力あふれる地域資源を発掘・活用し、都市住民との交流や農村地域への移住・就農を促進してまいります。
次に、「アート県の魅力を高める」についてであります。
来たる4月26日から開幕する「瀬戸内国際芸術祭2019」については、アート作品の充実に加えて、「地域の特産品」、「アジアとの交流」、「地域の食」、「パフォーマンスの充実」といった重点プロジェクトを展開し、国内外から訪れる来場者に対し、県民の皆様と一緒になって本県の魅力を発信し、地域全体の活性化につなげていきます。
また、「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録に向けては、引き続き札所寺院等の文化財調査や普遍的価値の研究など、国の暫定一覧表への追加記載に備えた準備を進めるとともに、四国4県をはじめ産学官民が一体となった世界遺産登録推進協議会とも連携し、一層の機運醸成に取り組みます。
さらに、香川県立ミュージアムにおいて、「日本建築の自画像:探究者たちのもの語り」展を特別展として開催するなど、文化芸術に親しむ機会の充実を図るほか、高度で洗練された独自の技法を有する香川漆芸の魅力発信に重点的に取り組んでまいります。
次に、「スポーツ県をめざす」については、オリンピック等の国際舞台で活躍できる本県出身のアスリートを輩出するため、スポーツの豊かな素質を持つ小学生の発掘・育成や、将来性豊かな中高校生選手の育成・支援に努めるなど、ジュニア期からの一貫した育成・強化に取り組むとともに、来年に迫った東京オリンピックに向けて、本県出身選手が多数出場できるよう、指定選手に対して支援を行うなど、より一層の競技力の向上を図ります。
あわせて、東京オリンピック・パラリンピックに向けた聖火リレー実施の準備を進めるほか、事前合宿の誘致、受入体制の整備を図るとともに、オリンピック・パラリンピック教育の充実や機運の醸成も推進してまいります。
このほか、市町とも協力した地域密着型のスポーツチームへの活動支援等を通じて、県民のチームに対する愛着を育み、応援する機運の醸成に一層努めてまいります。
以上、御説明しました内容により編成した平成31年度当初予算案は、一般会計の総額で、4,671億4,600万円となり、特別会計は、国民健康保険事業など17の特別会計で、総額3,284億700万円余、病院事業会計は、収益的支出が279億300万円余、資本的支出が18億5,800万円余となっています。
次に、第4号議案の平成30年度一般会計補正予算議案、第5号議案の特別会計補正予算議案にいて、その内容を御説明いたします。
この補正予算につきましては、平成30年度の国の補正予算を受け、防災・減災対策等を実施していくため、御提案したものであります。
まず、公共事業については、国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」に対応し、海岸の地震・津波対策や河川改修のほか、道路、ため池、下水道などにおいて、防災・減災対策等を推進いたします。
また、平成30年7月豪雨により被災した橋りょうを復旧するため、JR四国が実施する災害復旧事業に対して、国と協調して補助するほか、介護福祉士養成施設に在学する者に対して修学資金等の貸付を行う香川県社会福祉協議会への補助や、四国4県等で食品分野の共同事業に取り組むための機器整備、多文化共生総合相談ワンストップセンターの設置準備に要する経費などを計上しようとするものであり、これら補正予算の総額は、一般会計及び特別会計あわせて47億1,700万円余となっております。
そのほか、予算外議案として御提案申し上げております議案は、消費税率及び地方消費税率の引上げに伴い、関係条例の使用料及び手数料等の規定について所要の改正を行う「香川県使用料、手数料条例等の一部を改正する条例議案」など一部改正の条例が16議案、「香川県医療施設耐震化臨時特例基金条例を廃止する条例議案」の廃止条例が1議案、そのほか、「新・せとうち田園都市創造計画の変更」などが11議案、合わせて28議案であります。
以上、平成31年度当初予算関係議案等の概要等について御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願い申し上げまして、私の説明を終わります。
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