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ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、2点について御報告いたします。
第1点は、本県における新型コロナウイルス感染症対策の現況等についてであります。
県内においては、3月17日から4月20日までに28名の方の感染が確認され、その後暫くの間、感染者の発生は無かったものの、7月10日に新たな感染者が確認されて以降は、各地で感染者が散見されるようになり、感染者数は昨日までに累計で93人、亡くなられた方は2人、また、入院中の方は10人、宿泊施設で療養中の方は1人となっているところであります。お亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、治療中の皆様には一日も早く快復に向かわれるよう願っております。
このような状況の中、本県では、これまで、感染拡大防止対策と医療提供体制の整備に鋭意取り組み、7月31日には、国が示した「新たな流行シナリオ」を踏まえた患者推計を行い、これに基づき、想定される検査需要及び療養者数に必要な検査体制の整備や医療機関の指定、入院病床の確保等を進めてまいりました。
さらに、8月末には、今後の新型コロナウイルス感染症対策を一層効果的に進めていくため、関係部局で組織した「新型コロナウイルス感染症対策検証ワーキングチーム」及び「新型コロナウイルス感染症にかかる経済・雇用対策ワーキングチーム」において、これまでの対策を検証し、課題を整理した上で当面の対策と、感染リスクの高い大都市集中からの脱却等の中長期的な方向性をとりまとめたところであります。
あわせて、8月21日には、国の対策本部分科会の提言や本県の緊急事態措置等の検証を踏まえて「新型コロナウイルス感染症に対する香川県対処方針」を見直し、本県の実情に即して、感染防止と社会経済活動の維持・回復との両立にきめ細かく且つ柔軟に対応できる独自の「対策期」や「移行基準」、「対策期ごとの対応方針」を設定いたしました。
この基準に沿って、今月12日には、「感染警戒期」から「準感染警戒期」に移行いたしましたが、引き続き油断することなく対応していく必要があります。
改めまして、県民及び事業者の皆様には、新しい生活様式の実践や感染防止対策の徹底を講じていただきますよう、引き続きの御理解・御協力をお願いいたしますとともに、私といたしましても、今後の状況の変化なども踏まえて不断に検証を進めつつ、感染拡大の防止と本県の経済や県民生活の回復の両立のために全力で取り組んでまいりたいと考えております。
第2点は、瀬戸内国際芸術祭2022についてであります。
7月28日に開催された瀬戸内国際芸術祭実行委員会総会において、会期や会場、重点的な取組みの視点などを定めた瀬戸内国際芸術祭2022取組方針を決定いたしました。
次回芸術祭は、前回と同じく12の島と2つの港を会場に、春・夏・秋の3会期に分けて開催いたします。
会期については、混雑が予想される連休との重なり具合や夏の厳しい暑さなどを考慮し、春会期をゴールデンウィークが始まる約2週間前の4月14日のスタートとし、また、夏会期を短縮するなどの見直しを図った上で、全体の日数を105日間としております。
重点的な取組みとしては、瀬戸内の隠れた資源の発掘と発信、つながりの継続とより質の高い交流への転換、瀬戸内の農水産物を活用した食の充実強化などといった視点から作品展開等を進めることとしております。
今後は、新型コロナウイルスを巡る国内外の状況も踏まえながら、地元市町や関係機関と連携し、開催に向けた準備を進めてまいります。
さて、今議会に提案いたしました議案は、令和2年度一般会計補正予算議案など16議案であります。
第1号から第4号議案は補正予算関係でありまして、その主な内容を御説明いたします。
第1号の一般会計補正予算議案のうち、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、これまでの補正予算に引き続き、本県として早急に対応が必要なものを御提案したものであります。
まず、「感染拡大防止対策と医療提供体制の整備」につきましては、帰国者・接触者相談コールセンターの運営期間の延長、警察施設や幼稚園等における衛生用品や衛生環境の確保、環境保健研究センターや民間検査機関等の検査機能と各保健所の対応能力の強化、帰国者・接触者外来の整備支援、入院医療機関の空床等の補償と設備の整備支援の拡充、医療機関等の感染拡大防止対策及び医療従事者慰労金の対象拡大、新たな軽症者等受入施設の確保、インフルエンザ及び肺炎球菌感染症ワクチン予防接種の自己負担額軽減などとともに、福祉サービス事業所等の感染症対策及び福祉サービス職員慰労金の対象拡大、保育施設などにおける感染症対策の支援、福祉サービス継続のための支援連携体制の構築などを行おうとするものであります。
次に、「雇用の維持・事業の継続」につきましては、感染症の影響を受けた企業に対する雇用の維持を図るためのセミナーの開催や就労継続支援団体への助成と、県信用漁業協同組合連合会が創設する融資への利子補給により、漁業者等の資金繰り対策を支援しようとするもの、
「県民の生活支援」につきましては、香川県社会福祉協議会に対する生活福祉資金貸付原資の追加補助などによる生活支援をしようとするもの、
「学校の再開・学びの保障」につきましては、多度津高校の遠洋航海実習前にPCR検査を実施するなど、安全な教育体制の整備等をしようとするものであります。
「地域経済の回復・活性化」につきましては、県内の公共交通機関の維持・確保を図るため、公共交通事業者が実施する新しい生活様式に対応した利用促進の取組みや、ことでん複線化事業等を支援するほか、県産品、農畜水産物、県産木材の需要を喚起しようとするものであります。
また、「感染症に強い社会・経済構造の構築」につきましては、県庁において会議や研修等がオンラインでできる環境や県民ホールにおいてライブ配信ができる環境などを充実・整備することによる情報通信技術の普及・浸透を進めるほか、県が関与する災害派遣の前にPCR検査を実施し、円滑な被災地支援活動に繋げるとともに、感染症の影響を受けた事業者が産業技術センターで製品開発や試験研究を行う場合の助成や県外事業者がテレワークのためのサテライトオフィスを県内に開設する際の初期経費等の助成により、企業の生産性向上や競争力の強化、誘致を進めようとするものであります。
次に、公共事業につきましては、国の認証内示に伴い、経済活動を支える重要な生活基盤である道路・街路の整備や河川改修などの事業費等の増額を行うことで、社会資本整備の推進を図ろうとするものであります。
このほか、令和2年度税制改正における法人事業税の課税方式の見直し等に対応するための税務システムの改修経費、地域密着型サービス等の整備のうち地域医療介護総合確保基金を新たに活用できることとなった事業に対する補助費を計上しております。
なお、令和元年度の一般会計決算剰余金は、地方財政法の規定に基づき、その2分の1相当額を財政調整基金に、また9月補正予算に活用する財源を除いた残額については、今後に備え、県債管理基金に、それぞれ積み立てることとしております。
以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計補正予算の総額は268億5,600万円余となっており、財源としては、国庫支出金199億6,600万円余、繰越金50億6,400万円余、県債25億9,700万円などとなっております。
併せて、公共事業における適切な工期を確保するため、繰越明許費を56億4,900万円余計上するとともに、先ほど申し上げました県庁におけるオンライン会議環境整備に伴う保守委託業務及び税務システム改修業務について債務負担行為を設定しようとするものであります。
次に、第2号議案は、特別会計について、繰越金の確定等に伴う補正を行うものであり、
第3号議案は、県立病院事業会計について、受入体制の強化など新型コロナウイルス感染症対策を実施していくため、第4号議案は、流域下水道事業会計について、国の認証内示に伴い、建設改良費を増額して下水道施設の改築工事等を推進するため、それぞれ補正を行うものであります。
第5号議案は、地方税法の一部改正に伴い、新型コロナウイルス感染症により中止となったイベントの料金払戻を辞退した場合に個人県民税の寄附金税額控除の対象となるイベントを定めるなど、第6号議案は、建築基準法の一部改正により創設された居住環境向上用途誘導地区における特例許可に関する手数料を設定するなど、所要の改正をするものであります。
第7号議案は、いわゆるマイナンバー条例に、個人番号を利用することができる事務として、高等学校専攻科の授業料支援に係る事務を追加するものであり、第8号議案は、香川県高等技術学校における通信の方法による職業訓練について、参酌基準となる職業能力開発促進法施行規則の改正に伴い、実施方法を改めるものであります。
第9号議案は、地方自治法施行令の一部改正を踏まえ、海区漁業調整委員会委員が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない時の求償上限額を改めるため、第10号議案は、覚せい剤取締法等の一部改正に伴い、引用している法律名称等を改めるため、所要の改正を行うものであります。
また、第11号議案は、地方財政法等の規定に基づく建設事業に対する市町負担金について、第12号議案は、独立行政法人水資源機構法の規定に基づく水資源機構が実施するかんがい排水事業に対する市町負担金について、第13号議案は、高松商業高校南体育館改築工事の請負契約の締結について、第14号議案は、椛川ダム本体建設工事の請負契約の変更について、第15号議案は、県営住宅家賃の長期滞納者に対する訴訟の提起について、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。
最後に、第16号議案は、新型コロナウイルス感染症対策として創意工夫を凝らして挑戦する事業者を支援するため、「前向きに頑張る事業者を応援する総合補助金」の予算を増額する必要が生じたため、8月31日に令和2年度一般会計予算の補正を専決処分したことについて、議会の承認を得ようとするものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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