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議案の御説明、御報告に先立ち、一言申し上げます。
崇仁親王妃百合子殿殿下には、去る15日、 薨去されました。
妃殿下におかれましては、昭和60年に「恩賜財団 母子愛育会」の総裁として、香川県支部総会に御臨席賜り、お言葉を頂戴いたしました。
ここに県民を代表いたしまして、謹んで哀悼の意を表する次第であります。
さて、ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、3点について御報告いたします。
第1点は、来年度の予算編成等についてであります。
本県を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症で影響を受けた県経済の回復が進んでいるものの、少子化をはじめ、長引く物価高騰、人手不足などの影響も顕在化しており、子育て政策や地域経済の活性化をより一層進め、経済の本格的な回復を目指すとともに、能登半島地震を踏まえた防災・減災対策など、時機を捉えた的確な政策の推進を図る必要があります。
今般、現状の県税収入等の伸びがこのまま見込めるものとして、財政運営ビジョンの将来見通しの再推計を行ったところ、人件費や投資的経費の伸びなどを反映しても、歳入歳出の収支差は昨年度の推計から大きな変化はないものの、国において、令和7年度税制改正についての検討が始まる中、来年度の税収や地方交付税をはじめとした地方財政への影
響にも配慮した制度設計となるよう求めてまいりたいと考えております。
こうした中、令和7年度当初予算の編成に当たりましては、再推計後の財政運営ビジョンに沿いまして財政運営を行いつつ、総合計画に掲げる基本目標である「人生100年時代のフロンティア県」の実現に向け、安全・安心で住みたくなる香川をつくる「県民100万人計画」、活力に満ち挑戦できる香川をつくる「デジタル田園都市100計画」、多くの人が行き交い、訪れたくなる香川をつくる「にぎわい100計画」、この3つの基本方針の下、17の重点政策を推進するとともに、これまでの税収の増加分や歳出削減等で生み出された財源を、新たに未来投資枠として設け、本県の将来の発展のために必要な事業に配分し、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
第2点は、瀬戸内海歴史民俗資料館の重要文化財指定についてであります。
昭和48年に完成し、昨年度、開館50周年を迎えた瀬戸内海歴史民俗資料館は、備讃瀬戸を一望できる瀬戸内海国立公園の五色台に位置し、当時の建築課長であった山本忠司氏が地域の風土の中での建築を重視して設計し、周囲の自然環境と調和した石積を基調とした建造物であり、令和5年度は1万5千人余の方が来館しております。
建造物としての秀逸さに加え、調査・研究や収集、展示などの活動が地方歴史民俗資料館の最初期の完存例としての評価を受け、先月、国の文化審議会において、重要文化財に指定する答申がなされたところであり、来年1月には指定される見込みです。
今後は、本県の貴重な文化資源として、文化的価値を維持しながら適切に保全管理していくとともに、これまで以上に、建物、立地などの魅力や調査・研究を生かした展示などを県内外に情報発信し、県民の皆様をはじめ多くの方に来館いただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
第3点は、瀬戸内国際芸術祭2025についてであります。
来年4月18日に開幕する瀬戸内国際芸術祭2025につきましては、先月17日に実行委員会総会を開催し、日本及びアジアを中心とした海外の国や地域から参加予定のアーティストを公表しました。
また、ベトナムプロジェクトとして、ベトナムの食や工芸、伝統芸能を紹介するベトナムマーケットを開催することなどを発表いたしました。公式ウェブサイトを全面リニューアルして多言語での情報発信を充実させるなど、広報活動も本格化しております。
さらに、今回初めての試みとして、すべての会期で利用できる作品鑑賞パスポートの特別早割価格を設定して販売を開始するなど、より一層充実した芸術祭となるよう、さまざまな改善にも取り組んでおります。
今後は、地元市町や関係機関等と連携しながら、作品制作や受入態勢の準備をさらに加速させ、エリアが広がり過去最大規模の開催となる芸術祭の成功に向けて、万全の準備と機運の盛り上げに取り組んでまいります。
さて、今議会に提案いたしました議案は、令和6年度一般会計補正予算議案など10議案であります。
第1号議案は補正予算関係でありまして、その主な内容を御説明いたします。
まず、防災・減災対策及び地域活性化対策のうち、県民の生命・財産を守る安全・安心対策事業につきましては、災害時における避難所の生活環境を維持するため、便器取付型使い捨てトイレ 及び トイレットペーパーの備蓄を増強するとともに、能登半島地震などによる県民の防災意識の高まりから、増加している民間住宅における耐震診断等の補助申請に対応するため予算を増額し、民間住宅の耐震化を促進しようとするものであります。
また、防災ヘリコプターによる円滑な救助活動を維持するため、救助用装置を改修するとともに、災害時に設置する保健医療福祉本部の運営に必要な非常用衛星通信設備の整備などを行うものであります。
次に、県単独の公共等事業として、林道施設の整備や小規模土地改良事業による農業生産基盤の整備に加えまして、道路の維持修繕や交通安全施設の工事、河川の護岸工事、港湾施設の改良や維持修繕などを実施するとともに、施設の老朽化への対応などとして、県有施設の改修や設備・機器の更新を行うことなどにより、災害に強い香川づくりと地域の
活性化に努めてまいりたいと考えております。
また、夜型観光の推進を図るため、サンポート高松地区の新たなシンボルとなる県立アリーナとその周辺空間を生かしたイベントの一つとして、県立アリーナを活用したプロジェクションマッピングを行ってまいります。
さらに、県内土地改良区等が行う工事の発注業務について、談合防止と業務の効率化を図るため、香川県土地改良事業団体連合会が行う電子入札システム導入に対して支援するための経費のほか、本年5月の大雨において、三豊市仁尾町にある県の大北水門のゲートが開門せず、近隣住宅に発生した浸水被害の和解に伴う損害賠償金を支払うため、必要な
補正を行うものであります。
以上が歳出の主要なものでございますが、これらによりまして、今回の一般会計補正予算の総額は57億5,500万円余となっておりまして、財源としては、基金繰入金30億7,100万円余、県債25億6,100万円などとなっております。
併せて、県単独の公共等事業における適切な工期を確保するために、繰越明許費を43億2,500万円余計上するとともに、台風時期の前に工事を完了させることが望ましい広域河川改修事業などについて債務負担行為を設定し、早期に着手することにより、円滑な事業執行を図ってまいりたいと考えております。
また、旅券発行業務や本庁舎などの設備等管理業務、五色台少年自然センター清掃業務の委託、産業交流センターの指定管理による委託業務に係る債務負担行為を設定するとともに、来年度、県立高校や県内私立高校に入学する生徒が使用するタブレット端末について、保護者の方の経済的負担軽減の観点から、購入に要する経費を支援するにあたり必要な準備を進めるため、債務負担行為を設定しようとするものであります。
次に、第2号議案は、地方税法の一部改正に伴い、引用している条項を改めるもの、第3号議案は、旅券法施行令の一部改正を踏まえ、一般旅券発給申請手数料において電子申請による場合の手数料を新設するとともに、大麻草の栽培の規制に関する法律の一部改正に伴い、所要の改正を行うもの、第4号議案は、道路交通法等の一部改正により、運転免許証と個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードとの一体化等に係る規定が整備されたこと等を踏まえ、運転免許に係る情報をマイナンバーカードに記録する際の手数料の新設など、所要の改正を行うものであります。
第5号議案は、番の州地区臨海工業団地の分譲地の売却について、第6号議案は、香川県産業交流センターの指定管理者の指定について、第7号議案は、香川県立アリーナの指定管理の期間の変更について、第8号議案は、令和7年度における香川県が発売する宝くじの発売限度額を定めることについて、第9号及び第10号議案は、三豊市仁尾町で発生した浸水被害に関して、被災住民との和解に伴う損害賠償の額の決定 及び その損害賠償の負担割合等について三豊市と和解することについて、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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