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ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、3点について御報告いたします。
私は、一昨年9月の知事就任以来、本県が直面する多くの課題への対応に全力を傾注してまいりました。昨年10月には、県議会の御理解をいただき、新しい香川づくりの指針となる「せとうち田園都市香川創造プラン」を策定し、これに沿って、産業育成、雇用対策の推進、県産品の振興、交通・情報ネットワークの整備など「元気の出る香川づくり」、防災・減災対策、医療体制の強化など「安心できる香川づくり」、教育環境の充実、観光振興など「夢と希望あふれる香川づくり」に取り組んでいるところであります。就任後2年余が経過し、県民の皆様との対話や議員の皆様の御意見を伺いながら各種施策を推進する中で、改めて、ふるさと香川の飛躍発展への思いを深め、志を新たにしているところであります。
一方で、欧州や中国など世界経済が減速する中、景気の先行きが懸念されており、また、長引く円高・デフレなどの影響により、地域経済は依然として厳しい状況にあり、地方財源の見通しとしては、地方交付税などは楽観できる状況になく、税収の見通しも不透明であります。
さらに、今後、社会保障関係経費や公債費の増加が見込まれることに加え、南海トラフ巨大地震の被害想定を踏まえた防災・減災対策やため池の耐震化といった新たな財政需要の増加が見込まれているところであり、本県財政は、引き続き厳しい状況にあります。
このため、平成25年度の予算編成に当たっては、一昨年12月に策定した「財政運営計画」を、現時点で見込まれる財源の状況や新たな財政需要等を踏まえ見直し、引き続き、財政健全化に向けた取組みを行いつつ、「せとうち田園都市香川創造プラン」に掲げる15の重点施策の積極的な実施はもとより、本県発展のために必要な緊急課題に対しても、機動的に対応するべく、全力で取り組みたいと考えております。
また、現下の経済情勢は、内閣府の月例経済報告や日本銀行の金融経済概況などの景気判断が弱めに転じるなど、厳しいものとなりつつあり、加えて、近隣国との関係改善のきざしがまだ見られない中で、その影響も含め、景気の先行きが懸念されているところであり、さらに、今月に入り、県経済の経済関係指標を踏まえ、本県の景気は、足踏み状態になっているとの判断をしたところであります。県としては、このような状況を踏まえ、地域経済が失速しないよう、早めの対策を講じていく必要があると考え、今月5日に「香川県経済・雇用緊急対策本部」を開催し、緊急課題等への対応も含め、当面の経済活性化策をとりまとめ、本日、補正予算として提案いたしております。その内容については、後ほど、改めて御説明いたします。
直下汚染土壌の処理につきましては、島外での水洗浄処理またはセメント原料化方式、オンサイトでの水洗浄処理の3つの方法から、プラントの設置場所や費用面等を考慮し、まずは、島外での水洗浄処理またはセメント原料化方式の2つに絞って、検討を進めているところであります。このうち、処理方法にセメント原料化方式を追加することについては、先月14日の第29回豊島廃棄物処理協議会において、豊島住民会議と協議合意書を締結いたしました。
引き続き、それぞれの処理方式による処理事業者や地元の状況についての情報収集を十分に行うとともに、契約方法や条件等を検討して、平成28年度末までの全量処理に影響を及ぼさないよう進めてまいりたいと考えています。
また、今月14日には「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」いわゆる産廃特措法に基づく実施計画の変更について、香川県環境審議会に諮り、了承を得たところであり、今後、早期に国の同意が得られるよう協議を進めてまいります。
処理にあたっては、昨年の9月県議会における「豊島廃棄物等処理事業の適正な執行を求める決議」を踏まえ、より正確な進行管理と徹底した経費削減を図りながら、県民負担の軽減に努め、直島町と豊島住民の方々、県議会をはじめ県民の皆様の格別の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に全力で取り組んでまいります。
第3点は、高松・台北間の定期航空路線開設についてであります。
先月13日、来県したチャイナエアラインの孫洪祥(そんこしょう)社長より、「来年3月21日から、木曜日、日曜日の週2往復体制で、高松・台北間の定期航空路線を開設する。」との表明がありました。この定期路線の誘致は、10年以上にもわたる、県議会をはじめ、香川日華親善協会や地元経済界等、関係の皆様による御尽力の賜物であり、深く感謝申し上げます。
運航ダイヤ等の詳細は、チャイナエアラインより今後正式に発表される予定でありますが、今回の路線開設は、来年3月20日に開幕する「瀬戸内国際芸術祭2013」の翌日からとなり、芸術祭を一層盛り上げる非常に良いタイミングでありますので、台湾での路線PRと合わせて芸術祭のプロモーションも実施していきたいと考えております。
さらに、高松市とも連携を図りながら、インバウンド・アウトバウンド対策を講じ、路線開設に向けた準備を早急に進めていくとともに、今回の路線開設が、観光交流だけでなく、経済活動も含めた本県全体、ひいては四国の活性化に資するものとなるよう取組みを進めてまいりたいと考えております。
さて、今議会に提案いたしました議案は、平成24年度一般会計補正予算議案など20議案であります。
まず、第1号議案は一般会計の補正予算についてであります。
豊島廃棄物等処理事業については、平成15年9月の本格処理開始以降、正確な進行管理と徹底した経費削減を図りながら事業を実施しているところでありますが、昨年度と今年度の処理対象量の見直しに伴い、処理対象量が増加し、処理期間も当初の今年度末から平成28年10月の見込みとなる中、処理期間内での完了を目指すためには、処理施設の安定的な稼働は、不可欠なものとなっております。
このため、経年劣化等に伴う施設の維持補修費の増加や重油単価の高騰等処理費用の増加を勘案し、国に対し、追加の財政支援を強く要望していたところですが、今般、環境省との協議において、国からの財政支援に一定の目途が立ったことに伴い、平成25年度以降に実施する予定であった施設の維持補修等に係る費用や重油単価の高騰により増加する費用について、増額補正を行おうとするものであります。
次は、ため池整備に係る財源補正についてであります。県では、東日本大震災の発災後、ただちに、ため池ハザードマップ緊急支援事業を創設し、市町のため池の減災対策を支援しているところでありますが、今後、東海・東南海・南海地震への対応も含め、ため池の防災対策をより一層推進していかなければならないことから、未整備ため池の改修や耐震化のための整備について、農家の負担軽減を図るものであります。
また、地域公共交通バリア解消促進等事業につきましては、JR四国が、宇多津駅で実施するエレベーターや視覚障害者用ブロックの設置等駅舎のバリアフリー化に要する経費の一部を補助するものであります。
これらに加え、冒頭で申し上げたとおり、当面の経済活性化策を講じることとし、その対策経費を補正予算として提案しております。
具体的には、国の予備費を活用した経済対策に伴う公共事業として、総額3億1,300万円余の補正を行うとともに、県独自の対策として、総額55億2,200万円余の県単独事業を実施しようとするものであります。
県独自の対策として、まず、金融対策については、県内中小企業への事業資金の円滑な供給により経営の維持安定を図るため、「経済変動対策融資」及び「中小企業再生支援融資」について3億円の補正を行い、融資枠を9億円拡充するものであります。
第2は、交通死亡事故の非常事態を踏まえ、来年度に向けて検討した施策の前倒しとして、セーフティリーダー車運動の推進や標識・標示の高輝度化、カラー化のほか、通学路の緊急合同点検を踏まえた歩道の拡幅や横断歩道、信号機の新設などの交通死亡事故抑止対策を行うこととし、5億7,400万円余の補正を行うものであります。
第3は、来年3月20日に開幕する瀬戸内国際芸術祭への来場者の受入準備のために要する経費や、3月21日に開設される高松・台北間の定期航空路線のPR等、路線開設に向けた準備経費など、交流による活性化策として1億4,800万円余の補正を行うものであります。
第4は、港湾改良や高潮対策、県立高校の耐震化の前倒しなど防災・減災対策、道路、交通安全施設、港湾、土地改良など生活・産業基盤の整備や平成26年度に本県で開催される全国中学校体育大会に向けた県立丸亀競技場の施設整備など地域経済の活性化対策、さらに、県立高校の避難器具の整備、さぬきこどもの国の遊具の改修など県民の安全・安心の確保といった県単独の公共事業として、先ほどの交通死亡事故抑止対策も含め、50億7,300万円余の補正予算を計上し、平成25年度当初予算と一体的に捉え、機動的かつ切れ目のない対策を講じるものであります。
以上が、歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計の補正予算の総額は、69億1,400万円余となっており、その財源は、財政調整基金等からの繰入金36億9,500万円余、県債21億9,600万円、国庫支出金13億5,500万円余、分担金及び負担金7,600万円余などとなっております。
また、第2号議案は、臨海工業地帯造成事業特別会計、流域下水道事業特別会計について、第3号議案は、病院事業会計について、それぞれ業務委託契約に係る必要な債務負担行為を設定するものであります。
第4号議案は、地方税法等の一部改正を踏まえ、県税に関する不利益処分等を行う場合において、香川県行政手続条例の規定に基づき処分理由を示すこととするための香川県税条例の改正を行うものであります。
第5号議案ないし第7号議案は、給与に関する条例の改正であり、人事委員会勧告の趣旨等を踏まえ、55歳以上かつ行政職給料表6級相当以上の職員の給料月額等について当分の間、一定率の減額を行うとともに、一般職等の給与の減額措置を継続することとし、その減額率等を定めるものであります。
第8号議案は、香川県土地開発公社の解散に伴い、香川県情報公開条例の対象となる実施機関から同公社を削除するものであります。
第9号議案は、政令の改正に伴い、風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定権限やそれに基づく行為の許可権限の一部が、市町に移譲されたことにより所要の改正を行うとともに、香川県事務処理の特例に関する条例を一部改正し、宇多津町の風致地区内における行為の許可等の権限を同町に移譲するものであります。
第10号議案は、都市の低炭素化の促進に関する法律に基づき、新たに「低炭素建築物認定制度」が創設されたことに伴い、新築等計画の認定申請手数料の額の設定等を行うものであります。
第11号議案は、香川県都市公園条例の一部改正であり、県内スポーツの振興を図る財源の確保を目的として、有料公園施設における常設の広告の表示に係る使用料を定めるものであります。
第12号議案ないし第17号議案は、香川県総合運動公園など7施設の指定管理者を指定するものであります。
第18号議案は、平成25年度において香川県が発売する全国自治宝くじ及び西日本宝くじの発売限度額を定めるものであります。
第19号議案は、破産者が所有する土地の附帯工作物の危険防止対策に県が要した費用等について、破産管財人に請求するための訴訟を提起するものであります。
また、本日、追加提案いたしました第20号議案は、今月16日の衆議院の解散に伴う、衆議院議員総選挙並びに最高裁判所裁判官国民審査に要する経費を補正するものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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