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議案の御説明に先立ち、この度の「平成30年台風第21号」及び「平成30年北海道胆振東部地震」に伴い、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
本日は、知事再任後初めての県議会定例会でありますので、県政運営に当たりましての私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
私は、これまで2期8年の間、「成長・元気」、あるいは「信頼・安心」、また「笑顔」を旗印として様々な施策に取り組んでまいりました。その成果は少しずつ出て来ていると思いますが、まだまだ道半ばです。
交通事故件数につきましても、着実に減少しているものの、人口あたりの交通死亡事故の件数については、なお、いわゆる全国ワースト上位という状況にあります。
こうした中、私は今回の選挙におきましては、一つには、災害に強い香川づくり、またもう一つには人口減少問題の克服、地域活力の向上を目指していくことを強く訴えてまいりました。今後、その実現のために「信頼・安心のかがわ」、「成長するかがわ」、そして「笑顔で暮らせるかがわ」という3つの柱に沿って施策を推進してまいりたいと考えております。
まず、「信頼・安心」については、何よりもやはり、災害に強い県土づくりが重要です。先の西日本豪雨は、岡山・愛媛・広島といった近隣の県に大きな被害をもたらしましたが、この状況が香川県で生じなかったのは紙一重の差ではなかったかと思っております。さらに振り返れば、大阪北部の地震あるいは熊本地震、広島の土砂災害、関東の豪雨、このような大災害が毎年のように生じており、世界的な異常気象がこれからも続くのではないかと危惧しております。香川県においては、いわゆる南海トラフ地震の発生する確率が高まっていることもご承知のとおりです。
こうしたことを踏まえ、あらためて災害に強い香川づくりを推進し、県民の皆様の生命と財産を守ることは、県にとっての最大の責務であると考えています。
そのため、地震・津波対策あるいはため池の耐震改修等のハード整備を着実に進めていくと同時に、ソフト面の対策について、各市町とともに、県として最大限努力していく必要があります。現在の対策について、あらためて見直しをし、万一への備えを家庭、学校、また企業等を通じて、再構築していき、一人ひとりの命を守る防災・減災対策を強力に進めてまいります。
また、「信頼・安心」のためには、高齢者あるいは障害者福祉の推進、そして切れ目のない安全・安心な医療に努めていく必要があります。同時に、先ほども触れましたが、交通安全と犯罪のない香川を目指していき、さらに「安心」に繋がる社会資本整備も着実に推進していく必要があります。
二つ目の柱である「成長するかがわ」は、人口減少問題の克服あるいは地域活力の向上のために極めて重要であると考えています。特に人口問題に関しては、若い人が定着あるいは戻ってくる地域・県を目指していく必要があります。若者あるいは子どもの笑顔があふれる地域にしていくためにも、「成長するかがわ」を目指して、雇用を確保していき、AI(人工知能)などの新しい技術も活用しながら、地元企業、農業、水産業を含めた地場産業が発展していくことが重要です。
また、交流人口の拡大の観点から高松空港など交通インフラの利便性の向上を図り、インバウンドを含めた多くの観光客から「選ばれる香川」を目指していく必要があります。四国の新幹線の導入も喫緊の課題です。
さらに、「信頼・安心」の課題でもありますが、だれもが安心して子どもを産み、健やかに育てることができる「子育て県かがわ」を目指して、引き続き全力で取り組んでいくとともに、そうした中で、女性の活躍や働き方改革も推進していきます。
これらの施策がもう一つの柱、「笑顔で暮らせるかがわ」に繋がってまいります。老若男女が笑顔で集える、思いやりのあふれる香川、そして瀬戸内海の自然環境を守って、世界が注目するような魅力的な香川、子どもたちの夢と笑顔を大切にする香川をつくってまいります。
そのためには、人間性と個性を伸ばす教育が重要であります。また大学と地域の連携も必要です。さらに環境面でのクリーンで快適な香川を実現していき、農山漁村地域を笑顔であふれる地域にしていきたいと考えております。来年は4回目の瀬戸内国際芸術祭が開かれますが、「アート県かがわ」の魅力を最大限に発信していくことも重要です。
また、スポーツの持つ力を最大限生かしていきたいと考えています。
新県立体育館については、競技スポーツ施設、生涯スポーツ施設としての機能に加え、交流推進施設としての機能もあわせ、整備を推進してまいります。
こうした施策に加え、新たな施策にも挑戦をしていきたいと考えますが、基本は県民の皆様のための県民本位の県政であることを忘れることなく、迅速また柔軟に変化に対応してまいりたいと思います。そのためにも将来に過度の財政負担を残さない持続可能な財政運営が必要です。
私の基本理念は、「せとうち田園都市の新たな創造」であります。かつて大平総理が提唱した田園都市構想は、われわれの郷土香川を念頭においたものであり、それを現在の香川県において、あらためて実現していきたいという理念のもとに、8市9町とも連携し各般の施策に全力で取り組んでまいります。
議員の皆様方におかれましては、何とぞ格別の御理解と御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
さて、今議会に提案いたしました議案は、平成30年度一般会計補正予算議案など14議案であります。
第1号及び第2号議案は補正予算関係でありまして、その主な内容を御説明いたします。
まず、第1号の一般会計補正予算議案のうち、県有施設・県立学校ブロック塀等安全対策事業についてであります。
今年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震に伴い実施した安全点検の結果を受け、県有施設・県立学校のブロック塀等で、危険性が高く、早急な対応が必要な箇所の撤去・改修工事を行おうとするものであります。
次に、児童虐待防止対策強化事業は、今年3月に東京都目黒区で発生した児童虐待死亡事案に関し、「児童虐待死亡事例等検証委員会」において、国や東京都とも情報共有しながら検証を行うとともに、被虐待児童の転居等に伴う児童相談所間のより丁寧な引継の実施及び関係機関とのより一層の連携を図るため、児童相談所の体制強化等を行おうとするものであります。
また、鳥インフルエンザの発生予防対策として、農場の環境整備に対する支援を行うほか、防疫・検査体制の強化を図るため、防疫資材、検査機器の整備などを行おうとするものであります。
このほか、関東エリアにおける県産水産物の流通体制の強化、販路拡大を図るため、香川県漁業協同組合連合会が行う集出荷施設の整備に対する助成に要する経費を計上しております。
なお、平成29年度の一般会計決算剰余金は、地方財政法の規定に基づき、その2分の1相当額を財政調整基金に、9月補正予算に活用する財源を除いた残額については、今後に備え、県債管理基金にそれぞれ積み立てることとしております。
以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計補正予算の総額は49億9,400万円余となっており、財源としては、繰越金49億1,100万円余、県債7,200万円、国庫支出金1,000万円余などとなっております。
次に、第2号議案は、特別会計について、繰越金の確定等に伴う補正を行うものであります。第3号議案は、県政に関する情報公開の一層の推進を図るため、行政文書の公開を閲覧等により行う場合の手数料を徴収しないこととするもの、第4号議案は、住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅事業の登録に係る手続が大幅に簡略化されたことなどに伴い、当該住宅の登録申請手数料等を徴収しないこととするものであります。
第5号議案は、建築基準法の一部改正に伴い、1年を超えて使用する特別の必要がある仮設興行場等について、建築を許可することができるとされたことなどに伴い、新たに申請手数料を設定するものであります。
第6号議案は、地域再生法の一部改正により、企業の本社機能移転等の加速化を図るための特例措置が拡充及び延長されたことに伴い、所要の改正を行うもの、第7号議案は、県営住宅等の管理の一層の適正化を図るため、県営住宅の入居者や駐車場使用者の資格要件などについて、所要の改正を行うもの、第8号及び第9号議案は、関係法律の一部改正に伴い、それぞれ引用条項を改めようとするものであります。
第10号議案は、地方財政法等の規定に基づく建設事業に対する市町負担金について、第11号及び第12号議案は、県道丸亀詫間豊浜線多度津トンネル(仮称)の整備工事及び三本松高校体育館改築工事の工事請負契約の締結について、第13号議案は、県営住宅家賃の長期滞納者に対する訴訟の提起について、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。
また、本日、追加提案いたしました第14号議案は、平成30年度一般会計補正予算議案でありまして、平成30年7月豪雨による風評被害の影響を緩和し、旅行需要を喚起するため、周遊旅行に対する宿泊料金の助成を行おうとするものであり、財源は、国庫支出金1億3,300万円余をもって充当するものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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