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公開日:2020年12月10日

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平成26年11月県議会定例会提出議案 知事説明要旨

ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、4点について御報告いたします。

第1点は、来年度の予算編成等についてであります。

昨年8月の閣議で了解された国の中期財政計画において、来年度、地方の一般財源総額については、平成25年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとの方針が明記され、これは、本年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」においても踏襲されました。

しかしながら、その一方で、経済再生の進展を踏まえて、リーマンショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進めていき、地域が自らの将来を見据え、地域の活性化、行財政サービスの効率化などや、財源確保に向けて積極的に努力していくとともに、人口減少等の経済社会構造の変化に円滑に地方公共団体が対応できるような環境整備や地方財政の健全化に向けた取組みを加速して進めていくとされるなど、地方交付税等の見通しは、楽観できる状況ではありません。

また、安倍総理から消費税率引上げの平成29年4月への実施延期の方針が示されていますが、法人実効税率引下げの法人事業税等への影響や自動車取得税及び自動車税の見直しなど、不確定要素が多くあり、税収の見通しも不透明であります。

このように、来年度の地方交付税総額を含めた一般財源総額の確保は、なお不透明な状況にあり、さらに、医療、高齢者対策等、社会保障関係経費の増や南海トラフ巨大地震への備えといった防災・減災対策などの財政需要も見込まれることから、地方財政は、引き続き厳しい状況にあると言えます。

一方、現下の経済情勢については、内閣府の月例経済報告などで、全体としては、緩やかな回復基調が続いているとされるものの、県内経済の状況は、円安による原材料費等の価格上昇による企業マインド、消費心理の冷え込みなどによる先行き不安も見受けられ、10月末に公表した景気動向指数では、「景気は、下方への局面変化を示している。」としております。また、老朽化した施設、設備の継続使用によるサービス水準低下の改善や、今夏の長雨等による公共土木施設等を中心とした維持修繕など、業務執行上の財政需要が増加しております。

このような情勢を踏まえて、県内経済活性化のための対応や山積する財政需要を前倒して対応する必要があると考え、県独自の地域・経済活性化策を取りまとめ、今議会に補正予算として提案することといたしました。その内容につきましては、後ほど、御説明いたします。

私は、「せとうち田園都市香川創造プラン」に沿って、これまで「元気の出る香川づくり」、「安心できる香川づくり」、「夢と希望あふれる香川づくり」に取り組んできたところであり、様々な分野でその成果が現れつつあると考えておりますが、今後も、本県が直面する多くの課題に的確に対応し、新たな香川づくりに向けて、むだを省き、効率的・効果的な行政運営に努める必要があります。とりわけ、若者の都会への流出など人口減少が一層進行する中、持続可能な地域社会と豊かな未来の実現を図るため、人口減少対策と地域の活力向上対策を総合的に推進していく必要があると考えております。

このため、平成27年度予算の編成に当たりましては、国の予算編成に留意するとともに、現時点で見込まれる財源の状況や新たな財政需要等を踏まえた上で「財政運営計画」の見直しを行い、引き続き、財政健全化に向けた取組みを行いつつ、人口減少・活力向上対策を総合的に推進するとともに、「せとうち田園都市香川創造プラン」に掲げる15の重点施策の積極的な実施はもとより、「香川県産業成長戦略」に基づく地域と経済の活性化を図り、県内経済を発展させ、県民生活を豊かにするための施策など、本県発展のために必要な課題に対して、全力で取り組みたいと考えております。

第2点は、医療介護総合確保促進法に基づく平成26年度香川県計画についてであります。

団塊の世代が後期高齢者となる平成37年を展望すると、医療・介護サービスの提供体制の改革は重要な課題となっています。

このため、消費税増収分を財源とした医療・介護サービスの提供体制改革を推進するための新たな財政支援制度が創設されました。この制度は、国からの交付金等を原資として県に基金を設置し、県計画に基づいて各種事業を実施していくものであります。

今年度の県計画については医療のみが対象となっており、今般、国の交付金の内示を受け、病床の機能分化や連携、居宅等における医療の提供、医療従事者の確保を三本柱として、計画を作成いたしました。

この計画に基づき、病床の機能分化や連携の推進、在宅医療の充実、県内における医師・看護師不足の解消など、地域医療の充実に努めてまいります。

第3点は、高松・上海線の深圳への延伸についてであります。

10月26日から、春秋航空による上海線が深圳に延伸され、中四国では唯一の中国華南地域への路線が誕生いたしました。

深圳への延伸により、当地域からの来訪観光客の増加と両国間の一層の交流拡大が図られることなどから、本県の地域活性化や地域経済の発展につながるものと、大いに期待しているところであります。

私としましては、今回の延伸の効果を生かせるよう、春秋航空と連携を図りながら、路線PRはもとより、本県観光情報の発信に積極的に取り組んでまいります。

第4点は、陝西省友好県省提携20周年記念訪問についてであります。

本年は陝西省との友好県省提携20周年の節目の年であり、過般、私は、議長、県議会日中友好議員連盟ともども陝西省を訪問し、省政府などを表敬したほか、香川の観光説明会を開催するとともに、かつて本県に国際交流員や海外技術研修員として在籍した方々にお目にかかり、旧交を温めてまいりました。

今後とも、長年にわたって培った相互の信頼関係を礎に、両県省相互の理解と信頼が一層深められるよう、市町、民間団体とも協力しながら取り組んでまいります。

さて、今議会に提案いたしました議案は、平成26年度一般会計補正予算議案など17議案であります。

第1号議案の補正予算について、その主な内容を御説明いたします。

まず、国から交付される医療介護提供体制改革推進交付金等を地域医療介護総合確保基金に積み立てるとともに、同基金を活用し、かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)の画像診断に係る読影技術向上研修会の開催等に対する補助、かかりつけ医の普及啓発事業や女性医療従事者への支援事業に対する補助、看護師等養成所の施設整備等に対する補助などを行おうとするものであります。

次に、国の新たな補助制度を活用し、ウイルス性肝炎の早期治療の促進、重症化の予防を図るため、初回精密検査や定期検査の費用を助成しようとするものであります。

また、県立体育館の耐震改修工事を取りやめたことに伴い、改修費を減額するとともに、安全確保等のために必要となる経費の増額を行うものであります。

これらに加え、冒頭で申し上げたとおり、県内経済の状況等や業務執行上の財政需要を踏まえた地域と経済の活性化策を講じることとし、その対策経費を補正予算として提案しております。

具体的には、道路、交通安全施設、港湾、土地改良施設など生活・産業基盤の整備といった県単独の公共事業や県有施設の改修、老朽化した機器の更新など、地域と経済の活性化策として、65億円余の補正予算を計上し、施設サービスや生活・産業環境の水準を確保するとともに、事業者の人手確保意欲や県内の資金循環の促進、ひいては消費者心理の改善につなげ、地域と経済の活性化に努めたいと考えております。

以上が歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計の補正予算の総額は、79億3,800万円余となり、その財源は、財政調整基金等からの繰入金60億5,700万円余、県債7億7,700万円、国庫支出金10億1,300万円余、分担金及び負担金1億2,300万円余などとなっております。

このほか、香川県産業交流センターについて、指定管理者制度により、来年度から5年間の委託を行うこととし、債務負担行為を設定しようとするものであります。

次に、第2号議案は、難病の患者に対する医療等に関する法律の制定に伴い設置する香川県指定難病審査会の委員の定数について、第3号議案は、児童福祉法の一部改正に伴い設置する香川県小児慢性特定疾病審査会の委員の定数について、それぞれ定めようとするものであります。

第4号議案は、国から交付される交付金等を原資に、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に基づく県計画に定める事業を実施するため、基金を設置するものであります。

第5号議案ないし第7号議案は、給与に関する条例の改正であり、人事委員会勧告の趣旨等を踏まえ、給料表及び期末・勤勉手当の改定等を行うものであります。

第8号議案は、給与制度の総合的見直しにより給料表を引き下げることに伴い、職員の退職手当の調整額を改定するものであります。

第9号議案ないし第11号議案は、特別職の職員及び教育長並びに議会の議員の期末手当の支給割合の改定を行うものであります。

第12号議案は、警察職員の特殊勤務手当の支給額の改定等を行うものであります。

第13号及び第14号議案は、高松東高校校舎棟改築工事及び高松養護学校校舎棟第2期改築工事の工事請負契約の締結について、第15号議案は、香川県産業交流センターの指定管理者の指定について、第16号議案は、土庄町小豆島町環境衛生組合からの公平委員会の事務の受託を廃止することについて、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。

第17号議案は、平成27年度において香川県が発売する全国自治宝くじ及び西日本宝くじの総額を定めるものであります。

また、本日、追加提案いたしました第18号議案は、今月21日の衆議院の解散に伴う、衆議院議員総選挙並びに最高裁判所裁判官国民審査に要する経費を補正するものであります。

以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。

提案理由(平成26年11月県議会定例会)(PDF:138KB)

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