ここから本文です。
ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、3点について御報告いたします。
第1点は、豊島廃棄物等処理事業についてであります。
調停条項で定められた廃棄物等の搬出期限まで、残り10か月を切りましたが、平成23年に処理対象量を大幅に見直したことを踏まえ、事業のより正確な進行管理を図るため、毎年度末時点における廃棄物等の残存量を把握することとしており、現在、平成27年度末時点の残存量について、本年4月に実施した3次元レーザー測量の結果を取りまとめているところであります。
これまでと同様、公害等調整委員会の調査結果を基に、つぼ掘りの実績等を加味して推計したところ、現時点の概算では、処理済量と残存量を合計した全体量は、平成26年度末時点の約90万7千トンとほぼ同程度の約90万4千トンになるものと見込まれます。
処理完了時期については、現段階で機械的に試算すると、これまでと変わらず平成29年3月頃になると見込まれますが、現在、詳細を精査中であります。
なお、最終年度であることも踏まえ、この推計方法と別に平成26年度と27年度に行った試掘調査結果等を基にした推計も参考までに行ったところ、全体量は平成26年度末時点から約1万トン少ない約89万7千トンとなり、処理完了時期は、平成29年1月頃になると試算されるとの推計結果となっております。
今後、豊島廃棄物等管理委員会の指導・助言を得ながら、処理対象量を推定するとともに、よりきめ細かく進行管理を行ってまいりたいと考えております。
本事業は、平成12年に合意した調停条項に基づき取り組んでいる、県政の最重要課題の一つであり、何としてもやり遂げなければならない事業であると考えております。引き続き、直島町と豊島住民の方々、県議会をはじめ県民の皆様の格別の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に、本年度末までの処理期限を厳守するよう、全力で取り組んでまいります。
第2点は、G7香川・高松情報通信大臣会合についてであります。
先月開催されました主要国首脳会議・伊勢志摩サミットの関係閣僚会合の一つであります情報通信大臣会合が、4月29日・30日に高松市で開催され、成功裏に終えることができました。県議会はもとより、高松市や県内の経済団体など関係機関の皆様の御支援、御協力のたまものであり、深く感謝いたします。
県では、昨年7月の開催決定以降、高松市や関係機関からなるG7香川・高松情報通信大臣会合推進協議会を設立し、主催者であります総務省と緊密に連携を図りながら、会合を円滑に実施するための準備や歓迎機運の醸成、香川・高松の魅力発信などについて、官民一体となって取り組んでまいりました。
会合においては、IoTや人工知能(AI)などの新たなICT・情報通信技術がもたらす経済成長やセキュリティの確保等について活発な議論が行われ、その成果として、新たな情報通信時代におけるビジョンについて、香川・高松から世界に向けて力強いメッセージが発出されたことは、私どもにとっても大変意義深いものと考えております。
大臣会合期間中には、国内外から参加された皆さんが快適な環境のもとで会合に臨んでいただけるよう、歓迎装飾など心を尽くしたおもてなしを行うとともに、歓迎レセプションや県内視察などを通じて、瀬戸内海の美しさやアート、食などを体験いただき、香川の魅力を十分に堪能いただけたのではないかと思っております。
県としては、今回の大臣会合の経験を活かし、さらに一層努力を重ね、ICTによる地域振興はもとより、国際会議やイベントなどいわゆるMICEの誘致を積極的に推進し、交流人口の拡大や地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。
第3点は、平成27年度一般会計の決算見込みについてであります。
平成27年度の県財政は、人口減少・活力向上対策を総合的に推進するとともに、防災・減災対策や交通死亡事故抑止対策など当面の緊急課題に対しても機動的に取り組んだことに加え、国の経済対策への対応や県独自の地域・経済活性化策を行うなど、財政の健全化に配意しつつ、経済や地域の活性化、県民生活の安全・安心の確保などに取り組んだ結果、歳入総額4,700億円程度、歳出総額4,590億円程度となり、実質収支は70億円程度の黒字となる見込みであります。
今後とも、経済・雇用情勢に十分留意しつつ、「財政運営指針」に基づき、計画的な財政運営に努めてまいります。
さて、今議会に提案いたしました議案は、平成28年度一般会計補正予算議案など8議案であります。
第1号議案の補正予算について、その主な内容を御説明いたします。
まず、高松・香港間の定期航空路線の開設に当たり、着陸料等運航経費に対する支援や国内での路線のPR等を行うとともに、香港から多くの観光客に来県していただけるよう、航空会社と連携したプロモーションなどの誘客活動を行おうとするものであります。
次に、犬や猫の譲渡の推進等の拠点となる「香川県・高松市動物愛護センター(仮称)」を高松市と共同で設置するため、センターの基本・実施設計を行うための経費を計上しようとするものであります。
また、地域医療介護総合確保基金を活用し、地域密着型サービス事業所の整備等に補助を行う市町に対して支援するほか、介護職員の資質向上を図るために公的な研修等を受講させる県内介護保険施設等に代替職員を派遣するための補正を行うものであります。
さらに、東京讃岐会館を含む地区で市街地再開発事業が進展していることに合わせて、資産評価額の適正確認や取得する権利床の活用検討等を行うほか、高松南警察署跡地の土地売買契約を解除したことに伴い、違約金と損害賠償金を相殺のうえ、売買代金を返還するため、必要な補正を行うものであります。
以上が歳出の主な内容でありますが、これらにより、今回の一般会計の補正予算の総額は、3億5,700万円余となっており、財源としては、財政調整基金等からの繰入金3億3,700万円余、県債800万円、諸収入1,100万円余となっております。
第2号議案は、県民及び滞在者に対する盗撮等の卑わいな行為を防止し、平穏な生活を保持するため、当該行為に係る罰則を強化するものであります。
第3号議案は、国において、認定こども園の施設の設備及び運営に関する基準が改正されたことを踏まえ、認定こども園における保育士等の配置基準等について、所要の改正を行うものであります。
第4号議案は、刑法の一部改正に伴い、関係条例について刑の一部の執行を猶予された場合の規定を整備するなど、第5号議案は、地域再生法の一部改正に伴い、第6号議案は、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正に伴い、それぞれ関係条例について引用条項を改めるなど、所要の改正を行うものであります。
第7号議案は、公職選挙法施行令の一部改正に伴い、県議会議員及び知事の選挙における自動車の使用等の公営に要する経費の限度額を引き上げようとするものであります。
第8号議案は、「香川県農業・農村基本計画」の変更について、香川県行政に係る基本計画の議決等に関する条例に基づき、議会の議決を得ようとするものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
このページに関するお問い合わせ