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ただいま上程されました議案の御説明に先立ち、3点について御報告いたします。
政府においては、先月1日、経済状況等を総合的に勘案した検討を行った結果、来年4月1日から消費税率及び地方消費税率を5%から8%に引き上げるとともに、税率の引上げによる反動減の緩和や景気の下振れリスクへの対応、経済の好循環の実現と持続的な経済成長につなげるため、新たな経済対策の策定などを閣議決定したところであります。
その対策は、来年度予算と併せて具体化することも決定されており、現在、国において、新たな経済対策の実現に向けた平成25年度補正予算と平成26年度予算とが一体として編成されている状況にあります。
他方、地方財源の見通しとしては、今年8月の閣議において了解された国の中期財政計画において、来年度、地方の一般財源総額については、平成25年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとの方針を明記しているものの、地方財政も国の歳出の見直しと基調を合わせることとされており、地方交付税総額などの削減について、今後、厳しい議論が行われることが想定されております。このように、来年度の地方交付税総額を含めた一般財源総額の確保は、なお不透明な状況にあり、さらに、医療、高齢者対策等、社会保障関係経費の増や南海トラフ巨大地震への備えといった防災・減災対策などの財政需要も見込まれることから、地方財政は、引き続き厳しい状況にあると言えます。
このため、私も出席した先般の全国知事会議において、知事会として、安定的な財政運営に必要な地方一般財源総額の確保など、平成26年度における税財政等に関し、国に対し強く要望したところであります。
一方、現下の経済情勢については、内閣府の月例経済報告などの各種経済指標が改善している中、県内景気についても、今月、日本銀行高松支店が「景気は、緩やかに回復しつつある」と発表しているように、回復基調にあります。しかしながら、四国地方は、景況判断において他の地域と比較して、国の経済対策効果が、いまだ十分に波及しているとは言い難く、また、高松商工会議所が行っている景気動向調査においても、先行きに期待があるものの、景気回復の実感が伴っていないという判断をしております。このような情勢を踏まえて、今月5日、県として「経済・雇用対策本部会議」を開催する中で、来年4月からの消費税率引上げを前に、回復しつつある県経済が停滞することのないよう、タイミングを失することなく必要な対策を講じることが必要とし、県独自の経済活性化策をとりまとめ、今議会に補正予算として提案することといたしました。その内容につきましては、後ほど、御説明いたします。
また、私は一昨年10月に県議会の御理解をいただき「せとうち田園都市香川創造プラン」を策定し、これに沿って、これまで「元気の出る香川づくり」、「安心できる香川づくり」、「夢と希望あふれる香川づくり」に取り組んできたところであります。
様々な分野において、その成果が現れ始めたと思っておりますが、さらに全力を尽くしてまいりたいと考えております。このため、平成26年度予算の編成に当たりましては、国の予算編成に留意するとともに、現時点で見込まれる財源の状況や新たな財政需要等を踏まえた上で「財政運営計画」の見直しを行い、引き続き、財政健全化に向けた取組みを行いつつ、「せとうち田園都市香川創造プラン」に掲げる15の重点施策の積極的な実施はもとより、今年7月に策定した「香川県産業成長戦略」に基づく地域と経済の活性化を図り、県内経済を発展させ、県民生活を豊かにするための施策など、本県発展のために必要な課題に対して、全力で取り組みたいと考えております。
平成15年9月18日に本格処理を開始してから10年が経過しました。この間、本年10月末日までに、63万9千トン余の豊島廃棄物等を処理したところであります。
汚染土壌の処理につきましては、より効率的かつ安全に搬出するためのベルトコンベアの設置や桟橋改修等の工事が10月末に完了したことから、今月3日に搬出を再開し、福岡県の三菱マテリアル株式会社九州工場に海上輸送し、5日に荷揚げ、15日にセメント原料化処理を完了したところであります。今後の搬出につきましては、9月の大量の降雨により冠水した処分地南側の排水対策を進め、冠水を解消した後、廃棄物層を掘削・除去し、直下土壌の完了判定調査を行い、順次搬出してまいります。
本事業は、平成12年に合意した調停条項に基づき取り組んでいる、県政の最重要課題の一つであり、何としてもやり遂げなければならない事業であると考えており、引き続き、直島町と豊島住民の方々、県議会をはじめ県民の皆様の格別の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に、調停条項で定められた平成28年度末までの廃棄物等の処理期限を厳守するよう、全力で取り組んでまいります。
3月20日に開幕した瀬戸内国際芸術祭2013は、春・夏・秋と四季折々の瀬戸内の風景を見せながら、108日間の会期中に100万人を超える方々に御来場いただき、今月4日に閉幕いたしました。
今回、会場として新たに沙弥島、本島、高見島、粟島、伊吹島が加わり、12の島それぞれに、島固有の魅力ある表情を見せてくれたところであります。「アートを道しるべに島を巡る」という世界にも類を見ないこのスタイルの芸術祭が好評のうちに終えることができましたのは、県議会をはじめ、県民の皆様の御理解、御支援と、関係の皆様の多大なる御尽力のおかげであり、心から厚くお礼申し上げます。
瀬戸内国際芸術祭は、「海の復権」をテーマに掲げ、過疎、高齢化が進みながらも、美しい景観や固有の文化が残る瀬戸内の島々に、活力を取り戻すことを目的に始まりました。二回目となる今回、各島々で確かな足跡を残せたことは大変意義深く、それぞれの地域が豊かに発展していくための大きなよりどころになるものと考えます。
今後は、この芸術祭の開催で得られた貴重な経験と御縁を生かして、アート県としての活動を継続し、瀬戸内の海と島の活性化、ひいては地域全体の発展につなげてまいりたいと考えております。
さて、今議会に提案いたしました議案は、平成25年度一般会計補正予算議案など16議案であります。
まず、第1号議案は、一般会計の補正予算についてであります。
豊島廃棄物等処理事業については、この度、国からの追加の財政支援に目途が立ったことから、豊島処分地の揚水井の掘削及びポンプ等の設備設置工事といった地下水汚染対策を速やかに実施に移すために必要な経費等を補正しようとするものであります。
次に、共助の社会づくり支援基金ほか3基金については、当該基金事業の事業期間が終了することに伴い、基金の残額を国へ返還するために必要な補正を行うものであります。
これらに加え、冒頭で申し上げたとおり、回復基調にある県内景気を確かなものとする上で実効性のある経済活性化策を講じることとし、その対策経費を補正予算として提案しております。
具体的には、まず、金融対策として、県内中小企業への事業資金の円滑な供給により経営の維持安定を図るため、「経済変動対策融資」について3億円の補正を行い、融資枠を9億円拡充いたします。
次に、道路、交通安全施設、港湾、土地改良施設など生活・産業基盤の整備といった県単独の公共事業や県有施設の改修、老朽化した機器の更新など、地域経済の活性化と、雇用対策として、53億円余の補正予算を計上し、先ほどの金融対策と合わせて、資金循環効果の発現に努めるとともに、社会資本基盤の強化を進め、景気回復の動きを波及促進させ、地域と経済の活性化に努めたいと考えております。
以上が、歳出の主要なものでありますが、これらにより、今回の一般会計の補正予算の総額は、59億200万円余となり、その財源は、財政調整基金等からの繰入金45億8,800万円余、県債9億100万円、諸収入1億8,500万円余、国庫支出金1億4,600万円余、分担金及び負担金8,100万円余などとなっております。
このほか、情報通信交流館・e-とぴあ・かがわ及び女木島野営場について、指定管理者制度により来年度から5年間の委託を、さらに、川部みどり園の給食業務について、来年度から3年間の委託を行うこととし、債務負担行為を設定しようとするものであります。また、来年の瀬戸内海国立公園指定80周年を記念して行う、記念式典実行委員会に対する負担金や大規模な誘客イベントの実施に要する経費についても債務負担行為を設定し、円滑な事業執行を行うとともに、早期かつ十分な情報発信を行い、より多くの誘客を図りたいと考えております。
また、第2号議案は、駐車場事業特別会計において、指定管理者制度による5年間にわたる委託などを、第3号議案は病院事業会計において、丸亀病院の3年間にわたる給食業務委託について、それぞれ必要な債務負担行為の設定などを行うものであります。
第6号議案は、旅券法の一部改正により、旅券の名義人の氏名等に変更を生じた場合に記載事項を訂正する制度が廃止され、新たな旅券を発行することとされ、これに伴い、一般旅券記載事項訂正申請手数料を削除するための使用料、手数料条例の改正を行おうとするものであります。
第7号議案は男女共同参画推進条例において、配偶者からの暴力的行為の被害者の保護等に関する規定について、第8号議案は子ども女性相談センター条例において、引用している法律の題名改正など、法律の一部改正を踏まえ、それぞれ所要の改正を行うものであります。
第9号議案は、県立中央病院の移転及び機能強化に伴い、診療科目及び病床数の変更や統合されるがん検診センターの廃止など、関係条例について所要の改正を行うものであります。
第10号議案ないし第12号議案は、情報通信交流館など3施設の指定管理者を指定するものであります。
第13号議案は、高松東ファクトリーパーク12号地の売却に伴う財産の処分について、第14号議案は、土地改良法等の規定に基づき、県が行う土地改良事業等に対する市町負担金について、第15号議案は、地方自治法の規定に基づき、平成26年3月31日をもって、三豊市からの公平委員会の事務の受託を廃止することについて、それぞれ議会の議決を得ようとするものであります。
第16号議案は、平成26年度において香川県が発売する全国自治宝くじ及び西日本宝くじの総額を定めるものであります。
以上、提案いたしました議案につきまして、その要旨を御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。
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