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公開日:2012年10月10日

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平成24年10月10日 答申第494号(香川県情報公開審査会答申)

答申日:平成24年10月10日(答申第494号)

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が一部公開決定(以下「本件処分」という。)により非公開とした部分のうち、別表2の「公開すべき部分」に掲げる部分については、公開すべきである。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成24年1月17日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。

  • (1)社会福祉法の規定に基づく特定社会福祉法人の特定施設の施設の設置に係る各種届出書類の全部(追加の届出書類、変更に関する届出書類を含む)
  • (2)上記(1)の施設に関する入居契約書のひな型又は入居契約の条項の分かる文書
  • (3)上記(1)の施設に関する行政指導に係る文書、調査に係る復命書

2 実施機関の決定

実施機関は、公開請求のあった行政文書として、次の行政文書(以下「本件行政文書」という。)を特定し、別表1の「公開しない部分」が「公開しない理由」に該当するとして、平成24年1月30日付けで本件処分を行い、異議申立人に通知した。

  • (1)昭和54年8月18日付け「軽費老人ホーム設置届」(以下「本件行政文書1」という。)
  • (2)平成22年4月8日付け「軽費老人ホーム事業変更届」(以下「本件行政文書2」という。)
  • (3)平成18年7月5日付け18長寿第20721号「平成18年度老人福祉施設の実地指導監査の結果について」(以下「本件行政文書3」という。)
  • (4)平成22年12月10日付け22長寿第41047号「社会福祉法第70条の規定に基づく実地指導の結果について」(以下「本件行政文書4」という。)
  • (5)平成23年11月24日付け23長寿第40284号「社会福祉法第70条の規定に基づく監査の実施について」(以下「本件行政文書5」という。)
  • (6)平成23年11月29日付け23長寿第41102号「社会福祉法第70条の規定に基づく監査の結果について」(以下「本件行政文書6」という。)

3 異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、平成24年2月4日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

1 異議申立ての趣旨

「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 異議申立ての理由

異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、条例の解釈適用を誤った違法な処分であるから、本件処分を取り消し、全部公開をする必要がある。
  • (2)本件「決定通知書」記載の「公開しない理由」は、条例に規定する非公開とできる理由には該当しない。特に罫線まで非公開にはできない。
  • (3)本件「決定通知書」記載の「公開しない理由」には、適法に処分理由が明示されていないので、香川県行政手続条例(平成7年香川県条例第5号)第8条に違反し、本件処分は無効である。

第4 実施機関の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。

  • (1)条例第7条第1号の該当性について
    条例第7条第1号本文においては、個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものは、公開しないことができると規定されている。
    個人の尊厳及び基本的人権尊重の立場から、個人のプライバシーを最大限に保護するため個人のプライバシーに関する情報であると明らかに判別できる場合はもとより、個人のプライバシーに関する情報であるかどうか不明確である場合も含めて、個人に関する情報は非公開を原則としている。
    また、同号ただし書においては、個人に関する情報であっても、個人の権利利益を侵害しないと考えられ非公開とする必要のない情報及び公益上の必要があると認められる情報を規定し、公開することを定めている。
    本号に該当するため非公開とした部分は、次のとおりである。
    • (a)本件行政文書1
      「職員採用予定者表」のうち職員の職種、採用(予定)年月日、氏名、年令、職歴及び特記事項
      なお、職員の職種、氏名及び職歴の欄の1行目に記載された特定社会福祉法人の理事長の情報については、条例第7条第1項第1号ただし書ア(法令又は条例の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報)に該当することから、公開の実施時に異議申立人に対して公開している。
    • (b)本件行政文書2
      「学歴・資格を証する書類」
    • (c)本件行政文書4
      「起案理由」のうち対応者、「利用者名簿」、「職員の辞令」、「勤務予定表」及び「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」
    • (d)本件行政文書5
      「起案理由」のうち監査理由及び「別紙」
    • (e)本件行政文書6
      「起案理由」のうち対応者及び監査理由、「勤務予定表」、「監査の概要」のうち監査理由、確認書類、聞取り調査の相手方及び確認内容並びに「監査の内容がわかる文書」
      これらは、施設採用予定者、職員、施設入居者等の個人情報であって、特定の個人が識別できる個人に関する情報であるので、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しない。
  • (2)条例第7条第2号の該当性について
    条例第7条第2号では、法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものを非公開情報と定めている。ただし、事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある危害から人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、非公開情報から除くこととしている。 本号に該当するため非公開とした部分は、次のとおりである。
    • (a)本件行政文書1
      「診療所開設許可証」及び「設置届」のうち法人の印影、「収支予算書」のうち中項目、「財産目録」のうち中項目及び借入先、「定款」、「賃金規則」、「就業規則」、「旅費規程」、「経理規程」、「防災管理規程」、「外見に関する図面」及び「位置図」のうち建築士の登録番号及び事務所名並びに「内部がわかる平面図」
    • (b)本件行政文書2
      「変更届」のうち法人の印影
    • (c)本件行政文書3
      「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果通知の別紙)のうち改善を要する事項、「軽費老人ホーム(×型)指導チェックリスト」、「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち改善を要する事項、改善を要する事項に係る措置状況及び改善年月日並びに「結果報告書」及び「指示事項について」のうち法人の印影
    • (d)本件行政文書4
      「就業規則」、「結果報告書」のうち法人の印影、「防災マニュアル」、「地震風水害対策防災規程」、「実地指導における是正又は改善を要する事項及び措置状況について」(結果通知の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、「軽費老人ホーム実地指導チェックリスト」、「実地指導における是正又は改善を要する事項及び措置状況について」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日、「勤務予定表」並びに「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」
    • (e)本件行政文書5
      「起案理由」のうち監査理由及び「別紙」
    • (f)本件行政文書6
      「起案理由」のうち監査理由、「勤務予定表」、「監査の概要」のうち監査理由、確認書類、聞取り調査の相手方及び確認内容、「監査の内容がわかる文書」、「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果通知の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日並びに「結果報告書」のうち法人の印影
      これらは、特定社会福祉法人の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しない。
  • (3)条例第7条第4号の該当性について
    条例第7条第4号では、県の機関等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを非公開情報と定めている。
    本号に該当するため非公開とした部分は、次のとおりである。
    • (a)本件行政文書3
      「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果通知の別紙)のうち改善を要する事項、「軽費老人ホーム(×型)指導チェックリスト」並びに「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち改善を要する事項、改善を要する事項に係る措置状況及び改善年月日
    • (b)本件行政文書4
      「実地指導における是正又は改善を要する事項及び措置状況について」(結果通知の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、「軽費老人ホーム実地指導チェックリスト」並びに「実地指導における是正又は改善を要する事項及び措置状況について」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日
    • (c)本件行政文書5
      「別紙」
    • (d)本件行政文書6
      「監査の概要」のうち監査理由、確認書類、聞取り調査の相手方及び確認内容、「監査の内容がわかる文書」、「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果通知の別紙)のうち是正又は改善を要する事項並びに「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日
      これらは、特定社会福祉法人への実地指導及び監査内容等であり、公にすることにより、検査事項が明らかになったり、当該法人からの協力が得られなくなるなど、実地指導及び監査に係る事務に関して正確な事実の把握を困難にするおそれがあるので、条例第7条第4号に該当する。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。

2 本件行政文書の内容等について

本件行政文書1は、社会福祉事業法(現社会福祉法)(昭和26年3月29日法律第45号)第57条第1項(現第62条第1項)の規定により特定社会福祉法人から知事あてに提出された特定施設の設置にかかる届出である。
本件行政文書2は、社会福祉法(以下「法」という。)第63条第1項の規定により特定社会福祉法人から知事あてに提出された事業内容の変更にかかる届出である。
本件行政文書3は、香川県健康福祉部長(以下「部長」という。)が法第70条の規定により実地指導を実施した結果を特定社会福祉法人に通知する起案文書であり、当該通知及び当該通知を受けて特定社会福祉法人から部長あてに提出された「結果報告書」及び「指示事項について」から構成されている。
本件行政文書4は、部長が法第70条の規定により実地指導を実施した結果を特定社会福祉法人に通知する起案文書であり、特定社会福祉法人から提出された書類が添付されている。
本件行政文書5は、部長が法第70条の規定により監査の実施を特定社会福祉法人に通知する起案文書である。
本件行政文書6は、部長が法第70条の規定により監査を実施した結果を特定社会福祉法人に通知する起案文書であり、当該通知及び当該通知を受けて特定社会福祉法人から部長あてに提出された「結果報告書」から構成されている。

3 非公開情報該当性について

次に掲げる各非公開条項についての基本的な考え方に基づき、別表2のとおり判断する。

  • (1)条例第7条第1号の該当性について
    本号は、個人の尊厳及び基本的人権の尊重の立場から、個人のプライバシーを最大限に保護するために定められたものであるが、プライバシーの具体的な内容が法的にも社会通念上も必ずしも明確ではなく、その内容や範囲は事項ごと、各個人によって異なり得ることから、本条例は、プライバシーであるか否か不明確な情報も含めて、特定の個人が識別され得る情報を包括的に非公開として保護することとした上で、さらに、個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものについても、非公開とすることを定めたものである。
    しかし、これらの個人に関する情報には、個人の権利利益を侵害しないと考えられ非公開とする必要のない情報及び公益上の必要があると認められる情報も含まれているので、これらの情報を本号ただし書きで規定し、公開することを定めたものと解される。
  • (2)条例第7条第2号の該当性について
    本号は、法人等又は事業を営む個人の正当な利益を害することを防止する観点から、その事業活動の自由を保障し、公正な競争秩序を維持するため、公にすることにより当該法人等又は事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのある情報を非公開とすることとした上で、それらに該当する情報であっても、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、公開することを定めたものであると解される。
  • (3)条例第7条第4号の該当性について
    本号は、県の機関等が行う事務又は事業の目的達成又は適正な執行の確保の観点から、当該事務又は事業に関する情報の中で、当該事務又は事業の性質、目的等からみて、公開することにより、将来の当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報については、非公開とすることを定めたものであると解される。

4 異議申立人のその他の主張について

異議申立人は、本件処分で非公開とされた部分と一体となって公開されていない罫線について、条例に規定する非公開とする理由に該当せず非公開にできないと主張している。
条例第8条第1項は、「公開請求に係る行政文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、請求者に対し、当該部分を除いた部分につき公開しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。」と規定されている。
審査会で見分したところ、非公開とされている罫線は、非公開情報を除けばそれ自体としては無意味な単なる枠のみとなるものであり、有意の情報が記録されていないと認められる。したがって、条例第8条第1項のただし書に該当すると判断され、異議申立人の当該主張は当たらない。

5 第3の2の異議申立ての理由のうち、(3)について

条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。

よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

第6 審査会の審査経過

当審査会は、本件諮問事件について、次のとおり審査を行った。
(省略)

別表1

(1)本件行政文書1
公開しない部分 公開しない理由
「診療所開設許可証」のうち法人の印影 (条例第7条第2号本文該当)
法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
「設置届」のうち法人の印影
「収支予算書」のうち中項目
「財産目録」のうち中項目及び借入先
定款
賃金規則
就業規則
旅費規程
経理規程
防災管理規程
「外見に関する図面」及び「位置図」のうち建築士の登録番号及び事務所名、「内部がわかる平面図」
「職員採用予定者表」のうち職員の職種、採用(予定)年月日、氏名、年令、職歴及び特記事項 (条例第7条第1号本文該当)
特定の個人が識別される個人情報に該当するため
(2)本件行政文書2
公開しない部分 公開しない理由
「変更届」のうち法人の印影 (条例第7条第2号本文該当)
法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
学歴・資格を証する書類 (条例第7条第1号本文該当)
特定の個人が識別される個人情報に該当するため
3)本件行政文書3
公開しない部分 公開しない理由
「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果通知書の別紙)のうち改善を要する事項
  • (条例第7条第2号本文該当)
    法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
  • (条例第7条第4号該当)
    法人等への調査、監査内容等であり、公にすることにより、検査事項が明らかになったり、協力が得られなくなるなど、指導、監査に係る事務に関して正確な事実の把握を困難にするおそれがあるため
軽費老人ホーム(×型)指導チェックリスト
「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち改善を要する事項及び改善を要する事項に係る措置状況並びに改善年月日
「結果報告書」のうち法人の印影 (条例第7条第2号本文該当)
法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
「指示事項について」のうち法人の印影
(4)本件行政文書4
公開しない部分 公開しない理由
「起案理由」のうち対応者 (条例第7条第1号本文該当)
特定の個人が識別される個人情報に該当するため
利用者名簿
職員の辞令
就業規則 (条例第7条第2号本文該当)
法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
「結果報告書」のうち法人の印影
防災マニュアル
地震風水害対策防災規程
「実地指導における是正又は改善を要する事項及びその措置状況について」(結果通知書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項
  • (条例第7条第2号本文該当)
    法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
  • (条例第7条第4号該当)
    法人等への調査、監査内容等であり、公にすることにより、検査事項が明らかになったり、協力が得られなくなるなど、指導、監査に係る事務に関して正確な事実の把握を困難にするおそれがあるため
軽費老人ホーム実施指導チェックリスト
「実地指導における是正又は改善を要する事項及びその措置状況について」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日
勤務予定表 (条例第7条第1号本文該当)
特定の個人が識別される個人情報に該当するため(条例第7条第2号本文該当)
法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
(5)本件行政文書5
公開しない部分 公開しない理由
「起案理由」のうち監査理由
  • (条例第7条第1号本文該当)
    特定の個人が識別される個人情報に該当するため
  • (条例第7条第2号本文該当)
    法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
別紙
  • (条例第7条第1号本文該当)
    特定の個人が識別される個人情報に該当するため
  • (条例第7条第2号本文該当)
    法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
  • (条例第7条第4号該当)
    法人等への調査、監査内容等であり、公にすることにより、検査事項が明らかになったり、協力が得られなくなるなど、指導、監査に係る事務に関して正確な事実の把握を困難にするおそれがあるため
(6)本件行政文書6
公開しない部分 公開しない理由
「起案理由」のうち対応者 (条例第7条第1号本文該当)
特定の個人が識別される個人情報に該当するため
「起案理由」のうち監査理由
  • (条例第7条第1号本文該当)
    特定の個人が識別される個人情報に該当するため
  • (条例第7条第2号本文該当)
    法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
勤務予定表
「監査の概要」のうち監査理由、確認書類、聞取り調査の相手方及び確認内容
  • (条例第7条第1号本文該当)
    特定の個人が識別される個人情報に該当するため
  • (条例第7条第2号本文該当)
    法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
  • (条例第7条第4号該当)
    法人等への調査、監査内容等であり、公にすることにより、検査事項が明らかになったり、協力が得られなくなるなど、指導、監査に係る事務に関して正確な事実の把握を困難にするおそれがあるため
監査の内容がわかる文書
「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果通知書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項
  • (条例第7条第2号本文該当)
    法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため
  • (条例第7条第4号該当)
    法人等への調査、監査内容等であり、公にすることにより、検査事項が明らかになったり、協力が得られなくなるなど、指導、監査に係る事務に関して正確な事実の把握を困難にするおそれがあるため
「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日
「結果報告書」のうち法人の印影 (条例第7条第2号本文該当)
法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため

別表2

(1)本件行政文書1
公開しない理由 審査会の判断 公開すべき部分
「診療所開設許可証」及び「設置届」のうち法人の印影 印影は、一般的に、法人等が事業活動を行う上での重要な内部管理に属する情報であり、このような情報を外部に対して明らかにするかどうかは、本来、法人等が自らの業務の関わりの中で自主的に決定すべきことであり、法人等は、公開すべき相手方を限定する利益を有しているというべきである。
しかしながら、このような情報であっても、当該法人等がそのような管理をしていないと認められる場合などには、これが公開されても、当該法人等の正当な利益を害するものとは認められない。
当該非公開部分の印影は、特定社会福祉法人から提出された軽費老人ホーム設置届に押印されているもの、及び当該設置届に添付された診療所開設許可証が原本と相違ないことを証明するために押印されているものであり、当該法人がこのような文書を提出する相手方は、処分庁等に限定されていると考えられる。
すなわち、本件印影はいずれも当該法人が真正かつ真意に基づいて作成した文書であることを示す機能を有する性質のものであるとともに、特定の書類に限定して用いられ、当該法人においてむやみに公にしていないものと認められることから、これらの情報を公にした場合、当該法人の各種書類の偽造等に悪用されるなどが考えられる。
よって、本件印影は、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく、本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
 
「収支予算書」のうち中項目 審査会で見分したところ、当該非公開部分は、特定社会福祉法人の経費の収支予算に関する情報である。
社会福祉法人は、法の規定に基づき強い公的規制の下、公的助成を受けられる特別な法人として設立されたものであり、また実施機関が処理する社会福祉法人に関する事務は、地方自治法(昭和22年4月17日法律第67号)第2条第9項第1号に規定する事務であり、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして国の関与が認められている事務となっている。
そのため、法令及び国の通知等を確認したところ、社会福祉法人の収支に関する情報は、法第59条第1項の規定による現況報告書により毎年所轄庁に届け出なければならないこととされており、当該現況報告書については、「社会福祉法人の認可について」(平成12年12月1日付け厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)(以下「認可連名通知」という。)により、情報公開請求があった場合は、各都道府県市の情報公開条例に定める手続きにより、公開することが望ましいこととされているが、現況報告書には中項目の記載は必要ないことが確認された。
したがって、収支に関する中項目の情報は、当該法人が公にされることを予定していない当該法人の内部管理に属する情報であると認められ、これを当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人独自の事業運営内容が推測されるなど、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
 
「財産目録」のうち中項目及び借入先 審査会で見分したところ、当該非公開部分のうち中項目は、特定社会福祉法人の財産目録に記載された土地、建物及び運用財産の金額である。
社会福祉法人が作成する財産目録では、「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成12年2月17日付け厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連盟通知)で定める「社会福祉法人会計基準」により、全ての資産について、その名称、数量、金額等を詳細に表示するものとされており、またそのように作成された財産目録は法第59条第1項の規定に基づく現況報告書により毎年所轄庁に届け出なければならないこととされているが、当該現況報告書については、既述のとおり、認可連名通知により公開することが望ましいこととされている。
したがって、実施機関が非公開とした、土地、建物及び運用財産の金額については、当該法人が公にされることを予定している情報であると考えることが妥当であり、そのような情報を公開することにより当該法人の正当な利益を害するおそれがあるとは認められないことから、公開しても条例第7条第2号本文に該当しないと判断される。
非公開部分のうち借入先は、法律に基づいて全額政府出資によつて設立された特殊法人であり、現在は特殊法人等改革を経て新たな法律に基づく独立行政法人となっているが、いずれの法律においてもその目的が社会福祉事業への融資を行うことが規定されている法人であり、このような借入先の性格から公開しても当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められないことから条例第7条第2号本文に該当しないと判断される。
全部
定款 実施機関は、当該定款について、法人等の事業、経理及び経営等に関する内部管理情報であり、公にすることにより、特定社会福祉法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから、条例第7条第2号に該当するとして非公開としている。
社会福祉法人の定款は、法第31条第1項の規定により、所轄庁が認可することとなっており、当該条項において定款をもって定める事項が決められている。また、国の認可連名通知では、定款準則とともに具体的な審査基準が定められており、所轄庁はその認可にあたっては、当該基準に基づいて審査を行うこととなっているが、この認可連名通知は国のホームページに掲載されるなど、一般に公表されている。
したがって、このような法律及び国の通知に基づき作成、認可された定款の内容が公開されたとしても、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるとは認められないことから、条例第7条第2号本文に該当しないと判断される。
上記のとおり条例第7条第2号本文に該当しないと判断されるが、審査会で見分したところ、当該定款には、個人に関する情報である理事長及び理事の氏名並びに理事長及び理事の印影が記載されている。このうち、理事の氏名並びに理事長及び理事の印影は、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。理事長の氏名は、組合等登記令(昭和39年政令第29号)の規定による登記事項であり、公にされている情報であると認められることから、条例第7条第1号本文に該当しないと判断される。
理事の氏名並びに理事長及び理事の印影を除く全部
  • 賃金規則
  • 就業規則
  • 旅費規程
  • 経理規程
  • 防災管理規程
当該規則等は、特定社会福祉法人がその運営等を行うために作成する諸規程であり、専ら法人内部でのみ使用し、内容等を法人外に明らかにすることのない情報である。これらの情報が公にされた場合、当該法人の運営方針など内部管理に関する情報が明らかとなり、自由な事業活動や競争上の地位が損なわれるなど正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
「外見に関する図面」及び「位置図」のうち建築士の登録番号及び事務所名、「内部がわかる平面図」 非公開部分のうち建築士の登録番号及び事務所名は、特定社会福祉法人の具体的な取引先の情報であり、これらの情報が公にされた場合、当該法人に対する信用や自由な事業活動を損ねるなど正当な利益を害するおそれがあると認められる。
内部がわかる平図面について審査会で見分したところ、施設内の各部屋の配置及び広さ並びに当該各部屋に通じる通路等が詳細に記載されており、このような情報が公にされた場合、部外者の不法侵入といった犯罪の実行を容易にするおそれがあるなど、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められる。
以上のことから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
 
「職員採用予定者表」のうち職員の職種、採用(予定)年月日、氏名、年令、職歴及び特記事項 審査会で見分したところ、実施機関が非公開としたのは、職員採用予定者の職種、採用(予定)年月日、氏名及び年齢並びに特記事項であった。
このうち、特記事項以外については、いずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
特記事項については、実施機関は条例第7条第1号本文に該当するとして非公開としているが、当該情報により特定の個人を識別することができるものではなく、また、これを公開しても、個人の権利利益を侵害するおそれがあるとは考えられないことから、条例第7条第1号には該当しないと判断される。しかしながら、特記事項には、特定社会福祉法人の職員の採用に関する情報が記載されており、このような情報が公にされた場合、当該法人の自由な事業活動その他正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断され、これを非公開とした実施機関の判断は結果として是認できる。
 
(2)本件行政文書2
公開しない理由 審査会の判断 公開すべき部分
「変更届」のうち法人の印影 本件印影は、特定社会福祉法人から提出された軽費老人ホーム事業変更届に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
学歴・資格を証する書類 学歴・資格を証する書類は、特定の個人の学歴又は資格の情報であり、いずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(3)本件行政文書3
公開しない理由 審査会の判断 公開すべき部分
「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果通知の別紙)のうち改善を要する事項 審査会で見分したところ、当該非公開部分には、本指導監査における書類審査や職員等からの聴取により確認された内容とそれらに対する指摘事項等の監査対象施設に関する具体的な情報が記載されている。
本指導監査は、法第70条の規定に基づく社会福祉事業を行う者に対する検査であるが、検査に際しての事実把握は、当該事業者の協力のもとに提出された関係書類の審査や関係者からの事情聴取により正確な事実の把握が行われるものであり、正確な事実を把握するためには、当該事業者の検査への協力が必要であるものと認められる。法の規定では、社会福祉事業を行う者が検査を拒んだ場合は許可の取消し等を行うことができることとなっているが、このような検査権限は、捜査機関による捜索や差押のように直接的・物理的な強制力の行使を伴うものとは異なり、許可の取消し等の実施による間接的な担保により心理的に検査の受忍を強制しようとするものであることから、間接強制による担保が用意されているからといって直ちに当該事業者の全面的な協力が得られるわけではない。一方、検査の内容等の公表について法令等の規定は無く、実施機関においても通常検査に関する情報は公にしていないことから、社会福祉事業を行う者は、当該検査に関する情報が公にされないという前提で検査への協力を行っていることは明らかであり、このような情報を公にすることにより、当該事業者からの協力が得られなくなるという実施機関の主張は是認できる。
そうすると、仮にこれらの情報が公にされることになれば、今後、社会福祉事業を行う者が検査に対して非協力的又は消極的な態度をとり、その結果、検査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 
軽費老人ホーム(×型)指導チェックリスト 当該文書には、施設に対する指導監査の実施にあたっての具体的な主眼事項や着眼点が記載されており、当該文書が公開されれば実施機関の具体的な指導監査内容が明らかとなり、不法・不当な事項の隠蔽や改ざんに繋がるおそれがあると認められる。また、当該文書は、施設に対する指導監査結果の通知を行う際の指摘事項等を決定する上での重要な一資料となっており、担当者が当該施設での実地調査の際に、暫定的な評価や疑義をいだいた点等未確定な情報についても記載されている。仮にこれらの情報が公にされることになれば、担当者が指導監査対象施設に対する率直な評価や指摘を避けたり、不明確な記載をおそれて、疑義をいだいた点についてもその適否を検証して不適正と判断し得ない場合には記載しなくなるなど、軽微な違反に関する記載を省くようになる可能性が高く、その結果、指導監査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
よって、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 

「改善を要する事項(平成18年度実地監査分)及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち改善を要する事項及び改善を要する事項に係る措置状況並びに改善年月日

審査会で見分したところ、当該非公開部分には、本指導監査における書類審査や職員等からの聴取により確認された内容とそれらに対する指摘事項及びそれに対する対応策等の監査対象施設に関する具体的な情報が記載されている。
本指導監査は、法第70条の規定に基づく社会福祉事業を行う者に対する検査であるが、既述のとおり、検査における正確な事実を把握するためには、当該事業者の検査への協力が必要であると認められる。一方、検査に関する情報を公にすることにより、社会福祉事業を行う者から協力が得られなくなるという実施機関の主張は是認できる。
そうすると、仮にこれらの情報が公にされることになれば、今後、社会福祉事業を行う者が検査に対して非協力的又は消極的な態度をとり、その結果、検査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 
「結果報告書」及び「指示事項について」のうち法人の印影 本件印影は、特定社会福祉法人から提出された指導監査の結果報告書等に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(4)本件行政文書4
公開しない理由 審査会の判断 公開すべき部分
「起案理由」のうち対応者 審査会で見分したところ、実施機関が非公開としたのは、本実地指導に対応した職員の氏名及び職名であり、これらは個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
「実地指導における是正又は改善を要する事項及びその措置状況について」(結果通知の別紙)のうち是正又は改善を要する事項 審査会で見分したところ、当該非公開部分には、本実地指導における書類審査や職員等からの聴取により確認された内容とそれらに対する指摘事項等の監査対象施設に関する具体的な情報が記載されている。
本実地指導は、法第70条の規定に基づく社会福祉事業を行う者に対する検査であるが、既述のとおり、検査における正確な事実を把握するためには、当該事業者の検査への協力が必要であると認められる。一方、検査に関する情報を公にすることにより、社会福祉事業を行う者から協力が得られなくなるという実施機関の主張は是認できる。
そうすると、仮にこれらの情報が公にされることになれば、今後、社会福祉事業を行う者が検査に対して非協力的又は消極的な態度をとり、その結果、検査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 
軽費老人ホーム実施指導チェックリスト 当該文書には、施設に対する実地指導の実施にあたっての具体的な主眼事項や着眼点が記載されており、当該文書が公開されれば実施機関の具体的な実地指導内容が明らかとなり、不法・不当な事項の隠蔽や改ざんに繋がるおそれが認められる。また、当該文書は、施設に対する実地指導結果の通知を行う際の指摘事項等を決定する上での重要な一資料となっており、担当者が当該施設での実地調査の際に、暫定的な評価や疑義をいだいた点等未確定な情報についても記載されている。仮にこれらの情報が公にされることになれば、担当者が実地指導対象施設に対する率直な評価や指摘を避けたり、不明確な記載をおそれて、疑義をいだいた点についてもその適否を検証して不適正と判断し得ない場合には記載しなくなるなど、軽微な違反に関する記載を省くようになる可能性が高く、その結果、実地指導における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
よって、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 
利用者名簿 審査会で見分したところ、当該文書は、施設の全利用者の個人が識別できる情報と個々の利用者の詳細な状況を表にしたものであり、これらは個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
  • 就業規則
  • 防災マニュアル
  • 地震風水害対策防災規程
当該規則等は、特定社会福祉法人がその運営等を行うために作成する諸規程であり、専ら法人内部でのみ使用し、内容等を法人外に明らかにすることのない情報である。これらの情報が公にされた場合、当該法人の運営方針など内部管理に関する情報が明らかとなり、自由な事業活動や競争上の地位が損なわれるなど正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
職員の辞令 職員の辞令は、特定の個人の職名や給与の決定等処遇に関する情報であり、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
「結果報告書」のうち法人の印影 本件印影は、特定社会福祉法人から提出された結果報告書に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  

「実地指導における是正又は改善を要する事項及びその措置状況について」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日

審査会で見分したところ、当該非公開部分には、本実地指導における書類審査や職員等からの聴取により確認された内容とそれらに対する指摘事項及びそれに対する対応策等の監査対象施設に関する具体的な情報が記載されている。
本実地指導は、法第70条の規定に基づく社会福祉事業を行う者に対する検査であるが、既述のとおり、検査における正確な事実を把握するためには、当該事業者の検査への協力が必要であると認められる。一方、検査に関する情報を公にすることにより、社会福祉事業を行う者から協力が得られなくなるという実施機関の主張は是認できる。
そうすると、仮にこれらの情報が公にされることになれば、今後、社会福祉事業を行う者が検査に対して非協力的又は消極的な態度をとり、その結果、検査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 
勤務予定表 審査会で見分したところ、当該文書には、職員の氏名、各日毎の行事予定、職員毎の勤務時間、出勤時間及び休暇の有無、理事長及び職員の行動予定並びに総合施設長の印影が記載されている。
当該文書は、理事長の検印欄が設けられていることからも明らかなように、特定社会福祉法人の理事長が施設に勤務する職員の月毎の勤務体制等の管理・確認のために作成した、当該法人の内部でのみ使用されるべきものである。このような当該法人が運営する施設の勤務体制その他施設運営に係る詳細な情報が公にされた場合、当該法人の自由な事業活動や競争上の地位が損なわれるなど正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
 
従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表 審査会で見分したところ、当該文書には、職員の氏名、特定職員及び通常職員の各月毎の勤務体制及び勤務形態が記載されている。
これらの情報は、当該法人が運営する施設の職員の勤務体制等に関する情報であり、当該法人の運営等に係る当該法人特有の内部管理に関する情報である。これらの情報が公にされた場合、当該法人の自由な事業活動や競争上の地位などが損なわれるなど正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
 
(5)本件行政文書5
公開しない理由 審査会の判断 公開すべき部分
「起案理由」のうち監査理由別紙 審査会で見分したところ、「起案理由」のうち監査理由には、施設の運営等に関する具体的な情報が記載されており、別紙は、監査理由に記載された内容の個別具体的な資料である。
これらは、実施機関が監査を実施する端緒となった監査が実施される前の当初の情報であり、その内容等については、実施される監査により調査、検証され、その真偽等が明らかとなる情報である。このような不確実な情報が公にされた場合、施設の運営等について誤った憶測をよぶなど特定社会福祉法人の信用や社会的評価が損なわれ正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
 
(6)本件行政文書6
公開しない理由 審査会の判断 公開すべき部分
「起案理由」のうち対応者 審査会で見分したところ、実施機関が非公開としたのは、本監査に対応した職員の氏名及び職名であり、これらは個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
勤務予定表 審査会で見分したところ、当該文書には、職員の氏名、各日毎の行事予定、職員毎の勤務時間、出勤時間及び休暇の有無並びに理事長及び職員の行動予定が記載されている。
当該文書は、理事長の検印欄が設けられていることからも明らかなように、特定社会福祉法人の理事長が施設に勤務する職員の月毎の勤務体制等の管理・確認のために作成した、当該法人の内部でのみ使用されるべきものである。このような当該法人が運営する施設の勤務体制その他施設運営に係る詳細な情報が公にされた場合、当該法人の自由な事業活動や競争上の地位が損なわれるなど正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
 

「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果通知の別紙)のうち是正又は改善を要する事項

審査会で見分したところ、当該非公開部分には、本監査における書類審査や職員等からの聴取により確認された内容とそれらに対する指摘事項等の監査対象施設に関する具体的な情報が記載されている。
本監査は、法第70条の規定に基づく社会福祉事業を行う者に対する検査であるが、既述のとおり、検査における正確な事実を把握するためには、当該事業者の検査への協力が必要であると認められる。一方、検査に関する情報を公にすることにより、社会福祉事業を行う者から協力が得られなくなるという実施機関の主張は是認できる。
そうすると、仮にこれらの情報が公にされることになれば、今後、社会福祉事業を行う者が検査に対して非協力的又は消極的な態度をとり、その結果、検査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 
  • 「起案理由」のうち監査理由 「監査の概要」のうち監査理由、確認書類、聞取り調査の相手方及び確認内容
  • 監査の内容がわかる文書
審査会で見分したところ、当該非公開部分のうち、「起案理由」のうち監査理由には、施設の運営等に関する具体的な情報が記載されている。
これは、実施機関が監査を実施する端緒となった監査が実施される前の当初の情報であり、その内容等については、実施された監査により調査、検証され、その真偽等が明らかとなった情報である。このような不確実な情報が公にされた場合、施設の運営等について誤った憶測をよぶなど特定社会福祉法人の信用や社会的評価が損なわれ正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。
非公開部分のうち、「監査の概要」のうち監査理由、確認書類及び確認内容は、「起案理由」に記載された監査理由の個別具体的な内容及び監査における書類審査や職員等からの聴取により収集された施設に関する詳細な情報であり、監査の内容が分かる文書は、それらの情報に関する個別具体の資料である。また、「監査の概要」のうち聞取り調査の相手方は、実施機関以外の機関の職員の氏名、職名及び所属の名称であり、本監査に関して実施機関がどのような機関から聞取り調査を行ったかが明らかとなる情報である。
本監査は、法第70条の規定に基づく社会福祉事業を行う者に対する検査であるが、既述のとおり、検査における正確な事実を把握するためには、当該事業者の検査への協力が必要であると認められる。一方、検査に関する情報を公にすることにより、社会福祉事業を行う者から協力が得られなくなるという実施機関の主張は是認できる。
そうすると、仮にこれらの情報が公にされることになれば、今後、社会福祉事業を行う者が検査に対して非協力的又は消極的な態度をとり、その結果、検査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 
「結果報告書」のうち法人の印影 本件印影は、特定社会福祉法人から提出された指導監査の結果報告書に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  

「監査における是正又は改善を要する事項及び措置状況」(結果報告書の別紙)のうち是正又は改善を要する事項、是正又は改善を要する事項に係る措置状況及び是正・改善年月日

審査会で見分したところ、当該非公開部分には、本監査における書類審査や職員等からの聴取により確認された内容とそれらに対する指摘事項等及びそれに対する対応策等の監査対象施設に関する具体的な情報が記載されている。
本監査は、法第70条の規定に基づく社会福祉事業を行う者に対する検査であるが、既述のとおり、検査における正確な事実を把握するためには、当該事業者の検査への協力が必要であると認められる。一方、検査に関する情報を公にすることにより、社会福祉事業を行う者から協力が得られなくなるという実施機関の主張は是認できる。
そうすると、仮にこれらの情報が公にされることになれば、今後、社会福祉事業を行う者が検査に対して非協力的又は消極的な態度をとり、その結果、検査における適正かつ公正な評価や判断の前提として正確な事実を把握することが困難になるなど、検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、条例第7条第4号に該当すると判断される。
 

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