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公開日:2007年12月26日

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平成19年12月26日 答申第455号(香川県情報公開審査会答申)

平成19年12月26日(答申第455号)

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が行った公開決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成19年8月8日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求(以下「本件公開請求」という。)を行った。

  • (1)香川県内の各土地改良区の「役員選任規程」の全部
  • (2)農林水産省(旧農林省を含む。)の編集、監修又は作成した「役員選任規程」に関する一切の解説を記載した一切の文書

2 実施機関の決定

実施機関は、公開請求のあった行政文書として、本件公開請求の(1)については、次の行政文書(以下「本件行政文書(a)ないし本件行政文書(d)」という。)を特定した。

  • (a)A土地改良区役員選任規程
  • (b)B土地改良区役員選任規程
  • (c)C土地改良区役員選任規程
  • (d)D土地改良区役員選任規程

また、本件公開請求の(2)については、土地改良区役員選任規程例(以下「本件行政文書(e)」という。)を特定し、いずれも平成19年8月21日付けで本件処分を行い、異議申立人に通知した。

3 異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、平成19年8月24日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

1 異議申立ての趣旨

「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 異議申立ての理由

異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、香川県の情報公開条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をすべきである。
  • (2)本件「決定通知書」の形式は全部公開としているが、虚偽の記載である。本件公開請求の(2)については、既に本件異議申立人が開示を受けたことのある「わかりやすい土地改良区の実務」とか、「土地改良区の実務必携」等を開示していないのである。

第4 実施機関の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。
農林水産省(旧農林省を含む。)の編集、監修又は作成した「役員選任規程」に関する一切の解説を記載した一切の文書で香川県知事において保有しているものは、本件行政文書(e)のみであることから、当該行政文書を特定し、本件処分をしたものである。
異議申立人が開示を受けたと主張する「わかりやすい土地改良区の実務」及び「土地改良区の実務必携」については、農林水産省(旧農林省を含む。)の編集、監修又は作成したものでないことから、本件公開請求の(2)の行政文書には該当しないものと判断した。また、本件行政文書(e)以外には、該当する行政文書は存在しない。
よって、本件公開請求の(2)について本件行政文書(e)を公開した本件処分は、適法かつ妥当である。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。

2 本件行政文書の内容等について

土地改良区の役員(理事、監事)の選出方法は、土地改良法(昭和24年法律第195号)第16条により定款の必要記載事項であり、その選出方法には、総会又は総代会における選挙及び総会外選挙並びに総会又は総代会における選任の三つの方法があるが、定款でいずれか一つの方法を定めなければならず、本件行政文書(e)である土地改良区役員選任規程例は、総会又は総代会における役員選任の方法を定めた定款附属書の規程例であり、それに基づき各土地改良区が制定している土地改良区役員選任規程のうち、本庁の土地改良課が保有しているものが、本件行政文書(a)ないし本件行政文書(d)である。

3 本件処分における行政文書の特定の妥当性について

  • (1)本件公開請求の(1)について
    実施機関に本件公開請求の(1)についての行政文書として本件行政文書(a)ないし本件行政文書(d)を特定した説明を求めると、「土地改良区役員選任規程は定款の附属書であり、香川県事務決裁規程(昭和44年訓令第2号)及び香川県出先機関事務決裁規則(昭和44年規則第5号)により、土地改良区の設立認可は本庁の農政水産部長に、定款変更の認可は土地改良事務所長に決裁権限が委任されている。このため、設立認可申請に係る土地改良区役員選任規程は、本庁の土地改良課で事務処理し保有しているが、その後に変更のあった土地改良区の役員選任規程は、各土地改良事務所で事務処理し保有している。したがって、現在認可している土地改良区役員選任規程で本庁の土地改良課が保有しているものは、土地改良区の設立認可申請後変更していない本件行政文書(b)ないし本件行政文書(d)、及び事務の都合上、東讃土地改良事務所から送付させた本件行政文書(a)のみである。」とのことである。
    この実施機関の説明に不自然な点があるとは認められず、本件行政文書(a)ないし本件行政文書(d)以外に本件公開請求の(1)についての行政文書があることを推認させる特段の事情もなく、異議申立人もその存在をうかがわせる具体的な主張をしていない。
    したがって、実施機関が、本件公開請求の(1)についての行政文書として、本件行政文書(a)ないし本件行政文書(d)を特定した公開決定は、妥当であると判断される。
  • (2)本件公開請求の(2)について
    本件公開請求の(2)の「農林水産省(旧農林省を含む。)の編集、監修又は作成した「役員選任規程」に関する一切の解説を記載した一切の文書」について、実施機関が特定した本件行政文書(e)は、農林水産省の出先機関である中国四国農政局が、平成19年度管内土地改良区等検査担当職員研修で配布した資料の一部であるので、農林水産省が作成した文書であるのは明らかであること、また、審査会で当該研修の配布資料を見分したところ、土地改良区役員選任規程に関する解説を記載した文書は、本件行政文書(e)のみであることが確認された。
    次に、異議申立人は、「既に開示を受けたことのある「わかりやすい土地改良区の実務」とか、「土地改良区の実務必携」等を開示していないのである。」と主張しているので、このことについて検討する。これらの冊子等について実施機関に説明を求めたところ、「請求内容に関連する行政文書として、「わかりやすい土地改良区の実務」及び「土地改良区の実務必携」の他に「土地改良の手引き」があるが、「わかりやすい土地改良区の実務」及び「土地改良の手引き」は、表紙に記載しているとおり香川県土地改良課が作成した冊子であり、農林水産省が編集、監修又は作成したものではない。また、「土地改良区の実務必携」にも、農林水産省が編集、監修又は作成したことを示す文言は書かれておらず、それをうかがわせるような記載もなく、関係機関に確認したところ農林水産省が編集、監修又は作成したものとは認められなかった。このため、これらの冊子等は、本件公開請求の(2)についての行政文書には該当しないと考えている。」とのことであった。
    審査会でこれらの冊子等を見分したところ、この実施機関の説明に不自然な点があるとは認められず、本件行政文書(e)以外に本件公開請求の(2)についての行政文書があることを推認させる特段の事情もなく、異議申立人もこれらの冊子等以外にその存在をうかがわせる具体的な主張をしていない。
    したがって、実施機関が、本件公開請求の(2)についての行政文書として、本件行政文書(e)を特定した公開決定は、妥当であると判断される。
    よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

第6 審査会の審査経過

当審査会は、本件諮問事件について、次のとおり審査を行った。

(省略)

401号~450号 451号~500号 501号~

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