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答申
香川県東讃土地改良事務所長(以下「処分庁」という。)が一部公開決定(以下「本件処分」という。)により非公開とした部分のうち、別表3の「公開すべき部分」に掲げる部分については、公開すべきである。
審査請求人は、平成21年12月7日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、処分庁に対し、「特定土地改良区の定款、規約及びその変更に係る申請文書とその認可の文書(又は届けの文書)の全部」について行政文書の公開請求を行った。
処分庁は、公開請求のあった行政文書として、別表1に掲げる行政文書(以下「本件行政文書」という。)を特定し、別表2の「公開しない部分」が「公開しない理由」に該当するとして、平成21年12月21日付けで本件処分を行い、審査請求人に通知した。
審査請求人は、本件処分を不服として、平成22年1月12日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により香川県知事(以下「諮問庁」という。)に対して審査請求を行った。
「本件処分を取り消すとの裁決を求める」というものである。
審査請求書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。
非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。
条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
本件行政文書は、特定土地改良区から提出された定款変更届、規約変更届並びに定款変更の認可及び公告した際の起案文書であり、総代会の議事録等が添付されている。
次に掲げる各非公開条項についての基本的な考え方に基づき、別表3のとおり判断する。
条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。
よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
当審査会は、本件諮問事件について、次のとおり審査を行った。
(省略)
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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土地改良区理事長の印影 | 条例第7条第2号該当 法人が公開の範囲を一定のものに限定している内部管理に関する情報で、公にすることにより、法人の正当な利益を害するおそれがあるため。 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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土地改良区理事長の印影 | 条例第7条第2号該当 法人が公開の範囲を一定のものに限定している内部管理に関する情報で、公にすることにより、法人の正当な利益を害するおそれがあるため。 |
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条例第7条第1号該当 個人に関する情報であり、特定の個人が識別されるため。 |
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条例第7条第1号該当 個人の過去の行動、言動又は心情に関する部分であり、個人の権利利益を害するおそれがあるため。 |
「平成13年度通常総代会議事録」における
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条例第7条第2号該当 当該法人の収入に係る内部管理に関する部分であり、公にすることにより、当該法人の正当な利益を害するおそれがあるため。 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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土地改良区理事長の印影 | 条例第7条第2号該当 法人が公開の範囲を一定のものに限定している内部管理に関する情報で、公にすることにより、法人の正当な利益を害するおそれがあるため。 |
「平成20年度通常総代会議案」における個人の印影 | 条例第7条第1号該当 個人に関する情報であって、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるため。 |
「平成20年度通常総代会議案」における
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条例第7条第2号該当 法人の運営方針、経理及び事業等の内部管理に関する情報で、公にすることにより、当該法人の自由な事業活動や正当な利益を害するおそれがあるため。 |
「平成20年度通常総代会議案」における第14号議案(字名、地番、面積、転用面積及び所有者の欄を除く) | 条例第7条第2号該当 法人の経営方針、事業等の内部管理に関する情報であり、公にすることにより、当該法人の自由な事業活動や正当な利益を害するおそれがあるため。 |
「平成20年度通常総代会議事録」における個人の氏名(公開される部分を除く)、印影 | 条例第7条第1号該当 個人に関する情報であり、特定の個人が識別されるため。 |
「平成20年度通常総代会議事録」における7ページ目19行目から8ページ目20行目まで | 条例第7条第2号該当 法人の運営等にかかる内部管理に関する情報であり、公にすることにより、当該法人の自由な事業活動や正当な利益を害するおそれがあるため。 土地改良区の検査に関する情報であり、公にすることにより、県の検査にかかる事務の適正な執行に支障を及ぼすおそれがあるため。 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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土地改良区理事長の印影 | 条例第7条第2号該当 法人が公開の範囲を一定のものに限定している内部管理に関する情報で、公にすることにより、法人の正当な利益を害するおそれがあるため。 |
「平成15年度臨時総代会議事録」における個人の氏名及び個人が特定される地区名、役職名(ただし公開される部分を除く。)議長及び議事録署名人の署名、印影 |
条例第7条第1号該当 個人に関する情報であり、特定の個人が識別されるため。 |
「平成15年度臨時総代会議事録」における
|
条例第7条第1号該当 個人の過去の行動、言動又は心情に関する部分であり、個人の権利利益を害するおそれがあるため。 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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土地改良区理事長の印影 | 条例第7条第2号該当 法人が公開の範囲を一定のものに限定している内部管理に関する情報で、公にすることにより、法人の正当な利益を害するおそれがあるため。 |
「平成21年度通常総代会議事録」における 個人の氏名(ただし公開される部分を除く。) 議長及び議事録署名人の署名、印影 |
条例第7条第1号該当 個人に関する情報であり、特定の個人が識別されるため。 |
「平成21年度通常総代会議事録」における2ページ目31行目16字目から32行目34字目まで | 条例第7条第2号該当 法人の運営等にかかる内部管理に関する情報であり、公にすることにより、当該法人の自由な事業活動や正当な利益を害するおそれがあるため。 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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土地改良区理事長の印影 | 印影は、一般的に、法人等が事業活動を行う上での重要な内部管理に属する情報であり、このような情報を外部に対して明らかにするかどうかは、本来、法人等が自らの業務の関わりの中で自主的に決定すべきことであり、法人等は、公開すべき相手方を限定する利益を有しているというべきである。 しかしながら、このような情報であっても、当該法人等がそのような管理をしていないと認められる場合などには、これが公開されても、当該法人等の正当な利益を害するものとは認められない。 本件処分により非公開とされた印影は、特定土地改良区から提出された定款変更届に押印されているものであり、当該法人がこのような文書を提出する相手方は、処分庁等に限定されていると考えられる。 すなわち、本件印影はいずれも当該法人が真正かつ真意に基づいて作成した文書であることを示す機能を有する性質のものであるとともに、特定の書類に限定して用いられ、当該法人においてむやみに公にしていないものと認められることから、公にした場合には、当該法人の各種書類の偽造等に悪用されるなどが考えられる。 よって、本件印影は、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく、本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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土地改良区理事長の印影 | 本件印影は、特定土地改良区から提出された定款変更認可申請書に押印されているもの及び当該申請書に添付された議事録が原本と相違ないことを証明するために押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
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審査会で見分したところ、処分庁が非公開としたのは、総代会出席者、発言者、理事長、副理事長、議長、書記、議事録署名人、推薦委員等の氏名、個人の所属名並びに議長及び議事録署名人の署名、印影であった。 このうち個人の所属名については、これを公開しても、その情報から特定の個人を識別することはできないと考えられるため、条例第7条第1号には該当しないと判断される。 しかし、これら以外については、いずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当すると判断される。 次に、ただし書の該当性について検討する。 理事長の氏名については、「香川県土地改良区(連合)名簿」で一般に公開されていることから、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報と認められ、ただし書アに該当すると判断される。 その他の部分については、ただし書のいずれにも該当しないと判断される。 |
理事長の氏名及び個人の所属名 |
「平成13年度通常総代会議事録」の
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審査会で見分したところ、当該非公開部分には、個人の過去の行動、言動及び心情に関する情報が記載されていることが確認された。 これは、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであり、たとえ氏名などの個人が識別される部分を除いたとしても、公にすることにより当該個人の権利利益を害するおそれがあることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
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「平成13年度通常総代会議事録」の
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審査会で見分したところ、当該非公開部分には、当該法人の収入状況を表す具体的な金額及び収入状況に関する改善案など内部管理に属する情報が記載されており、これを当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の財務状況が推測されること、また、当該法人と契約関係にある相手方との信頼関係を損ない、円滑な方策を取れなくなるおそれがあることなど、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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土地改良区理事長の印影 | 本件印影は、特定土地改良区から提出された定款変更認可申請書に押印されているもの及び当該申請書に添付された議事録が原本と相違ないことを証明するために押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
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審査会で見分したところ、処分庁が非公開としたのは、総代会出席者、発言者、副理事長、議長、書記、議事録署名人等の氏名、個人の印影並びに議長及び議事録署名人の署名、印影であった。 これらは、いずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
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審査会で見分したところ、当該非公開部分には、当該法人の資金調達、経費の収支予算・決算、取引先、財産等に関する情報など内部管理に属する情報が記載されており、これを当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の財政状況が推測されるなど、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
「平成20年度通常総代会議事録」の7ページ目19行目から8ページ目20行目まで | 審査会で見分したところ、当該非公開部分には、定款変更議案に関する質疑応答が記載されていることが確認された。 これは、役員定数の変更内容や定款変更に至った詳細な理由など、当該法人の運営上の内部管理に属する情報であり、これを当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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土地改良区理事長の印影 | 本件印影は、特定土地改良区から提出された規約変更届に押印されているもの及び当該届に添付された議事録が原本と相違ないことを証明するために押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
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審査会で見分したところ、処分庁が非公開としたのは、総代会出席者、発言者、副理事長、議長、議事録署名人、書記及び開票立会人の氏名、個人の地区名、所属名及び役職名並びに議長及び議事録署名人の署名、印影であった。 このうち個人の地区名、所属名及び役職名については、これを公開しても、その情報から特定の個人を識別することはできないと考えられるため、条例第7条第1号には該当しないと判断される。 しかし、これら以外の情報については、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
個人の地区名、所属名及び役職名 |
「平成15年度臨時総代会議事録」の
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審査会で見分したところ、当該非公開部分には、個人の過去の行動、言動及び心情に関する情報が記載されていることが確認された。 これは、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであり、たとえ氏名などの個人が識別される部分を除いたとしても、公にすることにより当該個人の権利利益を害するおそれがあることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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土地改良区理事長の印影 | 本件印影は、特定土地改良区から提出された規約変更届に押印されているもの及び当該届に添付された議事録が原本と相違ないことを証明するために押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
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審査会で見分したところ、処分庁が非公開としたのは、総代会出席者、発言者、副理事長、議長、議事録署名人、書記等の氏名並びに議長及び議事録署名人の署名、印影であった。 これらは、いずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
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「平成21年度通常総代会議事録」の2ページ目31行目16字目から32行目34字目まで |
審査会で見分したところ、当該非公開部分には、当該法人の賦課金徴収に係る内部管理に属する情報が記載されており、これを当該法人の事業活動に関わりなく条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
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