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公開日:2024年5月22日

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知事記者会見 令和6年5月20日(月曜日)

知事記者会見録

  • 日時:令和6年5月20日(月曜日)11時00分から11時30分
  • 場所:香川県庁本館9階 県政記者室
  • 作成:広聴広報課

 


質問項目

1.四国遍路の活性化、世界遺産登録に向けた取組みについて
2.徳島県との協定について
3.四国新幹線について
4.香川県立アリーナのプレオープンイベントについて
5.経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2024に向けた政策提案・要望について
6.地方自治法の改正案(国の地方への指示権拡充)について
 

質問事項

幹事社:質問は2点あります。
1つ目は四国遍路の活性化、世界遺産に向けた取組みについてです。四国遍路文化の活性化を行うNPO法人など3団体が先日、県庁の方で「『四国遍路のありたい姿』とその実現に向けた取組み」と題したとりまとめを発表しました。四国遍路については世界遺産登録についても各団体が取り組んでいらっしゃいますが、県として遍路の活性化や世界遺産登録に向けて行っている取組み、今後行う予定の取組みがあればお伺いしたいです。
2点目が徳島県との協定についてです。香川県および徳島県産木材の利用促進に関する協定を本日午後、徳島県や民間事業者と結ぶと聞いております。これについて協定締結の狙いや期待感を伺いたいです。また、徳島県知事と会合するにあたり、協定以外、たとえば四国や香川・徳島に関わる共通の課題などについて話し合う予定があれば伺いたいです。

知事: 今2点いただきました。1点目は四国遍路に関係してのご質問がございました。現在、四国遍路の活性化、そして世界遺産登録に向けて取組みを加速しております。
具体的には3つございまして、1つは、この世界遺産登録には「資産の保護措置」をしっかり整えていかなければならないということであります。これは四国遍路で言いますと、88のお寺、そして遍路道、こういったものが守るべき対象になりますが、それを具体的に守るために、文化財保護法に基づいた文化財指定がされるということが重要になってまいります。こういったものを現状よりもさらに文化財指定を進めていくということで、それぞれのお寺の市町、そしてお寺の管理者と協議を加速して進めているところでございます。
それから2つ目は「普遍的価値の証明」というものなのですけれども、この四国遍路の文化遺産的な価値が確定されることが重要で、これは学術的な観点から今、とりまとめを行っていただいておりまして、大分とりまとめについては進捗しているところでございます。
それからもう1つは、「地域コミュニティの積極的な参画」ができている状況かどうかというのが問われておりまして、これはいわゆる世界遺産というのは、まずは守るということを次世代につなぐということですので、守ろうという機運が醸成されていると、そういう受け皿があるということがきちんと客観的に見えるということであります。この点については、1つは先日も「一日一斉おもてなし遍路道ウォーク」というものがございましたけれども、私も参加しましたが、一昨年5,000人の参加だったものが、今年度から登録は9,000人以上で、当日雨で7,500人ぐらいになったようですけれども、そういったことで年々、お遍路を守っていこうという、そういう機運を醸成しているところだと思います。
そして今後もその3点の課題について、しっかり取り組んでいくことになるのですけれども、一方で、世界文化遺産は国内では文化庁が所管をしておりまして、最終的にはユネスコで登録されなければならないわけですけれども、まず世界遺産になるための国内候補というものを取りまとめた暫定一覧表というのは文化庁が作っておりまして、それにまずはこの一覧表に四国遍路を載せないといけないわけです。今年の4月に文化庁の方で文化審議会世界文化遺産部会にワーキンググループが設置をされました。この設置の趣旨によりますと、今後の我が国の世界文化遺産の候補として暫定一覧表に記載することが適当と考えられる資産の具体的な検討を行うためにこのワーキンググループを設置するということでございます。いよいよ次に暫定一覧表を検討する段階になったということかと理解をしておりますので、これまでも文化庁の方に働きかけておりましたが、今後は、より加速をして四国4県で連携をして、この世界遺産登録に向けて、まずは暫定一覧表への追加記載に向けて取り組んでいきたいと考えております。
それから次に徳島県との協定の関係のご質問がございました。今回は、本県の香川県産ヒノキ、それと徳島県産のスギ、これを重ね合わせて集成材を作ることがこれから活発になる状況でございます。先日私もその工場を見てまいりましたけれども、この集成材というのは、以前は一本の木に比べてちょっと性能が落ちると言われた時期がありましたけれども、今この木と木を貼り合わせるところの糊、接着剤、この技術が大幅に進展をして非常に接着性がよい、そういう状況ですので、木によってはと言いますか、一般的には、こういった集成材の方がいわゆる強度とかそういったものの安定性もあって、優れているというものも多くなってきていると、この間工場を見に行ったときも説明を受けました。そういう状況の中で香川県産ヒノキと徳島県産のスギの集成材による住宅用を中心にしたいろいろな柱ですとか梁ですとか、こういったものをこれからたくさん生産して販売できるのではないかなと見通しております。今回、徳島県知事もみえて、香川県の大倉工業株式会社と徳島のナイス株式会社がそういったそれぞれの木から製品を作るということを今後進めていこうということに香川県と徳島県が参加して4者の連携協定を今日午後、結ぶ予定にしております。今後そういった利用を進めるには、山から安定してヒノキ、スギを伐りだしてくる必要がございますし、さらに集成材をどんどん香川県、徳島県中心に使っていくことが重要になります。その間に、ナイス、大倉工業がおられるわけですけれども、伐り出す方、使う方、こういったところをしっかり両県でサポートをして、一連の流れが確立するようにしようという、そういう狙いで連携協定を結ぶものでございます。こういった連携協定のこともあって今のような流れが大きくなってきますと、林業の振興につながりますし、また林業が振興されて森がいい循環になるということは防災上も大きな効果があるということで、いろいろな公益的な価値があると思いますのでしっかり今後も取り組んでいければと思います。そして、その後徳島県知事と意見交換をする予定にしていますが、具体的なものとしては先ほど言いました四国遍路の世界遺産登録に向けた、まずは文化庁への働きかけを一緒に加速しましょうというようなお話などはしていきたいと考えております。
以上でございます。

記者:四国遍路についてですけれども、先日、各団体がまとめられた取組みについての受け止めをまずお聞かせください。

知事:各団体は先週、県庁で発表された3団体のことだと理解しますけれども、先日の発表でもいろいろな社会状況の中でお遍路を回られる方が長期的に見ると少しずつ減ってきているというような状況が示されました。四国遍路という文化的な価値は今後長くつないでいかないといけないものであります。そういう中で巡礼の方が減っているということは残念なことですし、守るという意味でも大きな課題になると思いますので、そういった巡礼者を今後増やしていく上でも、この世界遺産登録は急がれるのではないかなと先週の発表を聞いて受け止めております。
 
記者:その記者レクの中で団体の関係者の方が、行政との連携というものに記載しているというような発言をされました。それについて受け止めはありますか。

知事:まずは、世界遺産登録は行政が主導的に動かないと実現できませんので、それに対しての大きな期待があると思います。それにも関連しますけれども、お遍路道の道案内ですとか危険箇所の改善ですとか、そういった点は行政でも取り組んでいかないといけない、遍路の文化を伸ばすためには、そういうハードの面でも行政で取り組んでいかないといけない分野も多く、そういった期待もあるのではないかなと思います。

記者:徳島県に関してですが、昨年徳島県知事が四国新幹線について方針転換を表明したことで局面の進展があったと思いますが、四国新幹線の現在の事務方レベルも含めた調整の進捗状況とその後の機運の高まりについて、どのように受け止めていらっしゃいますか。

知事:1つは、昨年、徳島県知事の瀬戸大橋ルートを優先することでいいのではないかということが新しい局面の1つになったと思います。そしてもう1つの大きい要因は、国土交通省の方で、政府全体に最終的にはなりますけど、令和6年度予算に向けての骨太方針の中に、政府として、基本計画路線、これは四国だけではありませんけれども、基本計画路線について調査を進めるということが初めて書かれたということで、国が主体になって調査を進めるということ、この2つが大きな局面展開になったと思います。現在ですけれども、まずは、そういった2つの内容も踏まえて四国4県の県民レベルでも関心、早くという機運が高まりつつあると思います。そういったものを形にするために、四経連の会長が会長になっております四国新幹線の期成会の方でも署名を始めようということで今、動きが始まりました。それから、国の調査については年度末にとりあえず6年度分の調査結果が出ておりまして、四国を念頭に置いたような内容も含まれております。今後は、ぜひそういった調査をさらに継続、深化させて、次に、整備計画路線に早く上げないといけない、そのために法定調査というような段階がありますが、それに1日も早く上げていただくように、4県連携して取り組んでいきたいと思います。

記者:面会の中で、その辺の認識の共有というものを確認されるようなことはあるのでしょうか。
 
知事:ぜひ、時間にもよりますけれども、そうしたいと思います。

記者:幹事社質問の中にありました、4者協定の関係でお伺いします。今回基本的に一連のサイクルの中での生産ですとか流通のところでの連携がメインになる協定かと思うのですけれども、一方で県産材の需要そのもの、住宅への利用促進等々、今、ヒノキ材の住宅補助をやられているとは思うのですけれども、今後、生活者、一般市民がその活用にあたっての補助ですとかその需要喚起策についての現時点でお考えがあれば伺いたいです。

知事:今行っているもの以上の県産材を使用した場合の経済的助成というのは今の時点では具体的にはございません。一方で県産材の競争力は、いろいろな世界経済の状況もあって、いわゆる円安ですとか全体の木材市況とか、そういうこともあって、現在は十分外材と比べても競争力を有していると森林組合の方からも聞いております。そういう中で、しっかりとこの県産材、また徳島県と合わせた集成材、そういったものをPRしていくことについては、より加速して行いたいと思います。香川県のヒノキが阿讃山脈の北側で育っているということで、ゆっくり育っている、ある意味過酷な北側斜面で育って木目が密であって強度が強い、それとヒノキ独特のいわゆるいい香りが強い、そういう特徴がありますので、まだまだブランド化までいけていませんが、そういうブランド化もあわせて進めていきたいと思います。

記者:すみません、私どちらかと言うと地産地消の文脈の中でさっきの協定を聞いてしまっていたのですけど、集成材とかの県外への発信というか輸出的なものも念頭に今回、さらに競争力を高めていければということですか。

知事:輸出ということはちょっとまだ念頭にないですが、国内への住宅材としての展開、先ほど言いました香川ヒノキというものをもっともっと性能の良さを売り出していきたいと思います。

記者:昨日、県立アリーナのプレオープンイベントの中でプロモーション動画を公開されたと思うのですけれども、ご覧になった知事のご感想と今後の機運醸成に向けてプロモーション動画をどのように活用していきたいかを一言頂戴できますでしょうか。

知事:アリーナの動画作成の意図は、1つは、昨日も(県立アリーナを)初めて見たというお子さんもいましたけれども、まず壮観な外観であるアリーナを知ってもらいたい、そして、これまでできなかったどんなことを行うことができるのか、1万人規模のコンサートができるわけですけれども、そういうことを知ってもらいたい、この2つがあって作ったところでございます。内容的にはインパクトのある内容になっているのではないかと思いますので、ぜひ、これからもいろいろな場面で活用して多くの方に知ってもらいたいと思います。香川県の方にまず知ってもらう必要があるのですけれども、さらに全国、世界でもあの外観はなかなかないというお話をいろいろな方からされますので、チャンスを作って世界発信をして、香川のアリーナを日本に来たら見に行こうというようになるようにしていきたいなと思います。

記者:関連の質問でありまして、まず四国遍路の件で、四国4県と連携して文化庁への働きかけを強めていきたいということなのですけれども、香川県として今後、例えば新しいこういう政策をやりますとか予算を増やしますとか、そういった話はあるのでしょうか。

知事:まず、先ほど3点ございました遺産登録に向けてのポイントになる資産の保護措置という、これは守られるように目に見える形で、仕組みの形でということで一番の典型は文化財指定というのがあります。これがまだできていないお寺がありますので、今追加で指定するように急いでいます。県と市町が一緒になって、お寺の方の了解を得ながら文化庁指定を急いでいるという、これに一番力を入れております。それと、機運醸成に向けても民間団体が力を入れてやっていただいていますけれども、これまで以上に、そういった運動への協力を拡大していきたいと思います。

記者:お寺の文化財指定についてなのですが、指定に向けて課題とかあったりするのでしょうか。

知事:文化財として価値があるかどうかというのをまとめないといけない。これがかなり大掛かりなとりまとめになりますので、それをやり遂げる。そして文化財指定になりますと、お寺の方でできないことも増えますし、やらないといけないことも増えます。こういったものに対して、まずはお寺の理解は求める、それから、指定後に向けてのサポート体制を作っていく、こういったところが課題になります。

記者:次に、先日リリースがありましたけれども、骨太方針に向けて政策提案を今度東京で行うということですが、テーマの方を子育て支援政策の充実強化とか、国土強靱化の推進と挙げられていますが、要望内容としては具体的にどういったものになるのでしょうか。

知事:県政全般にわたりますので、ここですべてをお話しするのは時間的に難しいのですが、私がよく言っている3本の柱で申しますと、子育て政策については国の方で方向が出てきておりますけれども、1つは育児休暇に向けて28日分の給与の全額補填ができるような措置をするという方針が出ていますが、それの早期着実な実施と、できたらもう少し伸ばしていくこと。
それから経済的ないろいろな支援方策も国の方の展開がされていますけれども、例えば医療費について今、自治体が中心なって無料に、香川県も県と市で分担して(無料化を)やっていますけれども、できるだけ早期に国で措置をしてもらいたい。
それから産業政策については、先日の消滅可能性都市のときにも話題になっていました、先週の宮崎サミットでも一番のポイントになっていましたが、国策としての東京一極集中の反転、分散型国土の展開、これがないと少子化は打破できない。そういう中で、特に東京一極集中の打破に向けては企業の地方展開が大きなポイントになると思っております。香川県もそこに力入れております。先日のハイレゾ社の立地に向けて、国の助成金をいただくことになりました。あのような助成金そして地方へ移転する場合の税制上の優遇措置、こういったものをもっと国策として抜本的に進めていただく、こういった内容がございます。
それからもう1つ、観光振興に向けてはインバウンドのさらなる増加に向けた国際線誘致に対しての支援ですとか、交通機関の充実に向けた支援ですとか、こういったものの強化などを求めていきたいと思います。

記者:要望の中で国土強靱化とありましたが、高松の環状道路とかも入ってくるのでしょうか。

知事:もちろんです。環状道路の早期着手に向けた国が今進めている作業の早期終結を求めていきたいと思います。国土強靱化に向けては、今、加速化5ヵ年計画が進んでおりまして、来年度が最終年度ですけれども、4年間で、これまで前倒しに実施した関係で85%が実施されて、残り15%になっておりまして、このままだとペースが落ちることになるので、次の5ヵ年を来年度からスタートしたものにしてもらいたいという要望を、今週も国土強靱化の担当大臣にお願いしたいと思いますし、6月にもまたお願いしたいと思っております。

記者:先週の会見でもお伺いしたかと思うのですが、地方自治法の改正が今審議されておりますけれども、知事会からも事前の指示を行う場合には事前の協議を求めるという提言がされています。そういった中で、改めて知事の受け止めをお願いします。

知事:新型コロナ対応などで国民の生命、安全を守るための国と県との役割分担が話題になりました。今後も起こりうる想定の事態に万全を期する観点で、今回の地方自治法の改正の必要性は理解するものでございます。一方で、地方自治の本旨、そして、これまでの過去の分権改革によって実現した国と地方の対等な関係、こういったものは非常に大切なことですので、これが損なわれることのないように、今後この法律の運用に当たりまして、今おっしゃられた事前の協議などがしっかりと行われるようにきちんと見て、知事会全体としても必要な意見を引き続き言っていきたいと思います。
 

以上

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