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公開日:2019年12月27日

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平成19年10月17日 答申第443号(香川県情報公開審査会答申)

平成19年10月17日 答申第443号

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が行った非公開決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成13年4月14日付けで、香川県情報公開条例(平成12年条例第54号。以下「新条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容に関する行政文書の公開請求を行った。

  • (1)高松港F地区9号岸壁及びH-2-17野積場の使用に関して平成12年度中に香川県に提出された係留施設使用申請書その他の申請書類及びその一切の添付資料
  • (2)上記1の各申請に係る船舶貨物の積み卸しを行った港湾荷役業者名の分かる資料
  • (3)平成12年度中のH-2-17野積場の使用状況に関して、使用者・使用期間・使用料・使用料支払方法・貨物の内容の分かる一切の資料
  • (4)平成13年3月20日頃に開始したH-2-17野積場の改修工事に関して、工事の目的、工事の費用、工事請負業者、工事発注担当課名、改修工事の必要性の分かる一切の資料
  • (5)香川県が港湾管理業務を委託している特定の団体との業務委託契約書その他の一切の契約書(平成8年度以降に有効なものに限る)
  • (6)H-2-17野積場に長期間放置されているホッパーの所有者に対する占用許可その他の使用許可に係る執行伺書、平成8年度以降の占有料等の収納状況の分かる一切の資料
  • (7)平成8年度以降の甲法人に対するF地区の野積場の占用許可その他の使用許可に係る執行伺書類及び当該占用許可その他の使用許可に係る占用料・使用料等の収納状況の分かる資料
  • (8)高松港F地区の野積場H-2-20、H-2-19、H-2-18、H-2-16、H-2-15に置かれている輸入木材の輸入者名(荷主名)の分かる資料
  • (9)高松港F地区の野積場H-2-18に長期間置かれている巨大な石(4ないし5個)の荷主及び当該石に係る野積場の占用許可その他の使用許可の各内容の分かる資料
  • (10)平成12年度中に高松港F地区全域において係留を許可した海砂運搬船及び採掘船の係留施設使用許可申請書及びその一切の添付資料
  • (11)平成8年度以降の甲法人に対する弦打港の埠頭及び野積場の占用許可その他の使用許可に係る執行伺書
  • (12)平成8年度以降の弦打港の係留施設の利用状況の分かる一切の資料
  • (13)弦打港貯木場及び同貯木の所有者・管理者の分かる資料、乙協同組合事務所所在場所及び代表者名の分かる資料(いずれも現在のもの)

2 実施機関の決定等

  • (1)実施機関は、平成13年4月27日付け13港湾第4372号で、上記1の請求に対応する行政文書が存在しないこと等を理由として非公開決定を行い、異議申立人に通知した。
  • (2)異議申立人は、平成13年5月3日付けで、(1)の処分を不服として行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対して異議申立てを行った。
  • (3)実施機関は、平成13年12月11日付け13港湾第25998号で、新条例第18条の規定により、審査会に諮問した。
  • (4)審査会は、平成17年7月1日付け答申第323号で、上記1の(12)について、「平成11年1月分から平成13年3月分の甲種港湾 船舶・旅客・貨物調査票(以下「本件行政文書」という。)」を請求対象行政文書として特定し、改めて公開又は非公開の判断を行うべきである旨を諮問庁に答申した。
  • (5)実施機関は、平成18年3月1日付け17港湾第58813号で、行政不服審査法第47条第3項の規定により、(1)のうち上記1の(12)に対する処分を取り消し、平成18年3月2日付け17港湾第59087号で本件行政文書を特定し、本件行政文書が新条例第7条第7号又は香川県公文書公開条例(昭和61年条例第30号。以下「旧条例」という。)第6条第9号に該当するとして本件処分を行い、異議申立人に通知した。

3 本件異議申立て

異議申立人は、本件処分を不服として、平成18年3月14日付けで行政不服審査法第6条の規定により、実施機関に対して本件異議申立てを行った。

第3 本件異議申立ての内容

1 本件異議申立ての趣旨

本件異議申立ての趣旨は、「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。

2 本件異議申立ての理由

異議申立人が異議申立書において主張している本件異議申立ての理由は、おおむね次のとおりである。

  • (1)本件処分は、新条例の解釈適用を誤った違法な処分であり、本件処分を取り消し、全部公開をすべきである。
  • (2)本件「決定通知書」の「公開しない理由」は、新条例の非公開事由に該当しない。
  • (3)本件「決定通知書」の「公開しない理由」には、適法に処分理由が明示されていないので、香川県行政手続条例第8条に違反し、本件処分は無効である。

第4 実施機関の説明要旨

実施機関が非公開理由等説明書において主張している内容は、おおむね次のとおりである。

1 本件行政文書の性格

本件行政文書は、港湾調査に係る文書である。港湾調査は、統計法(昭和22年法律第18号)第2条の規定に基づく指定統計(指定番号:指定統計第6号)であり、統計法第3条第2項の規定に基づき、港湾調査規則(昭和26年運輸省令第13号)で調査に必要な事項を定めている。
本件行政文書は、同規則第8条の規定に基づき国土交通大臣が告示で定めた調査票により、同規則第7条に定めた申告義務者から実施機関に申告されたものである。

2 新条例第7条第7号又は旧条例第6条第9号の該当性

統計法第15条第1項には、「何人も、指定統計を作成するために集められた調査票を、統計上の目的以外に使用してはならない」と規定されており、同条第2項には、「前項の規定は、総務大臣の承認を得て使用の目的を公示したものについては、これを適用しない」と定められている。
したがって、本件行政文書は、「法令等の定めるところにより公にすることができないとされている情報」であり、新条例第7条第7号又は旧条例第6条第9号に該当する。

第5 審査会の判断理由

1 判断における基本的な考え方について

新条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
なお、本件行政文書のうち、新条例の施行日である平成12年10月1日前に作成し、又は取得した旧条例第2条第1項に規定する公文書に該当する行政文書であって平成18年4月1日前の公開請求の対象となったものについては、新条例附則第3項の規定により、旧条例第6条各号の解釈、運用が適正であったか否かにより非公開情報の該当性について判断するものである。

2 本件行政文書の内容について

本件行政文書は、統計法第2条の規定に基づき、指定統計第6号として指定された港湾調査のための調査票のうち、平成11年1月分から平成13年3月分の甲種港湾に係る調査表であり、係留の場所や時間等の係留状況を含む入港船舶、船舶乗降人員、海上出入貨物の状況が記載されており、港湾調査規則第7条に定められている申告義務者から実施機関に申告されたものである。

3 新条例第7条第7号又は旧条例第6条第9号の該当性について

新条例第7条第7号は、法令等の定めるところ又は実施機関が法律上従う義務を有する各大臣その他国の機関の指示により、公にすることができないとされている情報が記録されている行政文書は、非公開とすることを定めたものであると解される。また、旧条例第6条第9号も基本的な考え方は同様と解される。
統計法第15条第1項には、「何人も、指定統計を作成するために集められた調査票を、統計上の目的以外に使用してはならない」と規定されており、同条第2項には、「前項の規定は、総務大臣の承認を得て使用の目的を公示したものについては、これを適用しない」と定められている。
本件行政文書は、統計法第2条に規定する指定統計の調査票であることから、同法第15条第1項の規定により、統計上の目的以外に使用することができない行政文書と認められる。
また、同条第2項に規定する「調査票の目的外使用に係る総務大臣の承認及び公示」については、使用目的が行政上の目的や学問研究の利用など公益性が高い場合など限定的な運用がなされており、審査会で調査したところ、本件行政文書については、総務大臣の承認等に関する手続きは行われていないことが確認された。
よって、本件行政文書は、法令等の定めるところにより、公にすることができないとされている情報と認められ、新条例第7条第7号又は旧条例第6条第9号に該当すると判断される。

4 第3の2の本件異議申立ての理由のうち(3)の理由について

新条例及び旧条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。

よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
(省略)

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