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答申
香川県知事(以下「実施機関」という。)が一部公開決定(以下「本件処分」という。)により非公開とした部分のうち、別表1の「公開すべき部分」に掲げる部分については、公開すべきである。
異議申立人は、平成15年10月6日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「新条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。
実施機関は、公開請求のあった行政文書として別表2に掲げる行政文書(以下「本件行政文書」という。)を特定し、別表3の「公開しない部分」が「公開しない理由」に該当するとして、平成15年10月21日付けで本件処分を行い、異議申立人に通知した。
異議申立人は、本件処分を不服として、平成15年10月23日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。
「本件処分を取り消すとの裁決を求める」というものである。
異議申立書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。
非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。
旧条例第6条第1号においては、個人に関する情報で、特定の個人が識別され得るものが記録されている公文書は公開しないことができると規定されている。
また、新条例第7条第1号本文においては、個人に関する情報であって当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものは、公開しないことができると規定されている。
個人の尊厳及び基本的人権の尊重の立場から、個人のプライバシーを最大限に保護するため個人のプライバシーに関する情報であると明らかに判別できる場合はもとより、個人のプライバシーに関する情報であるかどうか不明確である場合も含めて、個人に関する情報は非公開を原則としている。
旧条例第6条第2号本文においては、法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報で、公開することにより、当該法人等又は個人に不利益を与えることが明らかであると認められるものは、公開しないことができると規定されている。
また、新条例第7条第2号本文においては、法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものは、公開しないことができると規定されている。
新条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
なお、新条例の施行日である平成12年10月1日前に作成し、又は取得した旧条例第2条第1項に規定する公文書に該当する行政文書であって平成18年4月1日前の公開請求の対象となったものについては、新条例附則第3項により、旧条例第6条各号の解釈、運用が適正であったか否かにより非公開情報の該当性について判断するものである。
次に掲げる各非公開条項についての基本的な考え方に基づき、別表1のとおり判断する。
新条例及び旧条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。
よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
(省略)
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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債権者の印影及び口座情報 | 印影及び口座情報は、法人等が事業活動を行う上での重要な内部管理に属する情報であり、このような情報を外部に対して明らかにするかどうかは、本来、法人等が自らの業務の関わりの中で自主的に決定すべきことであり、法人等は、公開すべき相手方を限定する利益を有しているというべきである。 しかしながら、このような情報であっても、当該法人等がそのような管理をしていないと認められる場合などには、これが公開されても、当該法人等の正当な利益を害するものとは認められない。 本件処分により非公開とされた印影及び口座情報は、債権者から提出された請求書に記載された印影及び口座情報並びに支出命令書に転記された口座情報である。
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公立学校共済組合高松宿泊所の印影及び口座情報並びに同宿泊所支配人の印影 |
見積書に記載されている債権者側の担当者名及び印影 | これは、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであると判断され、新条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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債権者の口座情報 | 一般的なタクシー業者の業務態様から判断すれば、不特定多数のものがその顧客となるのが通例であり、当該法人の顧客であればだれでも当該法人の口座情報が表示された請求書の交付を受けられると認められることから、当該法人は、請求書に表示されている口座情報が不特定多数の顧客に知れ渡ることを容認し、公開すべき相手方を限定しているものではないと考えられる。 よって、本件口座情報を公開しても、当該法人の正当な利益を害するものとは認められないので、本件口座情報については、旧条例第6条第2号には該当しないと判断される。 |
債権者の口座情報(支払金融機関名、店舗名、預金種目、口座番号及び口座名義) |
タクシー乗車券に記載された「運転者の氏名」 | これは、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであると判断され、旧条例第6条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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債権者の印影及び口座情報 |
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見積書に記載されている債権者側の担当者名及び印影 |
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公開しない部分 | 公開しない理由 |
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債権者の口座情報 |
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タクシー乗車券に記載された「運転者の氏名」 |
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