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答申
香川県東讃土地改良事務所長(以下「処分庁」という。)が一部公開決定(以下「本件処分」という。)により非公開とした部分のうち、別表1の「公開すべき部分」に掲げる部分については、公開すべきである。
審査請求人は、平成17年12月1日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、処分庁に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。
処分庁は、公開請求のあった行政文書として、「非補助土地改良事業(かんがい排水)○○地区の施行認可にかかる文書(平成13年5月23日)」(以下「本件行政文書」という。)を特定し、別表2の「公開しない部分」が「公開しない理由」に該当するとして、平成18年2月16日付けで本件処分を行い、審査請求人に通知した。
審査請求人は、本件処分を不服として、平成18年3月13日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により香川県知事(以下「諮問庁」という。)に対して審査請求を行った。
「本件処分を取り消すとの裁決を求める」というものである。
審査請求書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。
非公開理由等説明書による説明は、次のとおりである。
条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
土地改良法(昭和24年法律第195号)第48条第1項の規定により、特定土地改良区が土地改良事業を行うために提出した施行認可申請書及び当該申請に対する認可の起案文書等であり、当該申請書には、土地改良事業計画書、総代会の議事録謄本、公告した事項を記載した書面、同意書、事業費の細目及び資金計画を記載した書面等が添付されている。
次に掲げる各非公開条項についての基本的な考え方に基づき、別表2のとおり判断する。
条例の解釈、運用に関するものではないので、審査会では判断しないものとする。
よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
(省略)
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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土地改良区理事長の印影 | 印影は、一般的に、法人等が事業活動を行う上での重要な内部管理に属する情報であり、このような情報を外部に対して明らかにするかどうかは、本来、法人等が自らの業務の関わりの中で自主的に決定すべきことであり、法人等は、公開すべき相手方を限定する利益を有しているというべきである。 しかしながら、このような情報であっても、当該法人等がそのような管理をしていないと認められる場合などには、これが公開されても、当該法人等の正当な利益を害するものとは認められない。 本件処分により非公開とされた印影のうち、当該法人から提出された土地改良事業施行認可申請書に押印されているもの及び当該法人から提出された同意書等が原本と相違ないことを証明するために押印されているものについては、当該法人がこのような文書を提出する相手方は、処分庁等に限定されていると考えられる。 すなわち、本件印影はいずれも当該法人が真正かつ真意に基づいて作成した文書であることを示す機能を有する性質のものであるとともに、特定の書類に限定して用いられ、当該法人においてむやみに公にしていないものと認められることから、公にした場合には、当該法人の各種書類の偽造等に悪用されるなどが考えられる。 よって、本件印影は、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく、本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。本件処分により非公開とされた印影のうち、当該法人が土地改良事業認可申請前に行った公告に押印されているものについては、公告が広く一般に知らせることを目的とし、不特定多数の者の目に触れることを前提として当該法人が押印していることからすれば、本件印影を公開することによって当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるとまでは認められないため、条例第7条第2号に該当しないと判断される。 |
公告に押印されている印影 |
特定土地改良区の平成13年度通常総代会議事録中、土地改良区理事長の印影 | 本件印影は、特定土地改良区から提出された議事録が原本と相違ないことを証明するために押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく、本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
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審査会で見分したところ、処分庁が非公開としたのは、総代会出席者、発言者、副理事長、議長、書記及び議事録署名人の氏名、個人の所属名、議長及び議事録署名人の署名・印影であった。これは、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであると判断され、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
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審査会で見分したところ、当該部分には、個人の過去の行動、言動及び心情に関する情報が記載されていることが確認された。これは、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであり、たとえ氏名などの個人が識別される部分を除いたとしても、公にすることにより当該個人の権利利益を害するおそれがあることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
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審査会で見分したところ、当該部分は、当該法人の収入状況を表す具体的な金額及び収入状況に関する改善案など内部管理に属する情報であり、これを当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の財政状況が推測されること、また、当該法人と契約関係にある相手方との信頼関係を損ない、円滑な方策を取れなくなるおそれがあることなど、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 | |
同意書のうち、住所、氏名、署名(記名)、印影が記載された部分 |
これは、本件土地改良事業の施行認可申請について個人が同意したか否か、当該同意が相続人によるものであるか否かがわかる情報であり、個人の内心に関わる情報であることから、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであると判断され、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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土地改良区理事長の印影 | 条例第7条第2号該当 当該法人の内部管理に関する部分であり、公にすることにより、当該法人の正当な利益を害するおそれがあるため |
特定土地改良区の平成13年度通常総代会議事録中、土地改良区理事長の印影 | 条例第7条第2号該当 当該法人の内部管理に関する部分であり、公にすることにより、当該法人の正当な利益を害するおそれがあるため |
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条例第7条第1号該当 特定の個人が識別され得る個人の情報に該当するため |
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条例第7条第1号該当 個人の過去の行動、言動又は心情に関する部分であり、個人の権利利益を害するおそれがあるため |
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条例第7条第2号該当 当該法人の収入に係る内部管理に関する部分であり、公にすることにより、当該法人の正当な利益を害するおそれがあるため |
同意書のうち、住所、氏名、署名(記名)、印影が記載された部分 | 条例第7条第1号該当 特定の個人が識別され得る個人の情報に該当するため |
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