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答申
香川県東讃土地改良事務所長(以下「処分庁」という。)が非公開としたことは、妥当である。
審査請求人は、平成17年2月3日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、処分庁に対し、次の内容の行政文書の公開請求(以下「本件請求」という。)を行った。
処分庁は、公開請求のあった行政文書として条例第13条及び第1条を特定し、条例第28条第4項に該当するとして、平成17年2月16日付けで非公開決定(以下「本件処分」という。)を行い、審査請求人に通知した。
審査請求人は、本件処分を不服として、平成17年2月18日付けで行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により香川県知事(以下「諮問庁」という。)に対して審査請求を行った。
「本件処分を取り消すとの決定を求める」というものである。
審査請求書において主張している理由は、おおむね次のとおりである。
非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。法的根拠は、公開決定等の期限の特例について定めた条例13条及び条例の目的を定めた条例第1条である。
また、条例第28条第4項は、香川県立文書館、県民室等の行政文書であって、一般の県民の利用に供することを目的に管理しているものについて、条例の規定による公開をしないことを定めたものである。
当該行政文書は、県民室等において管理されている行政文書であって、一般に県民に閲覧させ、又は貸し出すことができるものとされていることから、条例第28条第4項に定める公開をしない行政文書に該当する。
条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
条例第7条第1号では、個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものについて、同号ただし書に該当する情報を除き、非公開情報と定めている。
審査会において本件請求(1)に記載された特定文書(以下「甲文書」という。)を見分したところ、甲文書は、審査請求人を名宛人として出された文書であり、特定の個人を識別することができるものであることから、甲文書の情報は条例第7条第1号本文に該当し、いずれのただし書にも該当しないと判断される。
ところで、本答申では特に記載していないが、本件請求(1)には、甲文書の日付、文書番号が記載されている。
このことは、審査請求人が受け取った甲文書の日付、文書番号により公開請求をしたものと考えられ、本人しか知りえない情報による自己に係る情報の公開を請求したものと推認される。
そのため、個人を特定しての請求と解されるので、甲文書の情報の全てが特定の個人を識別できる情報と考えられ、甲文書の情報は一部公開できないものと判断される。
さらに、本件請求(1)には、一部公開できないと判断される甲文書の特定の内容が記載されている。
このような請求に対して請求対象行政文書の有無を答えると、条例第7条第1号により非公開とされるべき個人情報を明らかにすることとなるため、条例第10条によりその存否を明らかにせず、公開請求を拒否すべきものであったと認められ、本件の場合、処分庁は条例第28条第4項に該当するとして非公開決定をしているが、改めて本件処分を取り消して条例第10条の規定を適用する意味はなく、処分庁が非公開としたことは、結論において妥当である。
条例の解釈、運用に関するものでないので、審査会では判断しないものとする。
よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
当審査会は、本件諮問事件について、次のとおり審査を行った。
(省略)
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