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公開日:2020年12月10日

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大島青松園官用船の国直営による運航維持を求める意見書

ハンセン病の隔離政策のため、国が高松港から北東へ8キロ離れた離島である大島に設立した国立療養所大島青松園は、離島であるが故に、交通手段は、大島と対岸の高松港等を結ぶ官用船による航路が唯一のものである。また、官用船は、夜間における急病人発生時などの緊急時に島外の医療機関への搬送をも受け持ち、入所者の生命線となっている。
しかしながら、厚生労働省は来年度予算の概算要求において、今年度末に2名の船舶職員が定年退職するに当たって退職者の補充を行わず、官用船1隻の運航を民間委託するとの要求を行った。
このことは、国によるハンセン病の患者に対する隔離政策がもたらした被害の回復を目的としている「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」の趣旨に反し、さらには、国のハンセン病施策への謝罪の意の表明や、「入所者の実情に応じた定員の在り方及び療養体制の充実に万全を期すべき」とする衆参両院の決議と相容れぬものである。
また、大島青松園入所者自治会と大島青松園が設置した将来構想検討委員会においては、大島の地に永住することや、現状のハンセン病療養所単独での体制を維持・継続すること、さらには、現在の医療・看護・介護の体制を維持・継続することを基本方針として決定した。その実現のためにも、根幹をなす入所者や職員のみならず、島を訪問する人々にとっての唯一の交通手段である官用船による運航が、現行どおり保障されねばならない。
よって、国におかれては、船舶職員の退職者の補充を速やかに行い、国直営による運航を維持するよう強く要望する。

平成22年10月14日

香川県議会

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