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答申
香川県警察本部長(以下「実施機関」という。)が行った非公開決定(以下「本件処分1」という。)は妥当である。
また、実施機関が一部公開決定(以下「本件処分2」という。)により非公開とした部分のうち、別表2の「公開すべき部分」に掲げる部分については、公開すべきである。
審査請求人は、平成27年2月21日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求(以下「本件公開請求」という。)を行った。
香川県警察本部がこころの健康づくり講演会と称して行ったものに関する情報一切。全ての年度で。
少なくとも、平成25年度5月28日に行われたことは確認している。
たとえば、起案、議事録・会議報告書、アンケート、チラシ広告およびインターネット上の告知の印刷・設置・配布、新聞や雑誌への広報、広報誌、講師の選定、礼金の有無や金額、交通費や宿泊費や旅費、営利企業等への従事許可願い、営利企業等への従事許可、贈与等報告書、電話またはその他でのメモ、講演・講座の依頼文、当日配布資料、レジュメ、写真、映像、音声、原稿、電子メール、参加者数、キャンセル数、申込数、職員側の出席者、その他の出席者、上記の添付文書、上記の関連文書等々、とにかく全て。
なお、非開示・部分開示・不存在・存否応答拒否・適用除外の部分については、全てその通知が必要です。請求した情報を全部であれ一部であれ廃棄した場合には、当該情報は廃棄したということを示す情報も全て開示請求の対象に含めます。そして、いかなる決定であれ、当該情報の保存期間および保存期間の変更および保存期間に関する分類等および保存期間に関する分類等の変更等々を示す情報も全て開示請求の対象に含めます。
また、事案の移送もお願いいたします。
実施機関は、公開請求のあった行政文書として、平成25年度「心の健康づくり講演会」受講者名簿、平成26年度心の健康づくり講演会出席者名簿、講演会資料管理監督者に求められる職場のメンタルヘルス(平成26年度)を特定して公開決定を行い、平成27年3月3日付けで異議申立人に通知した。
また、行政文書公開請求書の行政文書の名称その他の行政文書を特定するに足りる事項欄に記載されたもののうち、行政文書公開決定通知書及び行政文書一部公開決定通知書の公開請求に係る行政文書欄に記載された行政文書以外の文書(アンケート、チラシ広告等)について、公開請求があった行政文書が不存在として本件処分1を行うとともに、次に掲げる行政文書を特定し、別表1の「公開しない部分」が「公開しない理由」に該当するとして本件処分2を行い、平成27年3月3日付けで審査請求人に通知した。
審査請求人は、本件処分1及び2を不服として、平成27年4月23日付けで、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して審査請求を行った。
第2項掲載の処分(香川県警察本部長の平成27年3月3日付けの審査請求人に対する行政文書一部公開決定処分および行政文書非公開決定処分)を取り消して、対象情報をさらに特定すること及び、請求した情報を全部公開するとの決定を求める。
公開手数料の納入方法が極限られた金融機関のみに対する振り込みに限られているため、納入方法の拡大を求める。
行政文書の公開を実施するにあたって、公開実施に係る送料及び手数料または手数料を納入したと明示する文書以外を実施機関に提出させることを禁じるとの決定を求める。
公開実施のための送料も含めて金融機関への振り込みをすることができるように対応するとの決定を求める。
通知書において示される「公開しない部分」は、開示文書の名称を大まかに記したうえでその一部とだけ記載して非開示の根拠条文を示すという方法を取るのではなく、なぜ本件の講師の氏名は条例第何条第何号に該当するから非開示といったように具体的に非開示部分とその理由とをともに説明すべきである。
公益上の理由による裁量的公開を行うべきである。というものである。
審査請求書において主張している理由は、次のとおりである。
文書の探索が不十分であるか、または、対象文書が情報公開の適用除外であると判断することが違法である。
さらに、本件において情報公開条例やその施行規則等によって特に定めがないにもかかわらず、郵送料としての切手、実際に金融機関で公開手数料を納入したと明示する納入通知書兼領収書のコピーだけではなく、「前回送付した3月4日付けの納入通知書兼領収書」を処分庁まで提出しなければ、開示文書を受け取れなくする、という要求は違法である。
そして、公開のための送料を切手でしか納入できないという現状は、実施機関が開示請求者の利便性を確保しているとは言えず、不当である。
通知書の別紙に記載された内容では、「の一部」というように、公開されない部分及びその根拠の条文が適用された理由が具体的に示されていないため、違法である。
非公開部分は、香川県情報公開条例第7条第1号にも第4号にもともに該当せず、たとえ1号に該当したとしても、1号ただし書き全てに該当する。
非開示部分は、香川県情報公開条例第9条に該当する。
非公開理由等説明書による説明は次のとおりである。
本件情報公開請求事案について、条例の各条項に照らし慎重に検討した結果、審査請求人が主張する点も含め、次の理由から本件処分を行った。
意見書による主張は次のとおりである。
保存期間に関する分類等は、「香川県公安委員会・香川県警察情報公開コーナーに備え付けており、閲覧可能であること」を具体的な理由とし、香川県情報公開条例(以下、条例と言う)第28条第4項の規定を根拠として適用除外による非公開と決定した旨を、原処分で特定された行政文書以外の文書の不存在による非公開とともに行政文書非公開決定通知書に明記すべきであった。あるいは、当該部分について条例第28条第4項の規定を根拠として行政文書請求却下通知書を発行すべきであった(添付資料1:千葉県警察本部長が千葉県情報公開条例の規定による情報公開請求に対して処分した通知書)。
そのうえで、処分庁は、開示請求書等において、開示請求者が千葉県在住という情報を知っていたのであるから、一部公開決定した行政文書と合わせて保存期間に関する分類等を情報提供として送付すべきであった。また、他の自治体では、「情報公開コーナーに備え付けており、閲覧可能である」行政文書だけではなく、インターネット上で閲覧可能である行政文書も情報公開の対象としていたり情報提供の対象としていたりする。香川県でも特段の事情がない限り、「香川県公安委員会・香川県警察情報公開コーナーに備え付けており、閲覧可能である」行政文書も情報公開または情報提供の対象とすべきである。
さらに、弁明書には当該情報が当該コーナーにおいて閲覧可能とだけあるが、謄写や複写物の郵送は不可能であるとすれば、開示請求者が本件開示請求書で予め送付を希望する旨を明示していた以上、条例第25条及び第27条の規定により、たとえ情報公開の適用除外が妥当であったにせよ、情報提供すべきであった。
原処分では、当該情報が適用除外と判断されたことが開示請求者に伝達されないため、当該処分に対しては、行政不服審査請求の権利があるにもかかわらず当該権利の行使ができなくなってしまう。
したがって、原処分は、情報公開が原則公開であるということ、条例の前文、第1条、第25条及び第27条の規定に明確に違反する。
本件に限らず全般的に、情報公開請求で交付される文書は印刷が粗く薄いため、文面が判読できないことが多い。受け取り後に実施機関に問い合わせて、読める文書を受け取るまで数日を要し、中には差し替えと言っていったん交付された不鮮明な文書を返送するように求めてくる実施機関も少なくない。本件は、起案用紙における印影、平成25年度「心の健康づくり講演会」受講者名簿の代の右横の文字などが読めないまでに不鮮明であった。最初から最もきれいなモードで印刷して交付していただきたい。このことは、他の開示請求者たちからもよく聞く話である。ぜひ、差し換えていただきたい。さらに、自治体によっては、その差し換え時には、封筒に切手を貼って開示請求人に送ってくるところもあるが、開示請求人が封筒と切手を用意しなければならないところも多い。香川県では、差し替え時にいかなる対応をとるのか明文化して制度化していただきたい。むろん、そのような場合は、行政機関が封筒及び送料を用意すべきである。封筒を郵送で受け取るまでに時間がかかってしまうという理由で、差し替えを求めた開示請求人が封筒を用意した場合でも、送料を着払いにするといった方法を取るべきである。印刷スピードを速くすればするほど不鮮明になることを踏まえて情報公開の作業時間短縮のために開示文書を読みにくくしてしまっているという現状に対して再発防止策を講じていただきたい。
「起案用紙の起案者欄の一部」では非開示部分を特定したことにはならない。たとえば、「起案用紙の起案者欄における当該講演会の講師の氏名は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる情報であるから、条例第7条に該当し、ただし書きアイウエ全てに該当しない。」などと記載したうえで、処分庁による弁明書4(2)で記載された内容を通知書の段階で記載するなどして開示請求者に対して具体的に通知すべきであった(添付資料2:法務総合研究所が行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定による情報公開請求に対して処分した通知書)。原処分における説明事項の記載方法のような運用をしている自治体は稀である。
実際に、開示文書のうち、起案文書の右下の非開示部分は、弁明書の記載によって初めて電話番号であったとわかったのである。また、「保健・生活相談担当」の右横の非開示部分が、保健・生活相談担当の氏名か内線番号のいずれかであろうと推量されるが、何であるかはいまだに不明である。
まず、行政不服審査請求は、裁判と違って、行政庁の処分だけではなく公権力の行使に関して、違法か適法かだけではなく不当か正当かまでを判断するものであるから、不服申し立ての対象外とすることは、違法である。
本題であるが、本件では2度にわたって納付書が送られてきた。送付に必要な切手と納入を証明する納入通知書兼領収書の写しとだけではなく、1度目の納付書を処分庁に提出することが一部公開文書の送付を受ける条件とされたことが違法である。本件では、開示請求者が一部公開決定後に公益上の理由による請求手数料の免除を申請したため、2度にわたって納付書が送られてきた次第であるが、対して、他県では、当該担当課の計算間違いによって2度にわたって納付書が送られてきたことがあった。その時には、担当者は、開示請求者をして文書の送付の条件として1度目の納付書を担当課宛てに提出させることはなく別途返送することを求めてきたが、開示請求者が拒否したところ、開示請求者の主張が認められた。
香川県の情報公開では全国でも大変珍しく開示請求手数料が徴収されるのであるから、今後も、本件同様に、公開等決定が通知されてから公益上の理由による手数料の免除を申請することが起こりうるのであるから、1度目の納付書を提出することが一部公開文書を受け取るための義務ではなかったとしても、文書の記載からして義務と受け取られても不思議でないと思料する(添付資料3:本件の開示実施の時に処分庁が異議申立人に送付した「香川県情報公開条例の手数料に関する納入通知書の送付等について(通知)」平成27年 3月9日付)。1度目の納付書を提出することを求めた箇所が波線で強調されているのである。
まず、弁論書では、「講演対象者」と記載されているが、講演者の誤記であろう。講演対象者では、受講者か、または、患者など講演の話の中で扱われる人物などを指示すると思料される。
そして、独立行政法人労働者健康福祉機構本部研究ディレクター香川労災病院の職員は、独立行政法人職員であり、公務員等の講演については、贈与等報告書や営利企業等従事許可申請書などを情報公開請求すると、条例第7条第1項ただし書きウに相当する、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年十二月五日法律第百四十号)第5条第1号ただし書きハに該当するとして開示になり、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律は開示請求権を何人と規定しているため、条例第7条第1項ただし書きア、ウに該当する。
また、講師が誰であるかという情報は、講師が公務員等であれ民間職員であれ、当該事業のメンタルヘルスという公益性に鑑みても、現役の警察官や将来の警察官の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報に当たり、条例第7条第1項ただし書きイに該当する。
さらに、講師の派遣について(御依頼)については、文意からして左上の非開示部分は、講師となった独立行政法人職員の上司であると推認できるため、独立行政法人職員の氏名等であるから、条例第7条第1項ただし書きウに該当する。
講師の氏名が開示になれば、当然、著書・論文もその題名及び表紙も開示することになるはずである。
また、「保健・生活相談担当」の右横の非開示部分が保健・生活相談担当の氏名であった場合に、当該情報は、条例第7条第1項ただし書きウに該当する。
条例第7条第4号のア~オのうちいずれに該当するか明示していないため、その他に該当すると主張していると思料されるが、事業事務情報による非開示のうちその他による非開示は実施機関によって濫用されるおそれがあるため、通知書において具体的におそれを明記しなければならないものである。
行政機関の電話番号は、メールアドレスやFAX番号とともに、全て主権者に公開しておくべきである。
行政機関の職員が職務遂行のために割り当てられた番号は、電話番号であれ開示すべきである。警察ではない役所では内線番号まで情報公開請求に対して開示している行政機関が存在する。突発事案に対応することは、警察以外でも役所全般に言えることであるが、内線番号まで情報公開請求に対して開示している行政機関において、処分庁の表明する事態が惹起されているとは認められない。また、警察組織における突発事案への対応に際しても警察内部からや警察官同士で架電した場合にしか通じないといった処置が予めなされてはいないのであろうか。確認の上、そうであれば、処分庁の表明するおそれは実現することがないのであるから、条例第7条第4号に該当しないとして開示すべきである。
異議申立書では、公益上の理由による裁量的公開をも求めたが、弁明書においてはそれに対する反論が見られない。条例第9条に該当しないと判断した理由を説明すべきである。
8 非公開決定理由の記載の不備
原処分の非公開決定通知書では、公開しない理由として「公開請求に係る行政文書を保有していないため。」としか記載していない。しかしながら、不存在によって非公開にするためには、請求に係る行政文書が存在しない理由を具体的に説明することが求められている。実際に、国立大学法人千葉大学は、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の規定による実施機関として、不開示決定通知書においてここまで具体的に不存在の理由を記載している(添付資料4:国立大学法人千葉大学が独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の規定による情報公開請求に対して処分した通知書)。処分庁も含めて他の情報公開の実施機関は、模範にすべきである。
条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
本件請求対象文書の存否について実施機関が作成する行政文書については、その文書の目的・性質等により、それぞれ保存期間が定められている。実施機関に確認したところ、本件行政文書1~3は、毎年1回開催される講演会にかかる起案文書及び講演会資料であり、当該年度の実施が終了した後は、長期保存の必要性に乏しいという判断のもと、実施機関において1年という保存期間を定めて管理し、当該保存期間が経過した後は廃棄しているとの事であった。このように、通常、保存期間を経過した行政文書は廃棄されるため、本件公開請求が行われた当時残存していた本件行政文書1~3以前の文書が存在せず、公開請求に係る行政文書を保有していないという実施機関の主張は是認できる。
しかし、実施機関は非公開決定の際、公開請求に係る行政文書を保有していない上述の理由を説明することなく、単に「公開請求に係る行政文書を保有していないため。」としか記載していない。
実施機関は、非公開理由等説明書において、文書不存在の理由を述べているが、本来、当初の非公開決定において、行政文書が実施機関に存在しない理由を記載すべきであり、この点において、当該記載内容は不適切と考えるが、処分自体が違法とまでは言えない。
(省略)
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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起案用紙の起案者欄の一部 | 実施機関が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することらより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるため(香川県情報公開条例第7条第4号) |
「心の健康づくり講演会」の開催についての括弧内の一部 | |
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の括弧内の一部 | |
「心の健康づくり講演会」開催要領の8執行予定額の一部 | 特定の個人を識別することができる情報(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)に該当するため(香川県情報公開条例第7条第1号) |
「心の健康づくり講演会」の開催についての3内容の一部 | |
講師の派遣について(御依頼)の一部 | |
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の一部 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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これからのメンタルヘルス対策のページの一部 | 特定の個人を識別することができる情報(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)に該当するため(香川県情報公開条例第7条第1号) |
各ページの下部の一部 | |
著書・論文の紹介のページの一部 |
公開しない部分 | 公開しない理由 |
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起案用紙の起案者欄の一部 | 実施機関が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することらより、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるため(香川県情報公開条例第7条第4号) |
「心の健康づくり講演会」の開催についての括弧内の一部 | |
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の括弧内の一部 | |
「心の健康づくり講演会」開催要領の8執行予定額の一部 | 特定の個人を識別することができる情報(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)に該当するため(香川県情報公開条例第7条第1号) |
「心の健康づくり講演会」の開催についての3内容の一部 | |
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の一部 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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「心の健康づくり講演会」開催要領の8執行予定額の一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、本件講演会の講師の職氏名である。<判断(1)>本件講師は、警察本部が実施する講演会のため警察本部から講師派遣依頼を受けて講演を行ったものである。これにつき、独立行政法人労働者健康安全機構香川労災病院に確認したところ、「公的機関でも民間企業でも、そういったところから講師派遣依頼があった場合、日時、時間帯、謝金額、交通費等を記載した派遣依頼書を提出してもらい、講師は、謝金の有無に関係なく、独立行政法人の職務として講演をするのではなく、個人として講演をしている。上記の派遣依頼書を提出してもらっているのは、当該講師となる職員が、どういった内容の講演会に講師として出向くかを把握するために徴しているものであって、独立行政法人の職務としての講演を認めるという意味合いのものではない。」とのことであった。従って、本件講師は、所属する独立行政法人の職務の遂行として講演を行ったものではない。よって、本件講演会の講師の職氏名は、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第5条第1号ハに定める情報には該当せず、同時に、本件講演会は警察部内の関係者(健康管理主任者、警察署長を除く所属長等管理監督者)向けに限定して開催されたものであって、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報とは言えないため、条例第7条第1号ただし書きア及びウに該当しないと判断される。また、本件講演会の講師の職氏名を公開することに、当該講師個人の正当な権利利益に優越する公益があるとまでは認められないため、ただし書きイに該当しないと判断される。このほか、本件講演会の講師の職氏名は、香川県情報公開条例施行規則(平成12年規則第148号)第3条各号に定める情報には該当しないため、条例第7条第1号ただし書きエに該当しないと判断される。 | |
「心の健康づくり講演会」の開催についての3内容の一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、本件講演会の講師の学位及び職氏名であり、上記<判断(1)>のとおり、条例第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、ただし書きのいずれにも該当しないと判断される。 | |
講師の派遣について(御依頼)の一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、本件講演会の講師の職氏名(11~12行目)及び依頼文書の名宛人(本件講師の上司の職氏名。2~3行目)である。本件講演会の講師の職氏名については、上記<判断(1)>のとおり、条例第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、ただし書きのいずれにも該当しないと判断される。一方、外部の機関から種々の協力依頼を受けることは、通常どの組織においても、当該組織における一般的な事務として行われているものであり、本件にあっても、本件講師の上司が、組織における人事管理上、部下の行動を把握しておく必要性があることから、所属する独立行政法人の内部における一般的な職務の遂行として当該依頼を受け取ったものである。よって、依頼文書の名宛人は、条例第7条第1号ただし書ウに該当すると判断される。 | 依頼文書の名宛人 |
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、本件講演会の講師の職氏名であり、上記<判断(1)>のとおり、条例第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、ただし書きのいずれにも該当しないと判断される。 | |
起案用紙の起案者欄の一部 | <判断(2)>本件処分により非公開とされた左記の情報は、専ら警察内部の連絡用に設けられた警察電話の番号であり、不特定多数の者への公表を前提としたものではなく、内部管理に係る情報として一般に公表されていないものである。一方で、警察電話は、警察本部の交換業務担当者を介して一般電話回線との通信が可能であり、警察職員以外の者であっても、一般電話回線から交換業務担当者に内線番号を告げることで、警察電話との通話が可能となる。警察業務は、逮捕、検挙又は規制を行うなど、他の行政事務に比べ特殊性が高く、被疑者や関係者からの反発や反感を招く恐れが高い。このため、内線番号を公開することにより、警察に対して反発や反感を抱いている者からの業務の妨害を目的とした当該内線番号に対する電話を受けることで業務の停滞につながる等、警察電話による通信の正常かつ能率的な運営に影響が及ぶことにより、通常業務における連絡や突発的な事案への対応等、今後の警察の事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められる。よって、条例第7条第4号に該当すると判断される。 | |
「心の健康づくり講演会」の開催についての括弧内の一部 | ||
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の括弧内の一部 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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これからのメンタルヘルス対策のページの一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、「心の健康づくり講演会」(平成25年度開催)の講師の氏名であり、上記<判断(1)>のとおり、条例第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、ただし書きのいずれにも該当しないと判断される。 | |
各ページの下部の一部 | ||
著書・論文の紹介のページの一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、「心の健康づくり講演会」(平成25年度開催)の講師の氏名(下段)及び本件講師の著書名及び論文名(上段)である。「心の健康づくり講演会」(平成25年度開催)の講師の氏名(下段)については、上記<判断(1)>のとおり、条例第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、ただし書きのいずれにも該当しないと判断される。 また、本件講師の著書名については、当該著書の表紙が掲載されており、そこには本件講師の氏名が記載されている。論文名については、当該論文の詳細な題名、掲載誌及びそのナンバー、年度が掲載されており、他の情報と照合することにより、特定の個人(著者である本件講師)を識別することができるものと思われる。よって、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、ただし書のいずれにも該当しないと判断される。 |
公開しない部分 | 審査会の判断 | 公開すべき部分 |
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「心の健康づくり講演会」開催要領の8執行予定額の一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、本件講演会の講師の職氏名であり、上記<判断(1)>のとおり、条例第7条第1号本文に定める個人に関する情報に該当し、ただし書きのいずれにも該当しないと判断される。 | |
「心の健康づくり講演会」の開催についての3内容の一部 | ||
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の一部 | ||
起案用紙の起案者欄の一部 | 本件処分により非公開とされた左記の情報は、専ら警察内部の連絡用に設けられた警察電話の番号であり、上記<判断(2)>のとおり、条例第7条第4号に該当すると判断される。 | |
「心の健康づくり講演会」の開催についての括弧内の一部 | ||
「心の健康づくり講演会」における講演について(御依頼)の括弧内の一部 |
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