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答申
香川県知事(以下「実施機関」という。)が行った公開決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。
異議申立人は、平成25年11月9日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。
異議申立人は、本件処分を不服として、平成25年11月28日付けで、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。
「本件処分を取り消すとの決定を求める。」というものである。
異議申立書において主張している理由は、次のとおりである。
非公開理由等説明書による説明は、おおむね次のとおりである。
自動車取得税は、法第122条第1項の規定により、自動車を取得した納税義務者が課税標準額及び税額等を香川県知事(以下「知事」という。)に申告して納付する県税である。したがって、自動車取得税の税額は当該申告により確定し、原則として香川県による課税処分というものは存在しない。
香川県では、申告された自動車取得税の課税標準額である自動車の取得価額が「自動車の通常の取引価額」以上であるときは、取得価額を証する書類の添付を要しないこととしており、「自動車の通常の取引価額」の基準として、特定一般財団法人が発行する「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」を使用している。本件請求の「一覧表により課税しているとの記載」とは、上記の取扱いを指すものである。
この取扱いは、本件行政文書に基づき、長期間にわたり全国的に行われてきたため、平成22年4月に本件行政文書が廃止された後も、行政の継続性の観点から改めて別の取扱方法等を定めず、本件行政文書による取扱いを継続している。
したがって、本件行政文書は、本件請求1の対象文書に該当し、かつ、本件行政文書以外に本件請求の対象となる文書は保有していない。
自動車取得税は、法第122条第1項の規定により、自動車を取得した納税義務者が課税標準額及び税額等を知事に申告して納付する県税である。したがって、自動車取得税の税額は当該申告により確定し、原則として香川県による課税処分というものは存在しない。
香川県では、申告された自動車取得税の課税標準額である自動車の取得価額が「自動車の通常の取引価額」以上であるときは、取得価額を証する書類の添付を要しないこととしており、「自動車の通常の取引価額」の基準として、特定一般財団法人が発行する「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」を使用している。
この取扱いは、本件行政文書に基づき、長期間にわたり全国的に行われてきたため、平成22年4月に本件行政文書が廃止された後も、行政の継続性の観点から改めて別の取扱方法等を定めず、本件行政文書による取扱いを継続している。
したがって、本件行政文書は、本件請求2の対象文書に該当し、かつ、本件行政文書以外に本件請求の対象となる文書は保有していない。
条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
本件行政文書は、昭和43年6月に自治省から各都道府県あてに自動車取得税の運用上の留意点等について、通知されたものである。
通知において、申告された自動車取得税の課税標準額である自動車の取得価額が「自動車の通常の取引価額」以上であるときは、取得価額を証する書類の添付を要しないこと、「自動車の通常の取引価額」の基準として「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」を使用すること等の取扱いが示されている。
異議申立人が、異議申立書において「本件請求対象の行政文書を開示していない。本件請求1、本件請求2についての請求対象文書を開示していない」と主張していることから、本件処分における行政文書の特定の妥当性について検討する。
審査会で確認したところ、自動車取得税は、法第122条第1項において、自動車を取得した納税義務者が課税標準額及び税額等を知事に申告して納付するとされており、その税額は当該申告により確定し、原則として香川県による課税処分は行われていない。
また、本件行政文書が自動車取得税創設当初の昭和43年6月に自治省から各都道府県あてに通知され、申告された自動車取得税の課税標準額である自動車の取得価額が「自動車の通常の取引価額」以上であるときは、取得価額を証する書類の添付を要しないこと、「自動車の通常の取引価額」の基準として、「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」を使用すること等の取扱いが示された。
なお、本件行政文書については、平成22年4月に廃止されているが、実施機関の非公開理由等説明書によれば、香川県においては、改めて別の取扱い方法等を定めず、本件行政文書による取扱いを行っているとのことである。
この点について、改めて実施機関に説明を求めたところ、「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」を「自動車の通常の取引価額」の基準として使用し、申告された取得価額が「自動車の通常の取引価額」以上であるときは、取得価額を証する書類の添付を要しないとする取扱いが、長期間にわたり全国的に行われてきたため、行政の継続性の観点から、本件行政文書が廃止された後も、本件行政文書と同様の取扱いを継続しているとの説明がされた。また、本件行政文書による取扱いが定着していたこともあり、改めては独自の取扱基準等を定めなかったことも説明された。
審査会で確認したところ、「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」には、メーカー別に車名、型式、仕様等の区分に応じ、課税標準基準額、税額等が記されていることが認められ、申告された自動車の取得価額と同表の課税標準基準額(本件行政文書でいう「自動車の通常の取引価額」)を比較して、売買契約書等の添付の要否を判断する際の基準として用いているとする実施機関の説明に不自然なところはない。
以上のことからすれば、本件請求1における「一覧表により課税しているとの記載」とは、本件行政文書による取扱いを指すものであるとする実施機関の主張に不自然、不合理なところはない。
「一覧表により課税しているとの記載」が本件行政文書による取扱いを指すものであるとの前提に立てば、実施機関が本件請求の対象として、本件行政文書を特定したことは妥当であると判断されるとともに、本件行政文書以外に本件請求の対象となる文書を保有していないとする実施機関の主張は是認できるものである。
さらに、本件行政文書以外に本件請求対象文書が存在することについて、異議申立人は具体的な主張をしていない。
よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
(省略)
実施機関が特定した行政文書 |
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行政文書 | 公開しない部分 | 公開しない理由 |
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