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公開日:2016年5月18日

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平成28年5月18日 答申第521号(香川県情報公開審査会答申)

平成28年5月18日(答申第521号)

答申

第1 香川県情報公開審査会(以下「審査会」という。)の結論

香川県知事(以下「実施機関」という。)が一部公開決定(以下「本件処分」という。)により非公開とした部分のうち、別表3の「公開すべき部分」に掲げる部分については、公開すべきである。

第2 異議申立てに至る経過

1 行政文書の公開請求

異議申立人は、平成27年6月5日付けで、香川県情報公開条例(平成12年香川県条例第54号。以下「条例」という。)第5条の規定により、実施機関に対し、次の内容の行政文書の公開請求を行った。

  • (1)一般社団法人A及び旧社団法人Aとの間で香川県が平成22年度以降に締結した業務委託契約その他の契約書類
  • (2)一般社団法人A及び旧社団法人Aから香川県に対して平成22年度以降に提出された文書

2 実施機関の決定

実施機関は公開請求のあった行政文書として、次の行政文書を特定し、別表1の「公開しない部分」が「公開しない理由」に該当するとして、平成27年6月16日付けで本件処分を行い、異議申立人に通知した。

  • (1)平成22年度狩猟関係事業委託契約書(以下「本件行政文書1」という。)
  • (2)平成23年度狩猟関係事業委託契約書(以下「本件行政文書2」という。)
  • (3)平成24年度狩猟関係事業委託契約書(以下「本件行政文書3」という。)
  • (4)平成25年度狩猟関係事業委託契約書及び変更契約書(以下「本件行政文書4」という。)
  • (5)平成26年度狩猟関係事業委託契約書及び変更契約書(以下「本件行政文書5」という。)
  • (6)平成22年度小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務委託契約書(以下「本件行政文書6」という。)
  • (7)平成23年度小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務委託契約書(以下「本件行政文書7」という。)
  • (8)平成24年度小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務委託契約書及び同変更契約書(以下「本件行政文書8」という。)
  • (9)平成25年度小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務委託契約書及び同変更契約書(以下「本件行政文書9」という。)
  • (10)平成26年度小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務委託契約書及び同変更契約書(以下「本件行政文書10」という。)
  • (11)平成24年度香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業市街地イノシシ個体数調整事業委託業務契約書及び同変更契約書(以下「本件行政文書11」という。)
  • (12)平成25年度香川県市街地周辺イノシシ等侵入防止対策支援事業市街地イノシシ個体数調整事業委託業務契約書及び同変更契約書(以下「本件行政文書12」という。)
  • (13)平成26年度香川県野生鳥獣適正管理推進事業野生鳥獣捕獲試験事業委託業務委託契約書(以下「本件行政文書13」という。)
  • (14)香川県緊急雇用創出基金事業有害鳥獣捕獲技術指導員人材育成事業業務委託契約書(以下「本件行政文書14」という。)
  • (15)平成26年度一般社団法人A理事会、通常総会等の開催に係る書類(以下「本件行政文書15」という。)
  • (16)平成27年度一般社団法人A理事会、通常総会等の開催に係る書類(以下「本件行政文書16」という。)
  • (17)小豆郡一円におけるニホンジカの捕獲禁止に係る意見に係る書類(平成22年度、平成25年度)(以下「本件行政文書17」という。)
  • (18)鳥獣保護区等の存続期間更新及び指定についての意見等の書類(平成22年度~平成26年度)(以下「本件行政文書18」という。)
  • (19)鳥獣保護区等の存続期間の更新及び指定に係る獣類の生息状況に係る書類(平成22年度~平成26年度)(以下「本件行政文書19」という。)
  • (20)狩猟免許試験委員及び更新講習講師の推薦に係る書類(平成22年度~平成26年度)(以下「本件行政文書20」という。)
  • (21)狩猟関係委託事業に係る書類(平成22年度~平成26年度)(以下「本件行政文書21」という。)
  • (22)小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務に係る書類(平成22年度~平成26年度)(以下「本件行政文書22」という。)
  • (23)香川県緊急雇用創出基金事業有害鳥獣捕獲技術指導員人材育成事業業務に係る書類(以下「本件行政文書23」という。)
  • (24)平成24年度香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業市街地イノシシ個体数調整事業委託業務に係る書類(以下「本件行政文書24」という。)
  • (25)平成25年度香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業イノシシ個体数調整事業委託業務に係る書類(以下「本件行政文書25」という。)
  • (26)平成26年度香川県野生鳥獣適正管理推進事業野生鳥獣捕獲試験事業委託業務に係る書類(以下「本件行政文書26」という。)
  • (27)一般社団法人移行認可に係る書類(以下「本件行政文書27」という。)

3 異議申立て 異議申立人は、本件処分を不服として、平成27年6月24日付けで、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により実施機関に対して異議申立てを行った。

第3 異議申立ての内容

  1. 異議申立ての趣旨 「本件処分を取り消すとの決定を求める。」というものである。
  2. 異議申立ての理由 異議申立書において主張している理由は、次のとおりである。
    • (1)本件処分は、条例の解釈適用を誤った違法な処分であるから、本件処分を取り消し、全部を公開する必要がある。
    • (2)本件決定通知書記載の「公開しない理由」の主張は、誤りである。いずれも、条例に規定する非公開事由に該当しない。

第4 実施機関の説明の要旨

非公開理由等説明書による説明は次のとおりである。

  • (1)条例第7条第1号の該当性について 条例第7条第1号では、個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものを非公開情報と定めている。ただし、本号のただし書に掲げる情報については、非公開情報から除くこととしている。本件行政文書15~27のうち、個人の住所、氏名、役職名、電話番号及び印影のほか、狩猟免許番号、狩猟者登録番号が記載されている文書は、特定の個人が識別され得る個人に関する情報に該当する。したがって、条例第7条第1号に該当する。
  • (2)条例第7条第2号の該当性について 条例第7条第2号では、法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものを非公開情報と定めている。ただし、事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある危害から人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、非公開情報から除くこととしている。本件行政文書1~27のうち、契約書等の法人の印影、事業実績報告書及び収支決算書における単価及び内訳金額並びに再委託に係る申請書類における受託者及び再委託の理由については、法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。したがって、条例第7条第2号に該当する。

第5 審査会の判断理由

  1. 判断における基本的な考え方について 条例は、その第1条にあるように、県民の行政文書の公開を求める権利を具体的に明らかにするとともに、行政文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県の保有する情報の一層の公開を図り、県政に関し県民に説明する責務が全うされるようにし、県政に対する県民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した県政の発展に寄与することを目的として制定されたものであり、審査に当たっては、これらの趣旨を十分に尊重し、関係条項を解釈し、判断するものである。
  2. 本件行政文書の内容について 本件行政文書1~27の内容については、別表2のとおりである。
  3. 非公開情報該当性について次に掲げる各非公開条項についての基本的な考え方に基づき、別表3のとおり判断する。
    • (1)条例第7条第1号の該当性について 本号は、個人の尊厳及び基本的人権の尊重の立場から、個人のプライバシーを最大限に保護するために定められたものであるが、プライバシーの具体的な内容が法的にも社会通念上も必ずしも明確ではなく、その内容や範囲は事項ごと、各個人によって異なり得ることから、本条例は、プライバシーであるか否か不明確な情報も含めて、特定の個人が識別され得る情報を包括的に非公開として保護することとした上で、さらに、個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものについても、非公開とすることを定めたものである。しかし、これらの個人に関する情報には、個人の権利利益を侵害しないと考えられ非公開とする必要のない情報及び公益上の必要があると認められる情報も含まれているので、これらの情報を本号ただし書で規定し、公開することを定めたものと解される。
    • (2)条例第7条第2号の該当性について 本号は、法人等又は事業を営む個人の正当な利益を害することを防止する観点から、その事業活動の自由を保障し、公正な競争秩序を維持するため、公にすることにより当該法人等又は事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのある情報を非公開とすることとした上で、それらに該当する情報であっても、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報については、公開することを定めたものであると解される。
      よって、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

第6 審査会の審査経過(省略)

(1)本件行政文書1~14
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
(2)本件行政文書15・16
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
(3)本件行政文書17
公開しない部分 公開しない理由
個人の住所、氏名、役職及び印影 個人の住所、氏名、役職及び印影が記載されており、特定の個人が識別され得る個人に関する情報に該当するため。(条例第7条第1号本文該当)
(4)本件行政文書18・19
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
個人の住所、氏名、役職及び印影 個人の住所、氏名、役職及び印影が記載されており、特定の個人が識別され得る個人に関する情報に該当するため。(条例第7条第1号本文該当)
(5)本件行政文書20
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
個人の住所、氏名、役職及び印影 個人の住所、氏名、役職及び印影が記載されており、特定の個人が識別され得る個人に関する情報に該当するため。(条例第7条第1号本文該当)
(6)本件行政文書21
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
事業実績報告書及び収支計算書における単価及び内訳金額 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
再委託に係る申請書類における受託者及び再委託の理由 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
(7)本件行政文書22
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
(8)本件行政文書23
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
事業実績報告書における内訳金額 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
(9)本件行政文書24
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
個人の氏名、住所、役職、狩猟免許番号及び狩猟者登録番号 個人の住所、氏名、役職、狩猟免許番号及び狩猟者登録番号が記載されており、特定の個人が識別され得る個人に関する情報に該当するため。(条例第7条第1号本文該当)
(10)本件行政文書25
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
(11)本件行政文書26
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)
個人の氏名、電話番号、住所及び役職 個人の氏名、電話番号、住所及び役職が記載されており、特定の個人が識別され得る個人に関する情報に該当するため。(条例第7条第1号本文該当)
(12)本件行政文書27
公開しない部分 公開しない理由
法人の印影 法人の事業に関する内部管理情報であり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。(条例第7条第2号本文該当)

別表2

本件行政文書1~27
行政文書 内容
本件行政文書1~5 平成22年度から26年度における、県が一般社団法人A及び旧社団法人A(以下、「A」という。)に委託した狩猟関係事業に係る契約書である。また、平成25年度及び26年度の文書は同契約書の一部変更契約書も含まれている。
本件行政文書6~10 平成22年度から26年度における、県がAに委託した小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務に係る契約書である。また、平成24年度、25年度及び26年度の文書は同契約書の一部変更契約書も含まれている
本件行政文書11 平成24年度に、県が旧社団法人Aに委託した香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業市街地イノシシ個体数調整事業に係る契約書及び同契約書の一部変更契約書である。
本件行政文書12 平成25年度に、県が旧社団法人Aに委託した香川県市街地周辺イノシシ等侵入防止対策支援事業市街地イノシシ個体数調整事業に係る契約書及び同契約書の一部変更契約書である。
本件行政文書13 平成26年度に県が一般社団法人Aに委託した香川県野生鳥獣適正管理推進事業野生鳥獣捕獲試験事業に係る契約書である
本件行政文書14 平成26年度に県が一般社団法人Aに委託した香川県緊急雇用創出基金事業有害鳥獣捕獲技術指導員人材育成事業に係る契約書である。
本件行政文書15及び16 平成26年度及び27年度における一般社団法人Aが実施機関に提出した当該法人の理事会及び総会等の開催案内に係る文書である。
本件行政文書17 小豆郡一円におけるニホンジカの捕獲禁止を継続するかどうかに関して、実施機関が利害関係人である旧社団法人Aから意見等を聴取した文書である。
本件行政文書18 鳥獣保護区等位置図を作成するため、実施機関が利害関係人であるA等に鳥獣保護区計画書を提示し、鳥獣保護区等の存続期間の更新及び指定等について意見等を聴取した文書である。
本件行政文書19 鳥獣保護区計画書を作成するため、実施機関がA等に提出を求めた、鳥獣保護区における鳥獣類の生息状況を確認した文書である
本件行政文書20 Aが実施機関に提出した狩猟免許試験委員及び更新講習講師における適格者を推薦した文書である
本件行政文書21 平成22年度から26年度における、Aが狩猟関係事業委託契約に基づき作成し、実施機関に提出した当該事業に係る実績報告書等である。
本件行政文書22 平成22年度から26年度におけるAが小豆島ニホンジカ捕獲個体調査業務委託契約に基づき作成し、実施機関に提出した委託業務状況報告書及び委託業務完了報告書等である。
本件行政文書23 平成26年度に、一般社団法人Aが香川県緊急雇用創出基金事業有害鳥獣捕獲技術指導員人材育成事業業務委託契約に基づき作成し、実施機関に提出した実績報告書等である。
本件行政文書24 平成24年度に旧社団法人Aが、香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業市街地イノシシ個体数調整事業業務委託契約に基づき作成し実施機関に提出した事業実施計画書、実績報告書等である。
本件行政文書25 平成25年度に旧社団法人Aが、香川県市街地周辺イノシシ等侵入防止対策支援事業市街地イノシシ個体数調整事業業務委託契約に基づき作成し実施機関に提出した当該事業に係る実績報告書等である
本件行政文書26 平成26年度に一般社団法人Aが、香川県野生鳥獣適正管理推進事業野生鳥獣捕獲試験事業業務委託契約に基づいて作成し、実施機関に提出した業務実績報告書及び事業実施計画書である
本件行政文書27 平成25年度に、旧社団法人Aが実施機関に提出した一般社団法人への移行認可申請に関する文書である。

別表3

(1)~(14)一般社団法人A及び旧社団法人Aに係る平成22年度以降に締結した業務委託契約書
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 印影は、一般的に、法人等が事業活動を行う上での重要な内部管理に属する情報であり、このような情報を外部に対して明らかにするかどうかは、本来、法人等が自らの業務の関わりの中で自主的に決定すべきことであり、法人等は、公開すべき相手方を限定する利益を有しているというべきである。しかしながら、このような情報であっても、当該法人等が内部管理情報として管理をしていないと認められる場合などには、これが公開されても、当該法人等の正当な利益を害するものとは認められない。本件処分により非公開とされた印影は、県がAに委託した各事業の契約書に押印されているものであり、Aがこのような文書を提出する相手方は、契約の相手方である実施機関等に限定されているものと考えられる。すなわち、本件印影はいずれも当該法人が真正かつ真意に基づいて作成した文書であることを示す機能を有する性質のものであるとともに、特定の書類に限定して用いられ、当該法人においてむやみに公にしていないものと認められることから、公にした場合には、当該法人の各種書類の偽造等に悪用されるなどが考えられる。よって、本件印影は、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動にかかわりなく、本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(15)、(16)一般社団法人A理事会、通常総会等の開催に係る書類(平成26年度、平成27年度)
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、一般社団法人Aから提出された、当該法人の理事会及び総会等の案内状に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく、本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(17)小豆郡一円におけるニホンジカの捕獲禁止に係る意見に係る書類(平成22年度、平成25年度)
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
個人の住所、氏名、役職及び印影 本件非公開情報が記載されている当該意見書は、改正前の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第12条第2項に基づく狩猟鳥獣の捕獲禁止期間の更新に関する旧社団法人Aの意見等が記されたものである。当該意見書に記載されている個人の住所、氏名、役職及び印影については、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであるから条例第7条第1号本文に該当すると判断される。次に、ただし書の該当性について検討する。当該意見書は小豆郡一円におけるニホンジカの捕獲禁止に関して当該法人の意見等を記したものであるが、実施機関に確認したところ、当該案件については、県の関係各課及び当該法人を含む利害関係人から意見を聴取しているとのことであった。また、利害関係人のうち法人等から意見を聴取する場合においては、通常、当該案件について、意見を述べることができる法人等の代表者によって当該意見書が作成されることになっている。したがって、当該意見書を作成した旧社団法人Aの代表者である役職については、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報と認められ、ただし書アに該当し、公開すべきであると判断される。また、旧社団法人Aの代表者の住所・氏名は、法人登記簿に記載されており、何人も登記簿に記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができることから、当該情報は法令の規定により公にされている情報といえ、条例第7条第1号ただし書アに該当し、公開すべきであると判断される。なお、当該個人の印影は、法令等の規定により又は慣行として公にされている情報であるとはいえず、条例第7条第1号ただし書アに該当しないと判断される。また、ただし書イからエに該当しないことは明らかである。 個人の住所、氏名、役職
(18)、(19)鳥獣保護区等の存続期間更新及び指定についての意見等及び獣類の生息状況に係る書類(平成22年度~平成26年度)
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人等の印影 本件印影は、A及びAの支部を名乗る各地域の任意団体から提出された鳥獣保護区等の存続期間更新及び指定についての意見書及び鳥獣保護区更新等に係る鳥獣の生息状況の有無等が記された文書に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人等の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人等の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人等の正当な意思、期待に反し、当該法人等の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
個人の住所、氏名、役職、電話番号及び印影 本件非公開情報が記載されている当該文書は、鳥獣保護区等の存続期間更新及び指定についての法人等の意見等及び当該更新に係る鳥獣の生息状況の有無等が記載されたものである。当該文書のうち、個人の住所、氏名、役職、電話番号及び印影については、個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであるから、条例第7条第1号本文に該当すると判断される。次に、ただし書の該当性について検討する。当該文書は、鳥獣保護区等の更新及び指定及び鳥獣類の生息状況に関して法人等が意見等を記したものであり、既述のとおり、法人等から意見を聴取する場合においては、通常、当該案件について意見等を述べることができる法人等の代表者によって当該文書が作成されることになっている。したがって、当該文書を作成したA及びAの支部を名乗る各地域の任意団体の代表者である役職名については、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報と認められ、ただし書アに該当すると判断される。また、当該個人の住所・氏名のうち、Aの代表者の住所・氏名は、法人登記簿に記載されており、既述のとおり、当該情報は法令の規定により公にされている情報といえ、条例第7条第1号ただし書アに該当し、公開すべきであると判断される。なお、個人の印影、電話番号、Aの代表者以外の住所・氏名は法令等の規定により又は慣行として公にされている情報であるとはいえず、条例第7条第1号ただし書アに該当しないと判断される。また、ただし書イからエに該当しないことは明らかである。 個人の役職、Aの代表者の住所・氏名
(20)狩猟免許試験委員及び更新講習講師の推薦に係る書類(平成22年度~平成26年度)
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、Aから提出された狩猟免許試験委員及び更新講習講師の適格者を推薦した書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
個人の役職名、氏名、住所及び電話番号 狩猟免許試験委員に推薦された適格者の役職名、氏名、住所及び電話番号はいずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(21)狩猟関係委託事業に係る書類(平成22年度~平成26年度)
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、香川県猟友会から提出された狩猟関係委託事業に係る書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開すること、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
事業実績報告書及び収支決算書における単価及び内訳金額 本件処分により非公開とされた単価及び内訳金額が記載されている実績報告書及び収支計算書は、平成22年度から26年度に締結した、狩猟関係事業委託契約に基づきAが実施機関に提出した書類であることが認められる。現在、当該事業を行うことができるのはAのみであるため、当該契約は随意契約の方式で締結されている。しかし、実施機関に確認したところ、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(以下、「鳥獣保護管理法」という。)第18条の2に基づき新設された、都道府県知事から認定を受けた鳥獣捕獲等事業者(以下「認定鳥獣捕獲等事業者」という。)が増えていくことが予想されることから、今後はA以外でも当該事業を行うことが可能となるため、当該事業にあたっては公募型企画提案(プロポーザル)方式又は一般競争入札方式による契約に移行する可能性が高いということである。以上のことを踏まえて、本件非公開情報について検討する。本件単価及び内訳金額は、Aが当該事業の細目をいくらで見積もったかがわかる情報であるところ、当該法人におけるコスト削減等の企業努力、ノウハウ等によって算出されたものであり、公にされているものではないことから、当該情報は秘匿されるべき法人の事業に関する内部管理情報であると考えられる。したがって当該情報が公開されると、将来の同業他社との競争関係において不利になる等、法人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあると認められる。よって条例第7条第2号本文に該当すると判断される。また、ただし書に該当しないことは明らかである。  
再委託に係る申請書類における受託者及び再委託の理由 本件処分により非公開とされた受託者及び再委託の理由は、狩猟鳥獣生息調査事業を行うにあたって実施機関に再委託の承認を受けるため申請された書類に記載されている。実施機関に確認したところ、当該事業は、休猟区解除後の地域において猟犬を用いて狩猟鳥獣の生息状況を確認する事業であり、その業務の遂行にあたっては、専門性に優れ、調査対象地域に精通した者に調査を行ってもらう必要があるということである。旧社団法人Aは狩猟関係委託事業を行う上で、知識・技術・実績を有する者を会員とする県内唯一の法人であることを理由に県と随意契約を結んでいるが、より精度の高い調査を行うため、当該事業においては、各調査対象地域に精通した狩猟愛好者から構成される、Aの支部を名乗る各地域の任意団体に再委託を行っている。また、各調査対象地域において、当該事業を行うことができる当該地域に精通した専門性のある狩猟愛好者を有しているのは、当該法人とは人格を異にする別団体であるが名目上の支部である当該団体のみということであった。したがって、当該法人が再委託先を選定するにあたっては、各調査対象地域を所管する当該団体を選定するほかなく、また、各地域において委託先が一つしかなく選択の余地がないことから、当該選定は企業活動上のノウハウによるものであるとはいえないため、本件受託者は法人の内部管理情報とまでは認められない。また、本件再委託の理由に記載されている内容も委託先の団体の概況が主であり、秘匿されるべき法人の事業に関する内部管理情報であるとまでは認められない。よって、当該受託者及び再委託の理由を公開したとしても、法人の競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるとはいえず、条例第7条第2号に該当せず、公開すべきであると判断される。しかし、受託者には個人の役職、氏名が含まれており、当該役職及び氏名は個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものであると判断され、条例第7条第1号本文に該当する。次にただし書の該当性について検討する。通常、再委託契約を締結するのは当該団体の代表者であるため、当該受託者に含まれる役職名は、代表的立場である特定個人の役職名であると容易に推測される。そうすると、当該役職名については、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報と認められ、条例第7条第1号ただし書アに該当し、公開すべきであると判断される。一方、個人の氏名は、既述のとおり、いずれのただし書にも該当しないと判断される。 受託者(個人の氏名を除く)及び再委託の理由
(22)小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務に係る書類(平成22年度~平成26年度)
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、Aから提出された小豆島地域ニホンジカ捕獲個体調査業務に係る書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(23)香川県緊急雇用創出基金事業有害鳥獣捕獲技術指導員人材育成事業業務に係る書類
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、一般社団法人Aから提出された香川県緊急雇用創出基金事業有害鳥獣捕獲技術指導員人材育成事業業務に係る書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
事業実績報告書における内訳金額 本件処分により非公開とされた内訳金額が記載されている事業実績報告書は、平成26年度に締結した、香川県緊急雇用創出基金事業有害鳥獣捕獲技術指導員人材育成事業業務委託契約に基づき一般社団法人Aが実施機関に提出した報告書であることが認められる。また、当該契約は随意契約の方式で締結されたものであるが、既述のとおり、鳥獣保護管理法により新設された認定鳥獣捕獲等事業者が増えていくことが予想されることから、今後は当該事業にあたっては公募型企画提案(プロポーザル)方式又は一般競争入札方式による契約に移行する可能性が高いということである。以上のことを踏まえて、本件非公開情報について検討する。本件内訳金額は、当該法人が当該人材育成事業において、人件費や事務費をいくらで見積もったかがわかる情報であるところ、当該法人独自のコスト削減等の企業努力によって算出されたものであり、公にされているものではないことから、当該情報は秘匿されるべき法人の事業に関する内部管理情報であると考えられる。したがって当該情報が公開されると、将来の同業他社との競争関係において不利になる等、法人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあると認められる。よって条例第7条第2号本文に該当すると判断される。また、ただし書に該当しないことは明らかである。  
(24)平成24年度香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業市街地イノシシ個体数調整事業委託業務に係る書類
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、旧社団法人Aから提出された香川県市街地イノシシ個体数調整事業委託業務に係る書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
個人の氏名、住所、役職、狩猟免許番号及び狩猟者登録番号 個人の氏名、住所、役職、狩猟免許番号及び狩猟者登録番号はいずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(25)平成25年度香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業イノシシ個体数調整事業委託業務に係る書類
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、旧社団法人Aから提出された香川県市街地イノシシ等侵入防止モデル事業イノシシ個体数調整事業委託業務に係る書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
(26)平成26年度香川県野生鳥獣適正管理推進事業野生鳥獣捕獲試験事業委託業務に係る書類
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、一般社団法人Aから提出された香川県野生鳥獣適正管理推進事業野生鳥獣捕獲試験事業委託業務に係る書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  
個人の氏名、電話番号、住所及び役職 捕獲隊員名簿等に記載された個人の氏名、電話番号、住所及び役職はいずれも個人に関する情報であって特定の個人を識別することができる情報であることから、条例第7条第1号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される  
(27)一般社団法人移行認可に係る書類
公開しない部分 審査会の判断 公開すべき部分
法人の印影 本件印影は、旧社団法人Aから提出された一般社団法人への移行認可に係る書類に押印されているものであり、既述のとおり、当該法人の内部管理情報として管理されているものと判断され、本件印影を当該法人の事業活動に関わりなく本条例により広く一般に公開することは、当該法人の正当な意思、期待に反し、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められるので、条例第7条第2号本文に該当し、ただし書に該当しないと判断される。  

401号~450号 451号~500号 501号~

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