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政府は、先月17日に、社会保障・税一体改革大綱を閣議決定した。この大綱では、社会保険方式の所得比例年金と税財源による月額7万円の最低保障年金の組み合わせからなる一つの公的年金制度にすべての人が加入する新しい年金制度の創設について、国民的な合意に向けた議論や環境整備を進め、平成25年の国会に法案を提出すると明記している。
言うまでもなく、新しい年金制度の創設に当たっては、公的年金財政の健全化を図り、将来にわたって年金加入の現役世代に揺るぎない信頼を得られる健全かつ安定した公的年金制度でなければならない。
しかしながら、新しい年金制度については、財源を含め、移行期間や減額給付の対象など具体的な制度設計が明らかになっていないため全体像が見えず、平成25年の法案提出の実現性も不透明と言わざるを得ない。
こうした中、政府は、社会保障改革法案の調整が難航していることから、消費税関連法案の提出を先行させるという、場当たり的な姿勢を示している。
そもそも、消費税増税は、財政危機対策と言うべきところを、社会保障と税の一体改革と言うことにより、社会保障改革を増税の方便にしようと考えているのではないかとの懸念を払拭しえない。
新しい年金制度の具体的な制度設計も不透明なまま、消費税増税関連法案を成立させようとする政府の姿勢に、消費税増税に対する国民の理解が得られるとは考え難い。政府は、まず、新しい年金制度の将来像を明確に示す必要がある。
よって、国におかれては、国民が安心できる持続可能な公的年金制度を確立するためにも、新しい年金制度の具体的制度設計を早期に公表するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年3月19日
香川県議会
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