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公開日:2020年12月10日

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[伝統文化]生者と死者の夏祭り、夏の風物詩

夏の日差しがさんさんと降り注ぐ讃岐路。
あちこちでひまわりの元気な花畑を見ることができます。
ひまわりのように暑さに負けず笑顔で過ごしたい。
そんな願いを込めて「夏越祭(なごしまつり)」が行われます。

ひまわりの写真

暑さに負けない夏を祈る

7月1日、2日には、高松市一宮町の田村神社において「夏越祭」が行われます。茅(ち)の輪をくぐり、形代祓(かたしろはら)えで夏の悪い虫を封じ込めるといわれています。

7月土用の丑の日には、三豊市豊中町の本山寺で「きゅうり加持」が行われます。1人一本キュウリを持参し、その中に護符を埋め込みご祈祷します。7月第3日曜日には、丸亀市本島の正覚院で、「山伏が千年を超える」火渡りの荒行を行い、熱湯を木の葉で参拝者に振りかけるという熱湯加持を行います。7月31日、東かがわ市の白鳥神社で、茅の輪をくぐり夏の無病息災を祈る「夏越祭」が行われます。8月第1土曜日には、さぬき市津田町「津田石清水八幡宮」で大きな茅の輪を三度くぐって厄をはらう「夏越し」神事が行われます。

花火の写真

白鳥神社の「夏越祭」。夜には花火も上がります。

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「お大師山の火祭り」

その昔は「ハツカボン」といって、盆の20日は仕事休みをしました。さぬき市大川町のお大師山では、108箇所で“たいまつ”を炊く「お大師山の火祭り」が行われてきました。「オハッカの火」とも呼ばれ、大規模な盆の送り火のようなもの。現在では8月の第4土曜日に行われています。

お大師山の火祭りの写真

お大師山の火祭り

「梨の防蛾灯(ぼうがとう)」

観音寺市豊浜町は梨の生産が盛んです。春には斜面一面に広がる梨の花。夏には、防蛾灯で幻想的に山が照らされます。梨の果実が実る頃、夜行性の害虫が果汁を吸いに集まってきます。それを防ぐために、虫が嫌う黄色の光やその波長を出す防蛾灯をともします。

お盆と地蔵盆

「お盆」は今も昔も大切な行事、亡くなった方がわが家に帰ってくる日といわれ、高松市などでは、新仏のあるなしにかかわらずお墓に「墓灯ろう」を飾ります。8月13日、土庄町では白装束の一行が、新仏が初盆を迎える家などを周り、念仏を唱える「夜念仏(よねんぶつ)」が行われます。8月14日、小豆島町の別当川では「ぼんくど」とも呼ばれ、無縁仏(餓鬼)を供養する「川めし」が行われます。

8月23日、24日頃は「地蔵盆」。お地蔵さまにお供えをし、数珠繰りや地蔵祭りが行われます。高松市円座町では、地区にある9体のお地蔵さんを運んで一箇所に集めてお祭りをするという「東永井の地蔵祭り」が行われていました。現在は、それぞれのお地蔵様の前で、23日に近い土曜日か日曜日に行っています。

川めしの写真

川めし/早朝から河原を清掃し、五目飯を炊き、木の葉の上にのせてそなえます。

さぬきのおたから総力取材

地蔵まつりと数珠繰り

田んぼやあぜ道などにあったお地蔵さんや石塔は、開発のために場所が移されたものが多くあります。さぬき市寒川町にある「新川(にいかわ)庵」には、外には、経文を記した石柱である鎌倉時代の二基の経幢、庵内には一向宗の阿弥陀さん、真言宗のお大師さん、お不動さんなどが共に祭られ、8月20日に仲良く地蔵まつりを行っています。

地蔵祭りによく行われる数珠繰りですが、ここではすぐ東にある「新川神社」で、「元気に田植えができますように、豊作でありますように」との願いを込めて、毎年5月の第2日曜日に行っています。地元の河野輝子(92歳)さんによると、江戸時代に伝染病が流行し、その厄をはらうために始まったものだそうです。「千べんぐり」といって、太鼓や鉦をたたきながら「チンチンドンドンナンマイダー」と唱えながら、大きな数珠を回します。

千べんぐりの大数珠の写真

千べんぐりの大数珠/大数珠を手に昔話に花が咲く、左から新川さん、河野さん、木虎さん。人々の手によって磨かれた数珠は、つやつやと輝いています。

新川庵経幢の写真

新川庵経幢/新川庵の前にある経幢は、男山神社の境内にあったものを移したといわれ、元寇の戦いで戦死した兵士の霊を弔うためのものと伝わります。

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