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公開日:2020年12月10日

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[食文化] ふだんごはんと、ハレの日ごぜん

味食文化

食べものが豊富な今と違い、その昔はわずかな食材で、讃岐弁で言う「おなかをおこす(満腹になる)」工夫をしていました。
特別なハレの日には、「ばらずし」など、家々自慢のごちそうを作ります。

ばら寿司の写真

味おかゆと炊き込みご飯

稲の収穫が終われば、新米のおいしさを味わうことができます。今も昔も米どころの讃岐ですが、その昔の農家では、白米をふんだんに食べていたわけではありません。もみすりのときなどにできる割れた米を「砕け米」といって大切に集め、イモやあさりなどと一緒にお粥(かゆ)さんにして食べていました。
また、ご飯に具を入れて炊くのもおかずがいらない工夫。香川県には、大根めし、いりこめし、こんにゃくめし、豆腐めし、兎(うさぎ)めし、魚めし、たこめしなどがあります。
チヌやボラ、ヒラメやスズキなどを持ち帰ると、魚をまるごと一匹米と一緒に炊きあげます。炊きあがったら、魚を取り出して骨をキレイに取り、身だけをごはんに混ぜ込めば、魚めしのできあがり。

芋がゆの写真
芋がゆ/秋から冬にかけてよくつくられていた芋がゆ。芋の代わりにカボチャを入れても甘くておいしい。

たこめしの写真
たこめし/瀬戸内海では弥生時代や古墳時代から、大きな巻き貝の殻などを使いタコ漁をしてきました。今もタコ漁が盛んな香川県。たこ飯は文句なくおいしい郷土料理です。

宝 あなたの残したい讃岐の“おたから”提供 ふるさとおたから情報

「もっそ」

豊作を祈り、大漁を願い、厄をはらうというモモテの神事。その会食には「押し抜きずし」が多く出されます。善通寺市吉原町のモモテ行事には、ばらずしを押し抜いて、1人前2合半の「もっそうめし」がつくられていました。
三豊市では、「もっそめし」と呼ぶ郷土料理があります。煮干しや油揚げ、野菜などを入れた炊き込みご飯で、「やべち」と呼ばれる共同の農作業などにつくったそうです。今では牛肉を使った「肉もっそ」が人気。本山寺のおせったいにも登場したことがあり、月に一度は三豊市豊中町の不動の滝カントリーパークで販売されています。

肉もっその写真
肉もっそ/まちづくり推進隊豊中のみなさんがつくる「肉もっそ」

味ハレの日のおすし

香川県には、各地域で個性的な「ばらずし」や「押し抜きずし」が作られています。
春分の日と秋分の日に近い戌の日は、土地の守り神さまのお祭り「社日」(地域によっては「地神祭」)。この日に、田の神が山から下り、稲の生育を守り、秋の収穫がすんで山に登るといわれています。坂出市など1人前5合もの大きな押しずしをつくるところもありました。特に豊作を祝う秋祭りには、巻きずしやばらずし、押し抜きずしがあちこちで作られます。昔は、祭りのすしの魚はあじやさばなどの背の青い魚に塩をしたものが大半でした。島や漁村では、ままかり、このしろ、あいご、たなごなど、とれたての魚を使ってすしをつくります。あじなどは、頭や尾をそのまま残す姿ずしになります。

押し抜きずしの写真
押し抜きずし/サワラをのせた押し寿司などをつくって親戚縁者を招くことを「はるいお」と呼んでいました。

姿ずしの写真
姿ずし/高松市塩江町の「あまご三昧」さんでは、背中を開いておなかを上に向けたアマゴの姿ずしが味わえます(要予約)。

さぬきのおたから総力取材

今では希少な碁石茶でつくる茶粥

塩飽諸島の一部の島では、かつて茶粥が郷土の主食として親しまれていました。茶粥とは、米を高知県の大豊町で作られる碁石茶で炊いたもの。鍋で碁石茶をしっかり煮だし、沸騰した鍋に生の米を入れておよそ17分。出来立ては少し固めなくらいがちょうどいいと言われています。地域によってはサツマイモなども一緒に炊いて食べていました。茶粥が主食だった理由は、島にはコメが手に入りにくかったため、満腹感を得るためにお粥にしていたと言われています。
現在でも、志々島、粟島、高見島では、茶粥が地域の集会などで食されています。碁石茶は、発酵茶として近年需要が増えたため、島ではなかなか手に入らなくなりました。そのため、ほとんどの島では、碁石茶の代わりに島で生育するはぶ茶などを使った茶粥が主流となっています。

茶粥の写真
碁石茶で作った茶粥/志々島

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