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公開日:2020年12月10日

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[伝統文化と農業技術] しなやかに変化する、竹と藁

平安時代から竹の産地として知られた香川県。
壁や生け垣、カゴやザルなど、竹は暮らしのさまざまな場面で活躍してきました。
米や麦のワラからも、さまざまなものがつくられました。

竹林の写真

竹林を美しく

昔から竹の産地であった香川県。その竹を使った竹細工は、香川県では江戸時代から始まり、伝統工芸として今も伝わります。また、簡単にできる竹とんぼや風車など、竹のおもちゃづくりも人気です。

「雨後の竹の子」という言葉があるように、竹はみるみる成長し、2~3か月で10~20mも伸び、強じんな根を周囲に張り巡らせます。ですから、タケノコ掘りはもちろん、竹林の手入れをすることが必要です。

竹は、木材とは違い古くなると利用価値は下がります。そこで、マダケやモウソウチクは3~4年たてば、伐採整理する必要があります。伐採時期は10月から12月がよく、足に刺さらないよう地面の間際、節の真上で伐採します。

竹細工の写真

竹細工/高松市塩江町のセカンドステージでは、バンブーワークの工房があり、竹細工の体験指導も行っています。

タケノコの写真

タケノコ/炊き込みご飯に天ぷら、木の芽和えなど、春の郷土料理に欠かせません。

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「まんのうの竹」

まんのう町周辺はタケノコの産地としても知られ、竹の美林が多く残っています。その竹を利用して、さまざまな製品も生まれています。例えば、仲南森林組合では、成長を促す効果があるという孟宗竹の竹パウダーをつくり、米や野菜、果樹などの土壌改良に利用しています。

道の駅の「仲南産直市」では、旬のタケノコがコンテナ一杯に販売されます。成長した竹の穂先を食用にする「穂先タケノコ」も販売され、「竹取うどん」なども人気です。

また佐分には、竹を巧に使った遊具がある「かぐや姫プレイパーク」(学校の休みに開園)があります。

竹取うどんの写真

竹取うどん/道の駅「空の夢もみの木パーク」には仲南産直市があり、食堂では穂先タケノコが入った「竹取うどん」を味わえます。

かぐや姫プレイパークの写真

かぐや姫プレイパーク/竹林の中で子どもたちがのびのびと過ごせる「子どものための冒険遊び場」。ピザ工房もあります。

さぬきのおたから総力取材

暮らしを支えた藁(わら)

米や麦の藁も昔は履物に帽子に、敷物に飾り物、時には屋根にも利用してきました。昭和初期には、藁の加工品は重要な農家の収入源で、米や塩などを入れる「叺(かます)」は、国内はもとより満州に輸出されるほど。製塩業が盛んだった香川県では、主に「塩叺」がつくられていました。

綾川町の西村武男さんは昭和8年生まれ、小学校の時には、家でつくった「わらじ」を履いて勤労奉仕に出かけた記憶があるそうです。その頃から見よう見まねで、わらじづくりを覚えた西村さんは、今も地域の皆さんに請われて、藁製品づくりを行っています。

わらじづくりの写真

わらじづくり/藁製品に囲まれわらじをつくる西村さん。

念仏踊りのわらじ

綾川町滝宮で毎年行われている「滝宮念仏踊」(国の重要無形民俗文化財)の下知(げち)と呼ばれる踊り手が履く“わらじ”。これも西村さんがつくっています。下知は激しく飛び跳ねて踊るため、丈夫でなければなりません。踊りやすいようにといろいろ工夫を重ねているうちに、百年前は大麻でつくられていたという記録が出てきました。そこで、大麻に近い素材を探し、“マオラン”という植物を見つけ、それで“わらじ”をつくるようになったそうです。

他にも綾川町内の祭りに必要な“わらじ”やしめ縄、米俵もつくります。その昔の運搬道具であった“ふご”もつくります。そして、ときには、学校や公民館で、藁製品づくりの指導をすることもあると語ってくれました。

西村さんは、歩行式の機械を使い米づくりからていねいに行っています。そうして、刈り取った稲藁を「ワラグロ」にして保存しているのです。

わらじの写真
わらじ

ワラグロの写真
ワラグロ/脱穀をした後の稲わらを束にして重ねたワラグロ。

米俵の写真
米俵/西村さんの“米俵”は、平成28年6月に開館の「主基斎田記念館」に展示される予定です。

ワラグロ/Googleマップで拡大表示(外部サイトへリンク)

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