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自然風景・伝統文化
石ものがたり巨石の情景・奇岩の話
香川県には、讃岐富士の山頂や神社の裏庭など、幾つかの巨石文化が残されています。
巨岩奇岩を紅葉が彩る小豆島の寒霞渓や妙なる調べを奏でる「サヌカイト(讃岐岩)」など、不思議な石に恵まれた香川県。
香川大学では、「讃岐ジオパーク」構想が進行中です。
寒霞渓/1300万年前の火山活動が生んだという石の絶景。
自然の驚異・神の岩
東かがわ市の鹿浦越(かぶらごし)岬には、国指定天然記念物の「ランプロファイヤ岩脈」があります。ランプロファイヤ岩脈は、すでにあった花こう岩の地層にマグマが貫入してできた貴重な地質岩脈といわれています。綾川町の高鉢山キャンプ場には、真夏でもひんやりとする風穴があり、子どもたちにも大人気です。坂出市と宇多津町の境にある聖通寺山の坂の途中には、カンタンにゆれる10tの「ゆるぎ岩」があり、香川県の天然記念物に指定されています。宇多津町の宇夫階神社の本殿の後ろには、重さ300t以上と推定される巨岩を中心に巨石がまつられています。大昔は、磐座といって大きな岩の上に神様が下りてこられると信じられていました。三豊市仁尾町には、蓋(てんがい)石を屋根、岩屋石を天井にした「妙見(みょうけん)宮」があります。
ランプロファイヤ岩脈/花こう岩と煌斑岩(こうはんがん)の白と黒のしま模様になっています。
正式な学名は「ランプロファイア」ですが、昭和17年に「ランプロファイヤ岩脈」として国指定天然記念物に登録されました。
あなたの残したい讃岐の”おたから”提供ふるさとおたから情報
「仁尾の風穴」
三豊市仁尾町の志保山に次世代に伝えたい「風穴」があります。風穴とは、風が通り抜ける洞穴のことで、吹き出す風は真夏でも冷たく、昔は貯蔵のために利用されていました。仁尾町の風穴は、資料によると、明治40年代頃に発見され、蚕の卵の貯蔵室などに利用していたようです。建物は残っていませんが、急斜面を登っていくと、しっかりとした石積みの貯蔵庫跡が見えます。平成26年に半世紀ぶりに発見され、話題になりました。真夏でも15℃前後に保たれている風穴をぜひ肌で感じてみてください。
仁尾の風穴
伝説の岩と丁場跡
三木町の三ツ子石池には、三歳の子が縄を掛けて背負うと軽くなったという伝説の大石があります。てっぺんには小さなお地蔵様がまつられています。
小豆島町の「大阪城石垣石切丁場跡」は国の指定史跡。その中でも最大規模を誇るのが「天狗岩丁場跡」です。そこには、ひときわ大きい推定重量1,700tの「大天狗岩」があります。土庄町の「小瀬の重岩」は、「小瀬の丁場」に残る巨岩。岩の隙間に祠があり、パワースポットといわれています。
観音寺市の琴弾公園にも巨石が点在し、さまざまな御利益があるといわれています。問答石は、琴弾八幡宮の開祖である日証上人が八幡大菩薩と問答をした場所といわれています。
三ツ子石池/小さな子どもが背負って歩いた縄の跡が残っているという三つ子石
山上にそびえる、くじら岩
東かがわ市の山中に巨大クジラ出現!といいたくなるような、インパクトのある巨石があります。そこは、虎丸山、那智山と並ぶ水主三山の一つ「本宮山」。麓には、「倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)」を祭る「水主(みずし)神社」があります。付近には、縄文後期から弥生時代、古墳時代の遺跡が発見されていて、古くから農耕が行われていたことをしのばせ、その社名からも水神として崇められていたことが分かります。
赤い鳥居をくぐって、本宮山の登山道をたどれば1時間ほどで山頂に到着。そこにそびえる「くじら岩」。江戸時代末期、嘉永6年(1853年)発行の「讃岐国名勝図絵」では、「タテ石(立石)」と書かれていました。立石とは境界の目印となるものという意味で、広大な水主神社の社領を示す目印ではなかったかといわれています。
くじら岩/クジラが口を開けているようなくじら岩
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