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公開日:2020年12月10日

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[伝統文化] さぬき民謡の世界、うたとおどり

伝統文化

〽ハアーア よいしょこらしょでえ
ソリヤ街行く米は 在郷百姓さんの涙米よ
ハアーア ヨイトマ涙米よ
〽ハアー破れ草履も ソリヤ粗末にするな
お米育てた藁じゃもの藁じゃものよ
「讃岐草取唄」伝承地:高松市三谷町

棚田風景の写真

写真は小豆島町中山の棚田風景

 

伝労作の唄

「讃岐は気候が温和で地味が肥え、昔から農事が盛んに行われている。例えば讃岐の米は、讃岐米として広く知られ、また麦や野菜も良質なものが作られる。農事が盛んに行われると、それに関した労作の唄が非常に多く、これが讃岐の民謡の主体となっている」香川県教育委員会編さんの「香川県の民謡」より。昭和56年発行のその冊子によると、香川県の伝承民謡収録数は651を数えました。その労作の唄とは、田植歌や水かえ唄、田の草取唄、麦打ち唄、粉ひき唄、もみすり唄など、昔ながらの農作業が目に浮かぶような唄の数々です。
瀬戸内海を行き来する舟の上でも舟唄や櫓こぎ唄、網ひき唄、大漁節などが歌われていました。

浜引人形の写真

浜引人形/馬鍬(まんが)を引いて塩田作業の苦労をしのばせる坂出市の「浜引人形」

うた

あなたの残したい讃岐の“おたから”提供 ふるさとおたから情報

「一合まいた」

「一合まいた」は讃岐一円で古くから歌われ、広く親しまれてきた香川県を代表する盆踊り唄です。全国各地の民謡は江戸時代中期以降に発祥したものが多いなかで、「一合まいた」の歌詞は室町小唄の流れをくんだ古からの盆踊り唄。一合、二合、三合とくり返され、豊作を願う民衆の願いが込められています。
〽一合まいた籾の種その枡あり高が(コリャセー)
一石一斗一升一合と一勺
(アーヨーホイヨーホイヨイコラセ)「一合まいた」
伝承地:さぬき市大川町ほか、よく似た唄が県内各地に伝わる。

高松まつりの写真

高松まつり/香川県最大の夏祭り「さぬき高松まつり」では、現代風にアレンジした「一合まいた」で総踊り。なつかしの「一合まいた」は、前夜祭などで踊ります。

 

伝遺徳をしのんで

砂糖づくりや醤油づくり、綿づくりが盛んな讃岐ではそれぞれの場面で作業唄が歌われてきました。ため池の池普請などで歌われる地づき唄もあります。

また、良質の花こう岩を産出する、小豆島の土庄町大部や四海、高松市庵治町や牟礼町、丸亀市本島町、広島町などでは、石切り唄が伝わります。例えば、牟礼町の石切歌では「石屋さんの山はヨーホイ 日本一のヨ庵治の石ヨーホイ」と歌われます。

珍しいところでは、ふるさとの偉人を伝える民謡も残されています。その一つが丸亀市綾歌町に伝わる「岡田おどり」。水不足に悩む岡田の地に水を引くことを決意し、私財を投げ打って「亀越池」を築いた岡田久次郎。その遺徳をしのんで踊ったのが始まりです。

庵治石の大丁場の写真

庵治石の大丁場/「丁場」とは石材を採掘する石切場。大丁場は、江戸時代には高松藩の石を切り出していた御用丁場でした。

岡田おどりの写真

岡田おどり/「あやうたふるさとまつり」で久次郎さん(着ぐるみ)と踊る岡田おどり保存会のみなさん。

 

さぬきのおたから総力取材

鍬おどり

「鍬おどり」は、約160年前に財田町に生まれ、県議会議員を務めた大久保諶之丞ゆかりの踊りです。諶之丞は100年以上前に瀬戸大橋の架橋や、水不足に悩む香川県に隣県徳島から水を引く吉野川導水の必要性を説くなど先見性を持った人で、丸亀市から高知県を経て松山市に至る「四国新道」の建設では、私財を投げ打ちながら工事を続けました。1886年に琴平町で行われた四国新道の起工式で、諶之丞が財田の村人約300人と共に、自作の歌に合わせて鍬をふるい踊ってみせたのがこの「鍬おどり」です。1986年に始まった諶之丞まつりに併せ、この踊りを復活させようという声が上がりましたが、残っていたのは歌詞のみ。そこで当時中学校の音楽教師だった川崎さんを中心に、曲と振り付けが考案されました。素朴な中に躍動感に溢れるリズムが好評で、現在では保存会のメンバーが、三豊市内の様々なイベントで踊りを披露しています。

鍬おどりの写真1 鍬おどりの写真2

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