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公開日:2020年12月10日

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[農業技術] 山の暮らし、炭焼きと狩猟

技農業技術

豊かな自然に包まれる山の暮らし。
そこにも、先人たちの知恵が凝縮されています。
木を切り出し、獣に立ち向かう山人たち。
今に伝わるたくましい生き方を教わりましょう。

山の写真

伝山の神と生きる

正月を過ぎて行う山の仕事始めは「ヤマノクチアケ」といい、山の神様にお供え物をしました。オコゼの頭を持って山に入ることもあったそうです。
また、正月の9日などは、「ヤマノカミノヒ」「ヤマノカミノオセチビ」といって、山の神様とイキアイになるので、山に入ってはいけない日とされていました。
山仕事の一つは「炭焼き」です。昔は、「ヤマハジメ」といって山の木を切り出し、切り終わると「ヤマジマイ」といって、山の神にお神酒を供えました。山中には、ところどころ山の神の祠や村境のお地蔵さんなどが祭られています。

日月神の地蔵の写真
日月神の地蔵/塩江町上西の山中にある珍しい太陽と月を彫ったお地蔵さん。

山の神の写真
山の神/上西にある山の神。竹林の中で今も大切に守られています。

技炭をつくる

炭焼きの釜(窯)は、炊き口から風の入る場所を選び、水の得やすいところにつくります。釜ができると、火尻や山の神にお神酒を供えました。原木は、クヌギやナラが良く、それを切って、釜の奥から積み込んでいきます。シバなどで火をつけて、釜全体に火が回ると、煙が濃くなって焚き口の方から出てくるので、トメギ(止木)をして、焚き口を小さくして後ろの火尻を開きます。煙が出ないようになると火を小さくして、三昼夜くらいそのままにします。良くできた炭は、原木の形そのままで亀裂がなく、光沢があって音の響きが良いものとされています。
最近では、バーベキューなどに活躍する木炭。また、脱臭や空気浄化の効果があるとして“竹炭”も人気があります。

炭焼き釜の写真
炭焼き釜/高松市塩江町の藤澤香月さんの炭焼き釜。この釜を利用して、NPO法人奥塩江交流ボランティア協会の「炭焼き体験教室」が行われています。

竹炭の写真
竹炭/竹林の整備にもつながる美しい竹炭

さぬきのおたから総力取材

尾根に立つ鹿(しか)

その昔は、イノシシやタヌキ、ウサギを捕まえて食べるのは山のごちそうでした。高松市塩江町貝の股に住む藤澤香月さんは、先祖代々の山暮らし。そのおじいさんも猟をしていました。それは火縄銃で、弾は自家製。銅を溶かす鍋が家にあったそうです。大正時代の初め頃までは野生のシカがいて、おじいさんはシカを撃ち取った話を聞かせてくれたそうです。「シカの尾立ち」という言葉があり、シカは尾根に来ると、どちらに逃げようか一度立ち止まるとか。一度はいなくなったシカですが、再び出没し、木の皮をはいで一帯を荒らす食害に困っています。
ちなみに、小豆島にはシカやイノシシから農作物を守る「猪鹿垣(ししがき)」が残されています。

シカの写真
香川県の県獣「シカ」。小豆島には野生のニホンジカがすんでいます。

猪鹿垣の写真
猪鹿垣/昔は、竹や木で囲いを作っていたそうですが、中には丈夫な石積みや土塁があり、その一部を小豆島の山中で見ることができます。

イノシシの罠(わな)

イノシシも一時、病気のために激減しましたが、平成になって再び増えだしたそうです。今では、香川県内の山や島までイノシシの被害に悩まされています。
そこで藤澤さんは免許を取得し、イノシシの捕獲のために手作りの罠を仕掛けています。イノシシが通る獣道を見つけて設置しますが、罠は大きく2通り。一つは、“くくり罠”。わっかをつくり、そこに足が入ると罠が締まって抜けられなくなります。藤澤さんの場合は、2つのわっかをつくり、どちらから来てもかかるようにします。もう一つは“箱罠”。エサが入った箱の中にイノシシが入ると、出られないように扉が閉まる仕掛けです。
捕獲したイノシシの肉は、道の駅などで販売されています。讃岐のジビエ料理、いかがでしょうか。

  • 炭焼きや茶畑体験、峠の道歩きなど、山を楽しむことができる
    NPO法人奥塩江交流ボランティア協会
    電話087-893-1614

藤澤さんの罠の写真1
藤澤さんの罠の写真2
藤澤さんの罠/1.くくり罠の仕掛けを説明する藤澤さん。

箱罠の写真
2.冬の山中に仕掛けられた箱罠。エサは米ぬかです。

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