「山村振興法」の期限の延長及び「森林・林業基本計画」の推進等を求める意見書
山村における経済力の培養と住民の福祉向上を図り、併せて地域格差の是正と国民経済の発展に寄与するため、昭和40年に「山村振興法」が制定され、多様な支援が行われてきたが、山村を取り巻く情勢は、主要産業である農林業の低迷や就業機会の減少、生活環境整備の遅れと過疎化・高齢化に伴う集落機能の低下などを抱え、依然として厳しい状況にある。
特に国土の約7割を占める森林が有する国土の保全・水源のかん養等の多面的機能が、今後益々低下していくことが懸念される。
よって、国におかれては、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。
記
- 平成27年3月末に有効期限が到来する「山村振興法」の期限を延長するとともに、「森林・林業基本法」による施策の展開を踏まえた都市と山村の較差是正を主眼に置き、地域山村が果たす多面的機能の発揮に係る国の責務を明確にし、対策を講じ、また、山村振興法第3条(山村振興の目標)に、林業・木材産業の振興による地域資源を活用した地域林業の確立、就業機会の増大と雇用確保、若者定住に向けた条件整備を明確に位置づけ、対策を講じること。
- 「森林・林業基本計画」に基づく森林・林業の再生と、森林の多面的機能の持続的発揮に向け、森林整備の推進と地球温暖化防止森林吸収源となる森林の拡大・機能向上に必要な予算を確保するとともに、「地球温暖化対策のための税」の使途に森林吸収源対策を追加する等、森林吸収源対策に係る安定的財源確保を図ること。
- 地域林業を指導する森林施業プランナー等の育成・確保及び振興山村市町への林務担当職員の配置に向けた国の支援措置を講じるとともに、林業事業体への定住対策として、所得補償を行うための林業就業給付金(仮称)の制度化及び住居に関する自治体の優遇措置への支援を行うこと。
- 「公共建築物等木材利用促進法」に基づく、地域材を利用した公共建築物整備の促進及び販売コーディネート機能を併せ持つ官民共通のストックヤードの整備など、地域材の計画的供給体制・販売体制を確立するとともに、未利用資源を活用した再生可能エネルギー政策の推進に当たっては、原木買取価格の山元への還元をはじめ、地域雇用の確保を図ること。
- 森林経営計画の定着に向け、集約化の促進に対する更なる支援の拡充や条件不利地域などでの水源林造成事業による公的森林整備の拡充を進めるとともに、不在村者所有森林などの集約施業が困難な森林については、地方公共団体等の買入れ促進を図るための全額国費による予算措置を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年10月15日
香川県議会