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新幹線は、経済発展や地域活性化の牽引役となる重要な社会インフラであり、併せて、災害に強い地域づくりにも資することから、新幹線が整備された地域とされていない地域との間では、「計り知れない格差」が生じてきている。このような地域間格差を是正することは、我が国の将来の方向性、次世代に向けた新しい成長モデルになりうるものである。
翻って、我が国に未曾有の被害をもたらした東日本大震災では、改めて災害時における交通ネットワークの重要性が確認されたところである。
新幹線導入などによる新線の建設は、路線の高規格化が図られ、近い将来、東南海・南海地震の発生が懸念される中で、災害に強い交通ネットワークの形成を図るという面からも重要な取り組みである。
また、我が国が世界に誇る架橋やトンネルなど土木工学の英知を結集した最新技術を駆使して、地震列島とも言われる日本に新たな新幹線整備を進めることは、「ものづくり王国・技術立国日本」の再生につながるものである。
我が国の現状に思いを馳せれば、10年後、20年後の次代を担う若者たちが四国、そして日本に「夢と希望」を持ってもらえるよう、今こそ、「日本のグランドデザイン」として整備が求められる四国と本州や九州とを広域的に結ぶ「四国新幹線」及び「四国横断新幹線」の導入が不可欠である。
四国の鉄道高速化については、平成23年11月に、四国4県と国、経済界、事業者等で構成する「四国の鉄道高速化検討準備会」を設け、調査・検討を進めた結果、平成26年4月に、社会的観点から費用対効果を評価する費用便益分析において、ルートによっては費用便益比が1を上回るケースがあることが示された。また、地域・経済活性化の効果が見込まれること、更に、災害に強い鉄道網が形成できること、南海トラフ地震等の避難、災害復旧に必要な強靭なネットワークの機能を果たすなど地震等災害時の安全確保効果も見込まれることなど、四国におけるフル規格新幹線整備の妥当性が公表された。
よって、国におかれては、四国の鉄道ネットワークの維持、ひいては、災害時に強い交通体系を形成するため、「四国新幹線」及び「四国横断新幹線」の実現に向けた新幹線の整備計画の格上げに向けた調査・研究を進めるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年7月10日
香川県議会
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