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「KAGAWA草の根協力特使」制度は、香川県出身または香川県で在職経験のある方で、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施するボランティア事業(青年海外協力隊員等)で海外に派遣される方やこの事業と同等と認められる国際協力活動に従事(赴任期間が連続90日以上であること)される方に、赴任地での本県の紹介、日常の活動や体験から得た情報提供を委嘱しているものです。
「KAGAWA草の根協力特使」からの現地レポートをご覧いただけます。
2022年7月よりKAGAWA草の根協力特使として活躍中の3名による現地レポートです!
パラオ共和国のアルモノグイ州に派遣されて早1年が過ぎました。
先日パラオで開かれたフルマラソン大会に出場した際には、沿道に並ぶパラオ人から「がんばれアルモノグイ!」というたくさんのエールをいただきました。完走して村に帰ったら英雄扱いで、自分はもう州の一員として迎えられているのだなと嬉しく思いました。
配属先の小学校では、子ども達の算数の支援をメインに行っています。日本の学校現場で培ってきた数々の技を活かしてサポートしてきました。最初は算数が嫌いだと言っていた子ども達に九九を定着させ、単元ごとの確認テストで確実に満点を取れるように支援し続けてきました。今では算数が一番好きな科目と言う彼らを見て、自分の活動の手応えを感じる日々です。
隣の州の学校の同学年とzoomで繋いで算数大会を開きました。
うどん県を代表して、うどんの作り方も伝授しました。パラオにはUdongという、うどんと似て非なるものもありますが、小麦粉と水から手打ちで作った本場の讃岐うどんを実食して子ども達は目を丸くしていました。それ以外にも運動会の企画、餅つき、茶道や書道などなど日本の文化を惜しみなく伝えています。日本と歴史的に関わりの深いパラオ人は私以上に日本文化に造詣が深い時もあり、毎度驚かされます。
うどん県民の名に懸けて、子ども達にうどんの作り方を教えました。 |
現在取り組んでいるのはAIの普及活動です。ChatGPTの算数ドリルを作って先生方を対象としたワークショップを開いたり、画像生成AIを使った授業を子ども達に対して行ったりしています。私がいなくなった後も、現地の人たちが使い続けられる技術は何だろうかと試行錯誤する日々です。
AIドリルの教員向けワークショップを開催。全国紙にも記事が載りました。 |
運動会で子ども達とソーラン節を踊りました。練習の成果やいかに。 |
Manao ahoana!(マナオーナ!)
JICA海外協力隊としてマダガスカルで活動している道官丈晴です。三木町役場に勤務する地方公務員で現職参加しています。
冒頭の「Manao ahona」はマダガスカル語で「こんにちは」という意味です。
公用語はマダガスカル語とフランス語ですが、日常のあいさつでは「Manao ahona」がよく使われます。
~マダガスカルってどんな国?~
アフリカ大陸の東側に位置する世界で4番目に大きな島マダガスカル。かつてフランスに統治されていたので、公用語として学校でフランス語を学びます。また島に生息する約80%もの動植物が「固有種」であると言われており、巨大なバオバブの木をはじめ、たくさんの種類のキツネザルやカメレオンなどが生息しています。一方で最貧国の一つと言われており、国民の約80%が一日1.9ドル以下で暮らしています。
首都アンタナナリボ |
カメレオン |
~日本とよく似ている?~
マダガスカルは日本と全く違う国のようですが、実は似ているところもたくさんあります。その一つが主食の米です。マダガスカルの一般的な食卓には驚くほどの「山盛り白飯」が出てきます。米の消費量はなんと日本の約2.5 倍だそうです。一方で、おかずの材料は値段が高いので、お米に比べると少ししか食べられない家庭も多くあります。
一般的なマダガスカル料理 |
~配属先と活動について~
私の任地は首都アンタナナリボから西へ約140Kmにあるスアヴィナンジーナです。大学の分校にあたる高等学院に勤務し、大学生や農村住民を対象として、かつて日本で進められた農村地域開発手法である「生活改善運動」の普及を目的とした授業やワークショップを行っています。現在、大学には約1,800人の学生が在籍していますが、公共インフラが整備されていない地域のため深刻な電気・水不足に悩まされています。貧困に直面し、何もかもが不足する厳しい環境の中ですが、将来の農村開発の担い手となる人材育成を行い、マダガスカルにおいて継続的に生活改善につながる活動が実施されることを目指してこれからも励みます。
学生たちと農村の実態調査 |
配属先にて |
ボツワナは、アフリカ大陸最南端の南アフリカ共和国の北側に位置する内陸国です。
アフリカというと貧しい印象を持つ方も多いかもしれませんが、1967年に世界最大のダイヤモンド鉱山が発見されたことにより、「アフリカの優等生」と呼ばれるまでに急成長しました。国が比較的豊かになり顕著になるのがゴミ問題です。私は環境教育隊員として県庁の公衆衛生課に所属し、学校や自治体を巡回しながら、適切なゴミ処理や環境保護に関する授業やワークショップを行っています。
ボツワナの国旗 |
私の考えるボツワナ最大のゴミ問題はポイ捨てで、ボツワナでポイ捨てを見ない場所はないと言っても良いほどです。小学校や自治体で、ポイ捨てにより発生する問題や、ポイ捨てされたゴミが土に還るまでの年月等について授業を行い、その後も繰り返し指導しています。
小学校にて、自作の紙芝居の読み聞かせをしています。 いつも私の授業を楽しみにしてくれ、最前列の取り合いになります。 |
もう一つの問題が分別です。私の住む地域には民間のリサイクル企業がいくつかあり、主にスーパーやオフィスと契約しダンボールやビニールなどの資源ゴミを分別回収しています。ところが一般家庭や公共施設のゴミを分別回収する仕組みはまだないため、リサイクルされるはずの資源ゴミはそのまま埋立処分場に運ばれてしまいます。現在、リサイクル企業と連携し、巡回する5つの小学校で分別回収を始める計画をしています。また自治体では、生ごみや廃材を使った野菜作りや、果物の皮などの捨てる部分を使った料理教室などを行っています。
小学校にて、歌とダンスで分別の仕方を教えています。 すぐに歌を覚え、独自の振り付けを付けながら踊ってくれました。 |
自治体にて、オレンジの皮で作ったお菓子を食べています。 簡単で美味しく、何よりゴミをリサイクルできる料理は好評でした。 |
自分の足で色々な所へ行って状況把握し、自分に何ができるか考え、実行していくのは遣り甲斐がある反面、文化の全く違う国での活動には壁も多く、その度に悔しい思いをしてきました。しかし最近、「今日はゴミをポイ捨てせずにポケットに入れてるよ!」と見せてくれる小学生が増えてきました。こうした小さな変化を励みにしながら、現地の方々やボツワナの未来のために任期を全うしたいと思います。
地域のイベントでうどん作りを教えています。 味の濃い料理を好むボツワナ人にウケるか心配でしたが、皆さん美味しいと食べていました。 |
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