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少子化の進行や児童虐待の問題など、家庭や地域といった子どもを取り巻く環境が悪化している中で、保育現場では、子ども一人ひとりの健やかな成長と併せて、子育て家庭の支援に懸命に取り組んでいる。
保育に対する国民からの期待が一層高まっているにもかかわらず、経済財政諮問会議や地方分権改革推進委員会等においては、子どもの立場や保育現場の考え方を軽視し、経済効率の観点を前面に押し出し、財源保障を曖昧にしたまま疲弊した地方自治体に事務と責任を押し付けるかのような保育制度の改革議論がなされている。
また、保育を巡っては、待機解消が大きな課題となっている一方、少子化の影響で多くの市町村では保育所の定員割れが進むなど大都市と地方では、その抱える課題が大きく異なってきている。
このような中で、保育制度への市場原理の導入や保育所の最低基準の引き下げ等の保育制度改革は、親の所得による保育格差や価格競争による保育水準の低下など、福祉の後退に繋がる可能性があり、全ての地方自治体や国民が望んでいる改革であるのか大いに疑問がある。
よって、国におかれては、子どもを守る保育の推進が図られるよう、保育制度改革における次の事項について、蒼惶として結論を出すことなく、日本の未来を展望し、子どもの視点に立った慎重かつ十分な議論が尽くされるよう強く要望する。
記
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月7日
香川県議会
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