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港湾は地域の総合的発展の基盤として古くから人々の生活と密接に関わっています。現在の港湾は先人達の絶え間ない努力により整備・形成されたものです。
しかしながら港湾を取り巻く環境の変化により、物流の効率化と港内の航行安全の確保、船舶の大型化による水深の確保、小型船収容のための小型船だまりの整備、大規模地震時の緊急輸送拠点となる耐震強化岸壁の整備、快適なウォーターフロントの形成や防災拠点としての緑地の整備など、一層使いやすくかつ機能強化された港湾整備が求められています。
そのため、県では県単独費などとあわせて国の補助事業を積極的に活用し、関係する皆様のご理解・ご協力のもと、各港の特性や背後地との関連を考慮して効率的な整備が図られるよう港湾の整備を進めています。
昭和20年代後半~30年代に数々の台風被害を経験したことから、津波、高潮、波浪等から国土を保全することを目的として、昭和31年に海岸法が施行されたことにあわせ、国の補助事業として整備が行われるようになりました。香川県においても、国の補助事業が制度化されて以降、県土を高潮被害等から守るために、しだいに海岸保全施設の整備が本格的に行われようになりました。
一方で高度経済成長以降の国土開発により、沿岸域の埋立が進められてきたこと等から、自然海岸が減少し、環境の悪化や、住民の憩いの場が少なくなったとの声が聞かれるようになり、徐々に、自然環境や海岸の利用を考慮した海岸整備が進められるようになってきました。そして、時代のニーズにあわせて、それまで海岸事業の中心であった「海岸の防護」に加えて、「海岸環境の整備と保全」及び「公衆の海岸の適切な利用の確保」にも配慮した海岸の管理を行うように、平成12年に海岸法が改正されました。
当県においても自然環境や海岸の利用を重視した海岸整備を進めていましたが、平成16年に相次ぎ来襲した台風による被害、なかでも台風16号では、県下の多くの地域で既往最高潮位を更新し、広範囲に渡って高潮や波浪による未曾有の床上・床下浸水被害が発生しました。その対策を行うため、香川県では「津波・高潮対策整備推進アクションプログラム」を策定し、自然環境や海岸の利用を重視した海岸整備とともに高潮被害を防ぐ海岸整備を重点的に進めてきました。
また、平成23年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の甚大な被害を教訓とし、今世紀前半にも発生する可能性が高いとされている南海トラフを震源とする巨大地震への対策を最優先で行うため、平成27年3月に「地震・津波対策海岸堤防等整備計画」を策定しました。今後はこの計画に基づき、ハード・ソフトの施策を総合的に組み合わせ効率的、効果的に地震・津波対策を推進したいと考えています。
香川県の海岸線の大部分は、瀬戸内海国立公園に指定されており、穏やかな海と小豆島や塩飽諸島などによる風光明媚な景観を形成するとともに、藻場や干潟、天然の砂浜が多く分布し豊かな自然環境を有しています。防災対策を行う上でも、「瀬戸内海の豊かな自然を保全し、にぎわいのある安全で親しめる海岸の創出」を基本理念として海岸整備を進めてまいります。
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