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香東川においては河川整備についての治水・利水・環境の目標を定めた「香東川水系河川整備基本方針」を平成13年5月に策定しました(河川法第十六条)。
<単位:毎秒分のm3(立方メートル)>
河川名 | 基準地点名 | 計画高水のピーク流量 | ダムによる調節流量 | 河道への配分流量 |
---|---|---|---|---|
香東川 | 岩崎 | 1,420 | 400 | 1,020 |
香東川では、この基本方針に沿って、今後概ね20年間において計画的に実施すべき内容を定めた「香東川水系河川整備計画」※3を平成15年12月に策定しました(河川法第十六条の二)。
近年で最大規模となる平成2年台風19号相当の洪水(概ね50分の1)を安全に流下させることを当面の目標として整備を進めていきます。
具体的には、支川椛川に椛川ダムを建設するとともに、下流河道において狭窄部となっている河口潮止め堰と岩崎付近の河道拡幅を行います。
また、内場ダムの洪水調節操作を簡単にします。
香東川上流の洪水調節施設として、椛川ダムを建設します。椛川ダムは、100年に1度の確率で発生する雨に対して洪水のピーク流量毎秒190m3(立方メートル)のうち毎秒120m3(立方メートル)をダムに貯めて洪水を防ぎます。
香東川河川整備計画は50年に1度の確率で発生する雨が降っても洪水を防ぐ計画ですが、将来計画(河川整備基本方針)は100年に1度の確率で発生する雨でも洪水を防ぐ計画です。後からダムを嵩上げして規模を大きくするより、最初から将来計画で造ったほうが経済的ですので、椛川ダムについては100年に1度の確率で発生する雨に対応した施設を造ります。
当面の目標である概ね50分の1の洪水を安全に流下させるため、部分的に狭窄している箇所の改修を行います。整備対象は、岩崎付近の河川改修と郷東大橋上流の潮止堰の改築です。
計画規模の洪水が発生し、ダムなどによる洪水調節等を行わなかった場合に川に流れる流量を基本高水(きほんこうすい)といいます。基本高水の算出にあたっては、一定の安全度が確保できるよう、過去の最大洪水や、過去の降雨・流量データをもとに統計的に算出された流量を採用します。
香東川については、100年に1度の確率で発生する大雨が降った時、川に流れる流量を計算し、基本高水のピーク流量を岩崎地点で毎秒1,420m3(立方メートル)と定めています。
計画高水流量は、河道を設計する場合に基本となる流量で、基本高水を河道と各種洪水調節施設に合理的に配分した結果として求められる河道を流れる流量です。言いかえればこれは、基本高水流量から各種洪水調節施設での洪水調節量を差し引いた流量です。香東川の岩崎地点における計画高水流量は、既設内場ダムを含めたダム群で洪水調節を行うことで毎秒1,020m3(立方メートル)となります。
河川整備計画の策定にあたっては、住民の意見や、学識経験者の意見を反映させることが、河川法において義務付けられています。(河川法第十六条の二)そのため、平成11年に、香東川流域においてアンケート調査※4を実施して意見を集めるとともに、地元説明会の開催や、学識経験者、関係市町長、流域住民の代表によって構成された「わがかがわの川懇談会」を平成15年9月に開催し、多くの方々の意見を反映させ、整備計画(案)を作成しました。
整備計画(案)については、平成15年10月に国土交通大臣と協議を行い、平成15年12月5日に同意を得られたことから、同日付けで策定にいたりました。
河川整備計画策定フロー
香東川に関するアンケートの一部を紹介します。
香東川流域に隣接する高松市鶴市町他14町、旧塩江町、旧香川町、旧香南町、三木町の15歳以上の住民65,229人の内、無作為に2,265人を抽出し、回収は1,038人、回収率は45.8%となりました。(平成11年5月実施)
自由記入欄に記入された内容を整理すると、『環境整備』、『ダム建設』、『河川環境』、『維持管理』の順に多数の意見を頂いています。
子供たちが安心して遊べる公園や遊歩道を河川敷につくって欲しい。
農業用水、飲料水の確保、流量の安定のためにもダム建設は必要だが、自然環境に対して配慮して欲しい。
自然環境に配慮した整備をおこなうとともに、水辺の生物が生息できるような水量を確保して欲しい。
大雨の際に一度に放水すると農地等に被害のおそれがあるため、日頃からダム水の調節や放水管理をして欲しい。
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