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公開日:2020年12月10日

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過疎対策の推進を求める意見書

過疎地域は、我が国の国土の約半分を占め、豊かな自然や歴史・文化を有するとともに、国土・自然環境の保全、いやしの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大な貢献をしている。
過疎地域が果たしているこうした多面的・公益的機能は過疎地域の住民によって支えられてきたものであるが、現在、過疎地域では、人口減少や高齢化が一段と進展しており、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、極めて深刻な状況に直面している。
このように人口の著しい減少等に伴い地域社会における活力が低下し、生産機能や生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域においては、総合的かつ計画的な対策の実施に必要な特別措置を講じることにより、当該地域の自立促進を図るとともに、住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正を図ることが必要である。
国においては、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」を制定して以来、4次にわたり特別措置法の制定を行い、切れ目なく総合的な過疎対策事業を実施しており、現在は、平成12年に制定した「過疎地域自立促進特別措置法」により、過疎地域の自立促進等に向けた施策に取り組んでいる。
また、過疎対策事業については、県内市町において、近年、統廃合に伴う学校施設の整備や地域医療の確保に必要な病院の整備等のハード事業、定住促進対策・地域活性化対策等のソフト事業に関する行政需要への対応が求められている。
これに加えて、今後さらに、公共施設の老朽化に対応するための集約化・複合化・長寿命化など公共施設等の適正管理の積極的な推進とともに、災害応急対策を円滑に実施するため、防災拠点となる公共施設等の耐震化も求められている。
一方で、消費税率の引き上げに伴う建築コストの高騰など地方の公共工事にとって厳しい情勢が続くことも予想されており、市町は厳しい財政運営を強いられる状況にある。
よって、今後見込まれる過疎対策事業の増加とその財政負担の増嵩に対応するため、国におかれては、下記の措置を講じられるよう強く要望する。

  1. 過疎地域の住民福祉の向上及び地域格差の是正をより一層図るため、過疎対策事業債の必要額を確保すること。
  2. 市町の財政負担の平準化を図るため、現在12年以内を基本とされている過疎対策事業債の償還期間を対象事業に応じて延長すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成29年12月14日

香川県議会

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