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公開日:2020年12月10日

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WTO農業交渉及びFTA交渉に関する意見書

WTO(世界貿易機関)の貿易自由化交渉は、平成16年8月1日に農業分野で大枠合意がなされたが、関税削減率等の数値や詳細な要件などは今後の交渉に委ねられている。
アメリカなど農産物輸出国は、輸出を拡大しやすくするため、上限関税の設定や高関税品目の大幅な関税率の引き下げ、関税割当数量の大幅拡大などを依然として要求しており、交渉の結果によっては、我が国の農業に打撃を与えるだけでなく、食料の安全・安定、環境などにも大きな影響を及ぼす可能性がある。
また、FTA(二国間自由貿易協定)については、現在、韓国、マレーシア、フィリピン、タイとの交渉が進められているが、特に東南アジア各国からは農産物の貿易自由化が求められている。
このまま事態が進展すれば、食料自給率の更なる低下のみならず、我が国農業農村の有する多面的機能に大きな影響を及ぼすことが懸念される。
よって、国におかれては、WTO及びFTAにおける農業分野の交渉に当たって、下記事項の実現に向け、引き続き全力をあげて交渉に臨むよう強く要望する。

  1. WTO農業交渉では、世界的な飢餓の拡大や地球規模での環境悪化につながることのないよう、農林水産業の多面的機能の発揮や食料自給率の向上、各国の多様な農業が共生・共存できる貿易ルールとすること。
  2. 大幅な関税引き下げの対象から除外する重要品目を十分に確保するとともに、上限関税の設定や関税割当数量の一律的・義務的拡大には慎重に対応すること。また、国内支持政策に関する適切な規律を確保すること。
  3. 各国の国内農林水産業の維持を可能とする関税率水準や国家貿易体制、特別セーフガードの維持などの国境措置を確保し、急速な市場開放には応じないこと。
  4. 行き過ぎたAMS(助成合計量)削減の是正と、「緑の政策」の要件緩和など国内支持政策に関する適切な規律を確保すること。
  5. 東南アジア諸国とのFTA交渉では、農林水産物の関税撤廃・削減は、国内農業へ打撃を与え、WTO農業交渉や他国との交渉に重大な影響を与えることから、農業構造改革に支障を及ぼさないようにすること。
  6. WTO・FTA交渉についての情報公開を積極的に行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年3月24日

香川県議会

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