ここから本文です。
県では、平成12年度に策定した「香川県新世紀基本構想(みどり・うるおい・にぎわい創造プラン)」において、21世紀の香川県が、豊かさを実感できる地域となるよう、「水と緑に恵まれた、美しい郷土香川」、「活力に満ち、にぎわいのある郷土香川」などを基本方針とし、今後重点的に推進していく主要な施策として、循環型社会の構築に向けた新たな環境産業の展開などによる「自然との共生・持続的発展」や高い技術力を有する創造的な企業の育成支援などによる「活力みなぎる香川の創造」を重点推進プランとして掲げている。これらの重点推進プランの実現を図るために、「環境基本計画」や「廃棄物処理計画」、「離島振興計画」において、具体的施策として反映している。
さらに平成11年に策定した「新事業創出促進に関する基本構想」では、環境関連分野を今後の発展可能性の高い重点分野の一つに位置づけ、環境関連分野に進出する創造的な事業活動を積極的に支援することにしている。
また、直島町では、平成8年に策定した「直島町総合計画」に基づき、町の理想の将来像として掲げた「美しい自然と利便性の高い整った生活環境につつまれた住みよいまち」「経済基盤の確立した活力にあふれた豊かなまち」に向けて、地域ぐるみで清潔な環境づくりを推進するとともに、既存企業との協力・連携の強化を図っている。また、現在策定中の新総合計画では、「生活環境の整った循環型社会のまち」を目指し、町民・事業者・行政が一体となって、ごみの減量化とリサイクルを強力に推進するとともに、既存産業基盤を活用したリサイクル産業基盤の整備を図ることとしている。
エコアイランドなおしまプランは、これらの県及び直島町の環境と産業に関する計画を背景に策定されるものであり、これらの計画に調和するものとして位置づけられるものである。
エコアイランドなおしまプランでは、資源循環型社会への転換と町の活力の維持、発展の継続という課題を克服するため、自然や文化と産業の調和した島という直島町の特色を生かし、環境産業を育成することを新しいまちづくりの基本方向とし、「自然・文化・環境の調和したまちづくり」を基本的な構想とする。
自然・文化・環境の調和したまちづくり
直島町は、瀬戸内海の美しい自然景観を有するほか、文教地区計画に基づいて整備された学校施設、社会教育施設やベネッセコーポレーションのベネッセアートサイト直島があり、島の北部には東洋一の金製錬工場を持つ三菱マテリアル(株)直島製錬所とその関連企業を中心として工業地区を形成しており、自然、文化、産業の調和した島として全国的に知られている。
直島町においては、従来民間の生産拠点として位置づけてきた既存産業を基盤として、新たに環境産業を育成しようとするものであるが、本プランは単なる産業の育成に留まることなく、直島町の特色ある文化・社会教育施設と連携し、ソフト事業の取組みも交えながら、直島町を21世紀の環境教育・環境学習の場として位置づけ、環境と調和したまちづくりをしようとする試みであり、このような取組みは、他地域にないもので独創的かつ先進性があるといえる。
本プランでは、県と町が企業を支援し、新たに環境産業の育成を図るとともに、ソフト事業の推進母体として、行政、民間団体、企業で組織するエコアイランドなおしま推進委員会(仮称)を設置することとしている。また、住民発意によるケナフの栽培や植樹運動など地球環境保全活動も盛んであり、地元の各種団体との協議機関として直島町循環型社会推進協議会を設置し、事業の円滑な推進に努めることとしている。
このように、県と町、住民、民間団体、企業が一体となって新しいまちづくりを行おうとすることは、小さいながらも特色のある地域の特性を生かしたものであり、このような新しいまちづくりモデルを提案することは、これまでなかったことであり、独創的かつ先進性があるといえる。
本プランは、西日本最大の不法投棄である豊島廃棄物等の処理と一体のものとして、既存の製錬所を活用して、溶融飛灰に含まれる金属(銅、鉛、亜鉛)を回収するリサイクル事業を展開するものであり、これにより豊島廃棄物等対策事業の円滑な実施に資するものである。
このページに関するお問い合わせ