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本年6月13日に、次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて、「こども未来戦略方針」が発表された。
この戦略方針では、若年人口が急速に減少する2030年に入るまでを、少子化対策における「日本のラストチャンス」と位置づけ、このまま人口減少が続けば労働生産性が上昇しても、国全体の経済規模の拡大が難しくなり、国際社会における存在感までも失うおそれがあるといったグローバルな視点からも警告しており、少子化対策と経済成長実現に不退転の決意で取り組まなければならないと明記されている。
令和4年の年間出生数は約77万人となり、初めて80万人を割り込んでおり、少子化対策には早急に取りかからなければならない。
中でも、これまで比較的手薄であった、妊娠・出産期から0~2歳の産前・産後のケアについては、出産・子育て応援交付金における伴走型相談支援を強化し、手続きのデジタル化も念頭に置きつつ制度化の検討を進めるとされている。また、産後ケア事業については、令和6年度末までに全国展開を目指すとされている。しかし、委託先の確保や補助対象外となっている産婦の移動支援などの課題を抱えており、また、実施する市町村によって事業サービスの利用のしやすさに差異があるとの指摘もある。
よって、国においては、産前・産後の一貫したケア拡充を通じて、地域で安心して妊娠・出産・子育てができる切れ目のない環境づくりを進めるために、次の措置を講じるよう強く要望する。
記
1 産後ケア事業の委託先確保などの支援とともに、里帰り出産などのケースが多いことから、市町村ごとに事業サービスの利用のしやすさに差異が生じないようにすること。
2 市町村・民間事業者サービスの手続きを簡易化するため、申請・予約など一連の手続きがアプリで完結できるようにすること。
3 産前に対応する医療機関・助産所と産後に対応する保健師との連携等、産前・産後ケアに係る事業の現場が抱える課題とニーズを早急に調査し、実態を把握すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年10月6日
香川県議会
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