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公開日:2023年7月10日

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世界規模での感染拡大を踏まえた鳥インフルエンザの抜本的対策を求める意見書

 昨シーズン、鳥インフルエンザの発生は全国で半数以上の26道県に及び、殺処分数は過去最大となった。本県においても、4例発生し、疫学関連農場を含め、約19万羽の家きんを殺処分した。本病の発生は、養鶏農家のみならず、運送業者など関連事業者にも影響を与え、出荷が再開されるまで収入が得られない事業者は事業継続が困難となるおそれも生じている。加えて鶏卵価格の高騰等が、県民の家計に大きな影響を与えている。
 また、本県では、相次ぐ発生に対応するため、JA、地元市町等の協力の下、多くの職員を動員して防疫措置に取り組むこととなり、通常業務に大きく支障を来す状況となった。
 世界に目を転じても、アメリカ、ヨーロッパなどで、鳥インフルエンザの発生状況は過去最悪となっており、ブラジルでは動物衛生上の緊急事態宣言を発令する事態となるなど被害が広がっている。我が国における鳥インフルエンザは、渡り鳥がウイルスを持ち込むことにより発生するとされ、国内だけで対策を講じても十分とは言えない。
 来シーズン以降も大規模な発生が懸念されることから、発生農場の全ての鶏を殺処分等するといった対症療法だけではなく、本病の発生や感染拡大を抑えるための予防的な防疫対策の確立が急務となっている。
 よって、国においては、下記の事項について格段の措置を講じるよう強く要望する。

1 感染拡大防止に有効なワクチンの研究開発など、関係各国と連携し、世界規模での感染拡大リスクに備えた抜本的な予防対策に早急に取り組むこと。

2 鳥インフルエンザが発生した場合には、民間活力の活用や広域での自治体間の応援体制の整備等、防疫体制強化に向けた仕組みづくりを早急に検討するとともに、必要な財政措置を講じること。

3 鳥インフルエンザの発生により損害を受けた養鶏農家への早期支援のための「殺処分手当金」等を早期に交付すること。
 また、流通関係者等に多額の損失が発生する場合に備え、経営継続に向けた支援制度を確立すること。

4 鳥インフルエンザに関する科学的知見や食品の安全性に関する迅速かつ的確な情報提供などの風評被害防止対策を行うこと。

5 鳥インフルエンザの発生原因と感染ルート解明による抜本的な対策を早期に実施すること。 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年7月10日

香川県議会
 


 

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