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公開日:2023年7月10日

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国民皆歯科健診の実現を求める意見書

 現在、我が国では法律で義務付けられた歯科健診として、母子保健法による1歳6か月児、3歳児に対する乳幼児歯科健診、学校保健安全法による小学校、中学校、高等学校の児童・生徒に対する学校歯科健診が行われ、この年代の全ての国民が歯科健診を受診している。
 一方で、成人期においては、健康増進法に基づく40、50、60、70歳の歯周疾患検診、高齢者医療確保法に基づく後期高齢者歯科健診の受診率は極めて低いものとなっている。また、事業所における歯科健診は歯科特殊健康診断として有害業務に従事する労働者に限られている。
 現在では多くの研究により、歯の本数と全身の健康状態、歯周病と全身疾患との関係等についての科学的な根拠が明らかになっている。人生100年時代を迎える中で健康寿命を延ばすためには、「8020運動」や「オーラルフレイル対策」の取組をさらに進めるなど、歯を含めた口腔内の健康維持が極めて重要である。そのためには、ライフステージに応じた切れ目のない歯科健診の受診機会を確保する必要がある。
 こうした中、「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進」を行うことが盛り込まれたところであり、生涯を通じて国民が定期的に歯科健診を受診し、健康寿命の延伸に向けた取組が進むことが期待される。
 よって、国においては、下記の事項について、格段の措置を講じるよう強く要望する。

1 国民皆歯科健診の実現に向けて、「歯科口腔保健推進法」の改正を含め、必要な法整備を早急に行うこと。

2 国民皆歯科健診の制度設計等に関する具体的な検討を進めるに当たっては、地方自治体をはじめ関係者の意見を十分に反映させること。

3 国民皆歯科健診の実施に関しては、国において十分な財政措置を講じること。

4 国民皆歯科健診の実現とあわせて、国民に対して歯と口腔の健康づくり及び歯科健診の重要性についての啓発や健診受診後の定期的な歯科受診の勧奨を行うなど、歯科疾患の発症や再発、重症化予防のため、ひいては、全身の健康につながるよう、総合的な取組を推進すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年7月10日
香川県議会
 


 

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