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病名:イネいもち病
イネいもち病はイネの重要病害の1種であり、イネの全生育期間で根以外のほとんどの部分において発症します。症状が発生する時期や部分によって、葉いもち、穂いもち、苗いもちなどと呼ばれています。感染すると、イネの枯死や収量の減少を引き起こします。25~28度くらいの低温で、雨が多い時に発生しやすい病気です。また、土の条件が窒素過多のとき発生しやすくなります。
>葉いもち | >穂いもち | >苗いもち |
葉に発生したいもち病は、葉いもちと呼ばれます。病斑は褐色で、縦に長いひし形をしています。葉いもちの急性型病斑は、病斑の周辺部が褐色で、中央部分は暗緑色あるいはねずみ色になっています。急性型病斑が発生すると、若いイネなどでは萎縮症状が起こることがあります(ズリコミいもち)。
葉いもち1 |
葉いもち2 |
葉いもち3 |
葉いもちによるズリコミ1 |
葉いもちによるズリコミ2 |
出穂すると、穂いもちが発生する可能性があります。穂の発病部分によって、穂首いもち、穂軸いもち、枝梗いもち、籾いもち、みごもいもちと呼びます。出穂後2~3日頃までの早い段階で穂首が感染すると、白穂になります。葉いもちの発生が多い圃場は、穂いもちが発生しやすくなるため注意が必要です。
穂いもち1 |
穂いもち2 |
穂いもち3 |
種籾に感染して越冬したいもち病菌は、翌春に種籾が発芽する時期から活動をはじめ、苗いもちの原因になります。近年は、耐性品種の普及や防除対策の徹底によって、苗いもちの発生は減少しています。
苗いもち1 |
苗いもち2 |
イネいもち病菌の胞子 |
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