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陝西省は「陝北」、「関中」と「陝南」の三つの地域に分かれています。南北に長く広がっていますので、気候や食物、習慣、方言などが地域によってずいぶん違います。大昔、風が遙か北の彼方から黄土を中国西北の高原まで運び、長い年月をかけて、広い陝北になりました。陝北は楡林市と延安市で成り立ち、黄帝の子孫はここで生活し、きらびやかな文化を創造しました。
一般的に、住宅はその土地に適するように建てられています。黄土高原にある住宅は、これをよく示しています。地帯の山の崖に掘られた横穴式の住宅である窑洞は、黄土高原の住民の伝統的な家屋で、建てやすいし、夏涼しく冬は暖かく、陝西省の特色ある建物になっています。窑洞が陝北のさまざまな文化を育てたと言えます。
ヤンコ踊りは、農民の田植え踊りから始まった中国北部の大衆舞踊です。農民が田植えの際に踊ったのが起源とされるこの「ヤンコ踊り」は、今日では祝祭日の行事や収穫祭、または新年を祝う祭りの行事として踊られるほか、無形文化としてダンス大会などで「ヤンコ踊り」の芸術性や表現力が競われるなど、中国の民族舞踊として幅広く定着しています。
「ヤンコ踊り」の踊り方としては、色鮮やかな大きな扇子、傘、または色美しい絹の織物をはためかせながら、太鼓、ラッパ、チャルメラの軽快なリズムに合わせて少しずつ前進していくというものです。腰鼓、鮮やかな模型の船、模型のロバ、高足踊りなど地元の特色を加えながら、独特な陝北ヤンコ踊りになってきました。
喜、怒、哀、楽、人間の様々な感情はすべて歌で表現できます。山にも、道にも、野原にも、あちこちに響き渡っている歌声が陝北民謡です。陝北には「悩みの時、女は泣く、男は歌う」という表現があります。実際は、老若男女みんな民謡を歌うことが大好きです。歌詞の内容は陝北人の生活を反映し、愛情の歌が多いです。陝北は、民謡の山、民謡の海と言われています。
陝北の結婚風習は独特で、婚約から結婚まで、作法が非常に多いと言われています。昔、貧しかったとき、花嫁はロバや輿に乗って嫁入りする場合が多かったのですが、現在では、車に乗る場合が多いです。最近、結婚式で何台もの車に乗るようになり派手になってきましたが、昔の「花嫁は輿に乗り、花婿は馬を乗る」ような伝統的な結婚式もまた人気になってきました。また、結婚式の一環として、「囲児女」という独特な習慣があります。それは、花嫁と花婿が座ったベットの周りを、鮮やかな蒸しパンで飾り、子孫の繁栄を祈る風習です。
陝北地方では昔からそばを植える習慣があり、現在、有名な生産地になりました。そばで様々な料理が作られます。羊肉そばは、冠婚葬祭の行事に欠かせない料理のひとつで、代表的な料理です。「??床子」という底に穴の開いた道具で、ところてんを作るように押し出し、それをゆでたもので、地元の羊肉で作ったスープと大切りの羊肉を付けて、ラー油を少し入れて作ります。言葉で言い表せないくらいおいしいです。
涼皮(冷麺みたいな料理)の起源は約2000年前秦始皇帝の時代に遡ると言われています。ある年、干害のせいで、凶作となり、朝廷への年貢米が出せなくなってしまいました。李十二という人がお米を挽って粉にして、蒸した涼皮を貢物として始皇帝に献上しました。涼皮を食べた始皇帝は大変喜んで、「毎日作りなさい」と命令しました。そして月日が経ち、伝統的な食べ物になりました。涼皮はお米で作った「米皮」と小麦粉で作った「麺皮」があり、地方によって、作り方も、たれも違って、いろいろな風味を楽しむことができます。
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