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公開日:2020年12月10日

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「水産政策の改革」における慎重な検討を求める意見書

「水産政策の改革」は、国の水産基本計画に基づき、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢のバランスのとれた漁業就業構造を確立することを目指して、平成30年6月に政府の方針として「農林水産業・地域の活力創造プラン」に位置づけられたものであり、今後、必要となる法整備等を速やかに行うこととされている。
本県においては、漁協が生産や漁場行使の調整などを担うことで秩序ある漁業が行われているが、この改革により、特定区画漁業権が廃止されれば、漁協は個別に漁業権を付与された漁業権者の調整に関与できなくなる恐れがある。
また、魚類養殖では、国の「養殖生産数量ガイドライン」に基づき価格安定に努めているが、そのガイドラインに参画しない個別漁業権者が規模拡大した場合、養殖魚の生産量の増加により、需給バランスが崩れることも懸念される。
さらに、漁獲量の個別割当を順次導入するためには、資源量や漁獲量を正確に把握する必要があるが、多種多様な魚種を漁獲する内海の漁業には当てはまらず、多額の費用が必要となるため、単なる漁獲制限となってしまうことになる。
加えて、海区漁業調整委員会では、公選制により、資源管理や流通に精通している組合長が選出されることが多く、地元調整が行われているため、現行制度で問題は生じていない。また、漁協の役員に販売のプロ等を入れること等により、新たな経費負担が生じないように努める必要がある。
よって、国におかれては、全国の漁業者が納得できる施策とすべく、拙速に法整備等を進めることのないよう、次の事項について要望する。

  1. 今まで果たしてきた漁協の機能を評価し、漁協に免許される特定区画漁業権を継続すること。
  2. 個別漁業者に対しては、国が積極的に関与し、養殖生産数量ガイドラインを遵守させること。
  3. 瀬戸内海等の沿岸漁業の資源管理は、漁獲努力量削減措置等による管理を継続させること。
  4. 海区漁業調整委員会の公選制を継続させること。
  5. 漁協の役員に販売のプロ等を入れたり、信漁連監査に公認会計士監査を導入するなど、すでにいる人材と重複するような新たな人的負担を強いるようなことをしないこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成30年10月12日

香川県議会

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