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公開日:2020年12月10日

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地方財政の充実・強化を求める意見書

平成30年6月15日に閣議決定された「骨太の方針2018」では、財政健全化の視点から、新たな経済・財政再生計画を策定し、2025年度の基礎的財政収支の黒字化目標に加え、中間年の2021年度には、債務残高や財政収支赤字の対GDP比の引き下げなど、3つの評価指標を設定するとともに、来年度から3年間を、社会保障改革を軸とする「基盤強化期間」と位置づけるなど、経済・財政一体改革を強力に推進することとしている。
国と地方が一体となって取り組むに当たり、地方の一般財源総額は実質的に同水準を確保することとなっているが、近年、地方税収が伸び悩む中、地方交付税の減額や臨時財政対策債の高止まりもあり、この傾向が続けば、地方財政の悪化を招く可能性もあるほか、財政健全化目標の達成に向け、地方に対する歳出抑制の取組みが一層活発化することも想定される。
また、消費税率引上げ分の一部を活用して、全世代型社会保障とするための「新しい経済政策パッケージ」が盛り込まれているが、その多くは地方が主体であり、安定的に財源が確保された中でこれまでにも増して財政規律に意を用いた財政運営を進めていく必要がある。
よって、国においては、下記の事項について、格段の措置を講じるよう強く要望する。

  1. 地方財政計画においては、平成31年度以降も引き続き、地方単独事業を含めた社会保障関係経費の増など、地方の財政需要を的確に反映し、地方全体での一般財源総額を確保すること。また、来年度から創設される森林環境譲与税(仮称)を財源として実施する森林整備等に係る歳出については、地方財政計画に新たな歳出を確実に計上すること。
  2. 地方交付税については、国が後年度の財源措置を約束した、景気対策や政策減免、財政対策等のための地方債の元利償還に対する措置を確実に履行するとともに、法定率の引上げなど抜本的な地方交付税改革や地方に対する義務付けの見直しがないまま、一方的に削減することのないよう適切な額を確保すること。
  3. 持続可能な社会保障制度の構築は、将来の子どもたちのためにも極めて重要な課題であり、今後、制度の見直しや安定的な財源確保を図るとともに、地方の活力を失わせるような地方財政のしわ寄せが生じることのないよう、必要な措置を確実に講じること。
  4. 地方自治体は、行財政改革や歳出抑制の努力を行う中で基金の積立て等により災害や税収の変動等に備えた財政運営の年度間調整をせざるを得ないのであり、短期的な基金積立金の増加をもって、地方交付税の削減や歳出削減を行わないこと。
  5. 地方自治体にとって、大幅な税収減により、財源不足が拡大した場合には、地方債発行の増大につながり、地方の財政運営の健全性が阻害されることから、臨時財政対策債を廃止するとともに、地方交付税本来の機能を確実に発揮するため、法定率の引上げなど、財源不足に対応して必要となる地方交付税の財源を適切に確保すること。
  6. 地方歳出は、社会保障関係経費の自然増などを給与関係経費や投資的経費の削減努力などで補ってきており、従来のような歳出削減は極めて困難な状況にあることを踏まえ、国の赤字解消のために、効率化重視の視点のみでの歳出改革は行わないこと。
  7. 「新しい経済政策パッケージ」の実施に当たり、幼児教育無償化や待機児童の解消など、地方が主体となる施策については、地方財政の運営に支障が生じないよう、国の責任において必要な財源を十分確保すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成30年7月12日

香川県議会

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