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公開日:2020年12月10日

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児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書

本年1月に本県から東京都目黒区へ転居した5歳女児が、虐待により死亡し、両親が逮捕されるという、大変痛ましい事件が発生した。
これまで、本県の児童相談所では、対応件数の増加に対応するため、虐待の対応に当たる職員を過去10年で20人増員し、体制強化を図るほか、市町等と情報を共有のうえ、連携強化を図るため、家庭訪問における保護者への対応等について助言を行うなど、市町の対応力の向上を図るとともに、警察とは、昨年3月に情報共有に関する協定を締結し、情報共有を行うなどの取組みを行っているところである。
本件については、先月、香川県児童虐待死亡事例等検証委員会の初会合が開かれ、本県での一連の対応についての検証を行うこととしており、検証に当たっては、国や都とも情報共有を行いながら、できるだけ早く報告書の取りまとめを行い、再発防止に向けた取組みを徹底していくこととしている。
児童虐待においては、当該児童の安全を最優先に確保する必要があり、一つの機関だけで対応できる問題ではない。関係機関の密接な連携及び協力が不可欠であるだけでなく、自治体間の連携や全国統一のルールづくりが喫緊の課題となっている。
よって、国におかれては、二度と子どもの命が失われる痛ましい事案が繰り返されることのないよう、下記の事項について真摯に取り組まれるよう強く要望する。

  1. 児童相談所の体制強化を図るため、児童福祉司の配置基準の見直しや児童心理司の配置基準の法定化を行うとともに、職員の専門性の向上や弁護士の配置に必要な財政措置を拡充すること。
  2. 管外の児童相談所へのケース移管や情報提供等を行う際に、切れ目のない相談・支援体制を確保するための全国統一のルールづくりを行うこと。
  3. 困難な児童虐待事案対応時には警察官の同行を求めるなど、警察との間で必要な情報が迅速で確実に共有できる仕組みを構築すること。
  4. 児童相談所が児童虐待の防止等に関する調査をより的確に実施するため、様々な機関等に対して、関係資料等の提供を要求できるようにするとともに、要求を受けた当該機関等に応諾義務を課すよう法改正を行うこと。
  5. 児童虐待や経済的な理由により親元で暮らせない子どもについて、都道府県が地域の実情に応じて取り組む里親制度の推進や児童養護施設等の整備に対し、十分な財政支援を行うこと。
  6. 児童虐待の早期発見・早期対応を図り、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を実現するため、「子育て世代包括支援センター」の全国展開に向けた財政支援を強化すること。
  7. 平成23年に民法改正により新設された親権停止制度が、児童虐待の防止等を図り、子どもの権利利益を擁護する観点から適切に活用され、有効に機能しているか実態を把握し、検証すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成30年7月12日

香川県議会

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