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公開日:2020年12月10日

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障害者自立支援制度の充実を求める意見書

障害者がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう支援することを目的として定めた障害者自立支援法が、本年4月に施行され、10月からは全面施行されている。
しかしながら、サービス利用料の利用者負担が増加したためサービス利用を手控えたり、施設における利用実績払いの導入や報酬単価の改定による施設経営への影響により、結果として提供されるサービスの質の低下を招く可能性が指摘されている。
このように、現行の制度は、法の目的を実現する上で、早急に改善すべき問題点が多くあり、これらは、制度設計を行った国において解決すべき課題であることから、次の事項について適切な対策を講じることを強く要望する。

  1. 利用者負担については、その階層区分の細分化や階層区分の基準となる世帯認定制度の見直しなど、利用者の所得や状況に応じたきめ細かな配慮を行うとともに、障害児の保護者負担については、在宅障害児と施設入所障害児との均衡や子育て支援の観点から、一層の軽減制度の拡充を図るなど必要な措置を講じること。
  2. 施設等に対する報酬については、報酬基準の見直しで全体的に減額されているほか、支払方式が月払いから日払い方式に変更されたため、経営に大きな影響を与えている。
    特に、難聴幼児通園施設など訓練系の障害児通園施設では、訓練対象者が限られることなどから利用率の向上が望めず、大幅な減収となっている。
    利用者に対する良質なサービスの提供を確保し、法のめざす地域移行を促進するため、事業者に対する激変緩和措置を講じること。
  3. 地域におけるサービス基盤の確保については、障害者の地域での自立した日常生活、社会生活への移行を進めるため、居住の場として不可欠であるグループホーム等に対して、地域の受け皿となるよう必要な支援策を講じること。
    また、就労支援などの日中活動系サービスや相談支援などの地域生活支援事業等の基盤整備についても、十分な財政措置を講じること。
  4. 障害程度区分の認定については、知的障害者及び精神障害者は実際に必要とする支援と比較して低く判定される傾向にあるとの指摘がある。障害程度区分は、制度の根幹をなすものであり、障害特性に応じた全国共通の基準に基づき障害程度区分の適切な認定ができるよう、さらに専門的な検証を進め、認定の妥当性・客観性を確保すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成18年12月15日

香川県議会

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