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今日の森林・林業や木材関連産業は、国産材の価格低迷が長期に続く中で、林業の採算性が悪化し、そのことが森林所有者の林業に対する意欲を失わせ、適切な森林の育成・整備が停滞し、森林の持つ多面的機能が低下している実情にある。
また、近年、自然災害が多発する中で、山地災害未然防止に向けた治山対策や森林整備等、自然環境や生活環境での「安全・安心の確保」に対する国民の期待と要請は年々増加し、森林の持つ多面的機能の発揮が一層期待されている。さらに、地球温暖化防止の枠組みとなる京都議定書が、昨年2月発効したことに伴い、国際公約となった温室効果ガス6%削減を履行するための、森林吸収量3.8%確保対策の着実な実行も急務となっている。加えて、この間、我が国の森林行政の中核を担い、民有林行政との連携を果たしてきた国有林野事業は、一般会計化・独立行政法人化が検討されるなど、国民の共有の財産である国有林の管理にとって大きな転換期を迎えている。
こうした中、平成18年9月8日、森林・林業基本計画が閣議決定され、今後は、その骨子である、1.多様で健全な森林への誘導、2.国土保全等の推進、3.林業・木材産業の再生を前提に、森林整備や地域材利用計画の推進、林業労働力の確保等の対策を進めていくこととされた。
よって、国におかれては、森林・林業基本計画の着実な実行や、地球温暖化防止森林吸収源10ヵ年対策の着実な実行、そして多面的機能維持を図るための森林整備等の推進に向け、次のことを実現するよう強く要望する。
記
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年10月12日
香川県議会
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