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降水量が少なく渇水の多い本県では、古くから農業用水をため池に貯め、節水しながら農業を営んできた。香川用水通水後は、ため池に香川用水を貯水し、下流の農作物の水需要に応じて配水する調整池の役割があります。
ため池は、もともと降雨の集まってきやすい洪水路線に沿って発達しており、このため、台風による豪雨などの流出水は、いったんため池に貯留されてから、余水吐によって下流に放流される。そのお陰で洪水のピークが抑制されて、下流での溢水、河川の氾濫を未然に防いでいます。
また、山池は、谷筋の水を貯留する構造になっていて、沢を堰き止めた池が多く、このため、上流から流出してくる土石流をまともに受けることになり、ため池堤防が砂防堰堤の役目を果たして下流の田畑、民家を災害から防止しています。
ため池は、葦やヨシなどの植物が生い茂り、カイツブリや等の生息地となるとともに、池には、ニッポンバラタナゴやオニバスなどの貴重な生物の生息場所となっています。
近年、都市化の進行や開発による環境の変化等に伴い、緑や水辺空間が減少する中、身近な親水空間として住民に快適な環境を提供しています。
香川県において、ため池を中心に網の目のように張り巡らされた水利の仕組みや水空間は、長い農業生産活動を通じて営々と築いてきた先人たちの遺産です。このような長い歴史の蓄積によって生まれた讃岐平野独特の農村景観や田園風景は讃岐の文化となっています。
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